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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第七章 幸せの形・不幸の形

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ルナティックパークでハーレム Ⅴ

 ユキミとのアスレチック『苦労と困難に立ち向かう者』での楽しい一時が終わり夕陽も落ちて、辺りも暗くなっていく……


 最後になってしまったがフローラ姫との待ち合わせ場所に急いだ……

 噴水のある広場での待ち合わせ。暗くなった事により周りには魔導ランプの街灯が灯り出す。

 辺りを探すが……いた。

 フローラ姫は婚約者として渡した『月の妖花(つきのようか)』が髪飾りにしているので淡く輝く光を頼りに見つけた。


 噴水の側にあるベンチに腰を掛けて、物思いにふけっているようだ。その姿も楽しそうで、キレイな声で鼻歌が聞こえてくる。

 そういえば『月の妖花(つきのようか)』を目印にフローラ姫と夜に会うのは、アルブル王国の首都奪還した時もそうだったな〜。だから同じように……


「こんな所で夜更かししている悪いお姫様を捕まえた。このまま、連れ去ちゃうぞ!」


 そう言いながらその細い首筋を、後ろから抱きしめて耳元で囁いた。


「えっ、それって……」


「待たせてゴメンな。もう、そばにいるから。この月の妖花(つきのようか)の光がキミの居場所を教えてくれたんだ……その明かりを頼りに俺は、キミという花に誘い込まれたマヌケな男さ」


「ウフフッ、ユリウスもあの時の事を思ってくれていたのですね。同じ事を考えていたと分かって嬉しいですわ」


 フローラ姫は立ち上がり左腕に手を回して、ニッコリと笑う。初めて会った時の笑顔と変わらなかったが、やはり成長してオトナの女性になりつつあった。絶妙な色気も混じり、順調に女としての階段を登っているんだな。


 観覧車『天界への架け橋』……このアトラクションは『ルナティックパーク』で一番高い建造物で本当に、天界に登っていくような高さがある。

 また雰囲気の演出で薄暗くなっていて、街灯のランプも淡い光だけになっていた。

 ユリウスとフローラ姫は、順番待ちをしている列に並び待っている、周りには同じようなカップルばかりで、それぞれの世界に入っているようで二人には気づいていない。周りも愛をささやき周りを気にしていないので、俺達も少し大胆になっていく……


「楽しみですわ。私はこれに乗ってみたかったのです。しかもユリウス様とご一緒出来るとは。一生の思い出になりますわ」


 そんな話しをしながら順番待ちをしている時間でさえ、二人にとっては宝物。順番も次は自分達の番になる……


「足元お気をつけて下さい。慌てずゆっくりとお乗り下さい」


 係の人から誘導されるようにユリウスは先に乗り込み、手を出してフローラ姫をエスコートをするが……フローラ姫は乗る前につまづく。


「あっ」まