柊大和視点3
すべての話を戻して。
武いわく、生徒会のメールの中にはボラ部宛の物が、多々あったらしい。
内容は校内における、ボランティアの活動。
「でも、ボラ部の校内活動は理事会によって、制限されてますよ?」
「生徒会がなんだかんだ理由つけて、許可してんだよ」
「ひーいきー」
「胡桃さんが言うんですか」
話が脱線しそうだな。
脱線したところで、何があるわけでもないが。
「んで? ボランティアの内容は?」
「ボランティアであって、ボランティアでない」
「タケ、答えになってねぇよ」
「俺らとやってることは変わんねぇよ」
ほう。無償の愛ってやつですかな。
それはそれは、厄介なことで。
「流石に大会には出てないようだ」
「そんなことよりさ、生徒会が作った理由の方が私は気になる」
胡桃の言うことも一理あるな。
あの理事会を納得させたんだ、さぞ立派な理由だろう。
「『選手として行うのではなく、あくまで練習相手です。場所も他校の敷地なので問題ないと思いますが?』だそうです」
可愛い美琴はとても賢くて、仕事が早い。
……どうやって調べたんだ?
「美琴、それ、どっからの情報なの?」
「母からです」
「あ、うん。オケ、把握」
あのババァからの情報か。
信憑性はあるが、代償が怖いな。
「話戻すぞー。で、生徒会に嘘つかせたボラ部はフツーに試合に参加してるんだよ」
「参加してるって何でわかるんだよ」
「それは、あれだ。迅さんに聞いた」
「……対価は?」
「……俺が一週間代行部員になること」
馬鹿タケが!
あれほど迅さんには気を付けろと……。
迅さんは留年してるけど、賢いんだから。
「話変わっていい? 蒼真とタマは?」
「珠樹君が寝てしまったので、蒼真ちゃんが連れて帰りました」
「タマのエネルギー切れ?」
「いえ、エネルギー満タンです」
美琴と胡桃の会話を聞きながら、俺はパソコンに向かう。
メールの途中だったのを、すっかり忘れていた。
相手が相手てだけに、返信が遅れると、俺が死ぬ。
「あー、助っ人部諸君」
「何よ、大和」
「依頼だ。依頼と言っても、正確には合同活動」
「もったいぶる人は嫌われるぞー」
胡桃にマウスパットを投げたが、白羽取りされた。
よし、美琴だけに見せてあげるか。
「美琴、こっちにおいで」
「ひーいーきー!」
今度はペンを投げるが再び取られた。
傍に来た可愛い美琴は……あぁ、ほんっとうに可愛い!
「これ、どちらかと言うと、胡桃さん宛ですね」
「美琴、シスコン無視して、読み上げろ」
「はい。えっと『ボランティア部に違反の動きがあると通達あり。そこで、情収部及び助っ人部、代行部に所属している木羽胡桃、並びに助っ人部員に依頼する』です」
「はーい、よく読めましたー」
「大和、さすがにそれは美琴に失礼じゃないの?」
「……そうなの?」
「そんなことありませんよ、大和兄さん」
もう、美琴、大好き!
「馬鹿はほっといて、いくぞ」
「どこにー?」
「依頼者のとこ」
「依頼料は……期待できませんね」
美琴は誰にもやらないんだぁ。
お兄ちゃんと一緒がいいんだもんね。
「ねー、美琴!」
振り向くとそこには、誰もいなかった。
部長を置いていくんじゃねぇ!




