第4配信 先輩とか関係ねぇよなぁ?
「いやー、大成功でしたね!コラボ!」
「そうですね、反響もでかいですし」
コラボが終わったあと、カノちゃんとソウラちゃんの登録者数はものすごく伸びたらしく、今は約56万となっている。
「ソウラちゃんの純粋さ、いいですよねぇ」
「賛同したいところですが、あなたと同類になりそうなのでノーコメントで」
「むー」
「前にも言いましたが、アラサーの膨れっ面はきついです」
「……(涙)」
言葉のナイフ鋭すぎない?泣くよ?なんならもう平安京建てるよ?
「あぁ、そういえば0期生の方からコラボのお誘い来てますがどうしますか?」
「え?」
間抜けな声が出てしまった。元から間抜けだって?うるさいよ?でも、仕方がない。なぜなら、そして、0期生は4人のグループであり、割とガッツリアイドルであるからだ。……一人を除いて。
「いやいや、私のような変態とコラボしたいだなんて……」
「変態っていう自覚はあるんですね…」
そりゃあねぇ。自覚なしであれだったとしたら相当だよ。ってか、変態じゃなきゃ社内でセック◯なんて叫ばねぇよ。
「いや、受けたいですよ、もちろん。コラボが解禁された今、欲求を解放するようにいっぱいシたいですよ」
「若干発音に違和感を覚えたのは私だけですかね?」
「おっと、性欲が漏れちまった」
「心の声も漏れてますよ?」
一向に話が進まねぇ……。でもなぁ、コラボなぁ、どうすっかなぁ。
「うーん、まだ悩みますけど、とりあえずコラボする方針でお願いします」
「わかりました。ちなみに、今日はコラボせずに告知だけして、また雑談配信をしてもらいますよ」
「わかりました〜」
先輩とのコラボ、楽しみだなぁ!
「あ、そういえば0期生の誰ですか?」
「まだわかんないんですよね」
「は?」
────
──
─
「──って感じコラボが決まりましたー!」
・結局誰だよぉぉぉおおぉぉ!
・エナの『は?』は真っ当すぎる
・0期生結構アイドルだけど大丈夫そ?
・いやでも一人例外がいるぞ?
・あ〜
・ワンチャンそいつ説
・まぁ、相性は良さそう
・コラボに誘ったではなく誘われた?
・へぇ、こりゃ明日槍が降るな
・シンプルにテロで草w
・マジで誰だ?あいつか?知らんけど
・マジで知らないやつの知らんけど初めて見た
・草
みんなも誰がコラボ相手か気になっている様子だ。んー、モヤモヤするなぁ。目星はつけられてるけど確信までにはいたらないんだよなぁ。
「まぁ、とりあえず会話デッキを作ってこうと思います」
会話デッキ作っとけばなんとかなるでしょ。……浅はかすぎない?考え。でも、会話デッキをつくろうにも相手がわかんなきゃ意味がなさそう。まぁでも、とりあえず、
「パンツの色は必須でしょ」
・必須じゃねぇよ
・それは俺のオカズの必需品なだけだ
・気にはなる
・会話デッキ一発目からそれ?
・性欲つえぇな
・多分コイツ三大欲求の比率バグってるな
・運営は早く治せ
・運営も困るやろ、不治の病を治せって言われたら
・不治扱いで草w
・まぁ、治らんやろなぁ
何やらリスナーがうるさいが無視して進めていく。どうせみんなも気になっているだろう。体は正直なんだ。テント張ってるのは画面越しでもわかる。
「あと何カップかも入れとこう」
場合によっては血祭りにされるかもだが。でもまぁ、小さいのは0期生内では一人だけだし、別にいっか。
「あー、あとは男◯は好きかどうかもだな」
・誰かコイツを止めろ
・終わってる……
・訴えられるって
神流重マキナ:え、私これに全部答えなきゃなんですか……?
・マジか
・!?
・え!
・嘘だろ……
・コラボ相手発覚!しかしコラボ相手、早くもピンチ!?
・草
・ガチかぁ
・あいつじゃないんかぁ
八岐コブラ:元の予定はルトになるはずだったが、スタッフがNGを出した為今回のような形になったで候
ナルク・エルト:クァワイイ子よ、もうしばらく待っててくれ
・スタッフ、ナイスだ
・よくやった
樹木シュキ:僕も一生懸命止めたから褒めてね
・シュキしゅき〜w
・しゅ、しゅごすぎ〜!
・えらい!
・えらいぞ!
・エロいぞ!
・エロだぞ!
・ってか、やっぱり相手ルトさんだったんか、最初は
・4期生全員この配信見てんの草
「え!マキナさんが今回のコラボ相手なんですか!?」
驚きだ。マキナさんは登録者数400万人越えのアイドルVtuberだ。私なんかが関われるはずのない域の超人だ。しかし、コラボ自体はルトさんがしたらしいな。そりゃわからんわ。でもまぁ、さすがにスタッフ止めるわ。そのせいで被害者できたけど。ってか、マキナさん相手ってこれマズくね?
「……」
私は無言で会話デッキを隠す。
・おい
・隠すなよ
・今更無理だから
・スクショ保存隊がここにいるぞ?諦めろ
・清楚なんだろ?自信持てよ
・清楚の考えた会話デッキなんだから胸はれよ
「無理だろ!こんな大物アイドル相手に!」
こんな下ネタまみれの汚い会話デッキなんか燃やすべきだ!くそう!相手がコブラさんだったら大丈夫だったのに!
神流重マキナ:大物アイドルだなんて……///
・珍しくボケたな
・おい!それはまずい!
・隙を晒したら襲われるぞ!
「照れてる?私の言葉に?」
ワンチャンあるんじゃない?これ。思いの外、マキナさんは褒めに弱いな。さてはちょろかったりするか?……褒めたらイケる。その確信が今芽生えた。褒め尽くしておパンツの色も全部聞いてやる!
………謎理論すぎない?まぁ、実行してみるか。
「マキナさんは可愛くて、優しくて、想いが誰よりも強くて、素敵な笑顔で、歌がうまくて……」
このようにして10分程度褒めちぎった。
神流重マキナ:あの、本当に恥ずかしいのでその辺で……
・照れてるの可愛い
・見習えよ、エナ
・文字だけなのに清楚が滲み出てるぞ
・これが本物か
・エナよ、マキナさんのガチ照れをありがとう
・あんま褒めんなよ?
・あいつ褒めたら助長するからな
よ、よし!これはだいぶ好感触では?ってか、褒めたのはこっちだし、許されるよな。
………謎理論すぎない?(n回目)
「………」
無言で会話デッキを戻す。
・おい
・引っ込め
・マズイぞ
・このままじゃマキナちゃんがエナの餌食に……
八岐コブラ:我もいつかこの者とコラボするのか……
ナルク・エルト:ゾクゾクしてきたね
・コブちゃんでさえ慄いている……
・ナルクは一旦黙ってて?
「恥じらいボイス追加しとくか」
恥じらいからしか得られない栄養分があると、私は知っている。あ、そうだ。
「知ってる下ネタを全部報告も入れとくか」
案外ムッツリかもしれないしな。
なんかもう大物アイドルVtuberなんてただの肩書きとしか思えなくなったな。私の前にはモラルすらない。………いつか私訴えられそう。
・もはや会話デッキの形を成していない
・可哀想
・お前よくそれで俺らを貶せたな
・でも、いい
・センスだけは認めよう
・恥じらいを見たいからエナの味方に行くのもいいかもしれん
・マキナちゃんがムッツリかどうかもわかる良質問
・あれ?最低な内容なのに光って見える?
・若干味方増えてて草
「紳士が私のチャンネルには多いようですね」
いや多すぎる気がする。なんか、興味ないねってクラウ◯くらいスカしてる奴も多分興味津々だもん。スッゲェな私のリスナー。しかもこれ男女比率ちょうど半々くらいだぞ?どうなってんだ?もう少しキラキラしたコメント欄でもいいじゃんと思ってしまう。そうだ文句を言おう!
「皆様、なぜいつも見るも無惨なコメント欄をつくりげるのですか?」
・急だな
・そりゃああれよ、お前に似たんよ
・似てるだけでコイツのインフレには追いつけてないけど
・もう追いつけてんのはマカロン投げてる奴らぐらいだろ
・あいつらはもうなんなら追い越してるからなぁ
・唯一エナを苦しめられる存在
・カッケェ、憧れないけど
・俺らのつくるコメント欄が無惨ならお前の配信も十分無惨よ?
・俺らを否定するのは自分を否定することになるからな?
・草
ほう。普段のコメント欄の様子についても聞いてみよう。あと、リスナー交換会もやってみたいな。そのことについても聞きたいから会話デッキにイン!ペ◯スもイン!
「ビュー」
・何してんのコイツ
・会話デッキに突如ペ◯スを突っ込んだと思ったらビューって言った…???
・草
・??
・ノリと勢いで生きてるリア充の間違えた例
・コイツリア充か?
・もっとな、リア充はな、強くなくちゃいけねぇんだよ
・コイツも十分強いがな
流石に会話デッキからペ◯スを消し消しした後、
「このぐらいでよし!」
会話デッキの完成を宣言をした。うん、これはコラボ配信も盛り上がるんじゃないの?いいねぇ、ワクワクしてきた。
・よくねぇ
・ペ◯スは消すのね
・ちょっと残念
・もうね、ここまでくるとおもろいのよ
・清楚、ねぇ
・そういやコイツ清楚系か
・清楚のせの字どころかSの字すらない
・Sはあるぞ?下ネタの
・4期生って今思えばアイドル感あんまないな
・でもまぁ、それがいいっちゃいいんだよな
ふむ。期待値は高そうだな。これでいこう。…スタッフさんに怒られない限りは。
「それじゃ、また一等星が夜空を装飾する頃にお会いしましょう」
柔和な笑みを浮かべ、
・イヤホンは外しました
・こいよ
・準備はバッチリだこのやろー
「おやすみ」
とびっきりの甘い声で囁いた。
・ぬぅん!?
・はぁん!?
・アァァァァアア!?
・囁き声は破壊力が強すぎる!
・くっそ
・コイツ声だけはいい!
・アァァァァアア!イヤホン外さなきゃよかったァァァ!
ふふ!やはり私の囁き声の破壊力は凄まじいようだな!
そんなこんなで配信は終わった。
────
──
─
プルルル!
スタッフさんからの電話だ。……説教か?
恐る恐る電話に出る。
「はい、桜宮です」
『はい、少し次回のコラボでお話をしたく』
これは説教の可能性が高いな。嫌だなぁ。しっかり怖いんだよ、この人。
「あ、あの」
私は弁明しようとした。しかし、
『次回のコラボはスタジオにて行うので、事務所まで来てくださいませんか?』
「え?」
え?なんて?スタジオ?え?
「スタジオまで行かないといけない配信でしたっけ?」
『あぁ、そういえば配信内容伝えてませんでしたね』
何やらガソゴソとものを探す音が聞こえる。
「雑談配信じゃないんですか?」
『いえ、まぁ、会話デッキを消費するくらいの雑談の時間はあるでしょうが…』
何か探しながら私の質問に答える。?何を探しているのだろう……。
『あ、あった』
「なんですか?」
『いえ、プロコンを探してまして』
「……え、もしかして」
嫌な予感がする。念のため確認しとくが、私の家にプロコンどころかゲーミングPCすらない。ノートパソコンやいつもの配信機材くらいしかなく、そんなガッツリFPSとかできるような環境ではない。
「スタジオで、ゲーム配信、ですか?」
『そうです。あ、先ほどチラッと言いましたが最初に雑談時間は設けるつもりなので会話デッキは消費できますよ』
補足のために言っておくが、マキナさんはかなりゲームが上手い。視聴者参加型とかもよく視聴者をボコっている。
「もしかしてこれって、FPS教えてもらおう配信だったりします?」
『正解です』
「なんも嬉しくねぇよォォオオォォオオ!」
東京の闇夜に彼女の絶叫が響き渡ったのだった。
次回は多分にじ◯◯じさんのネタを入れると思うので読んで頂ければ幸いです




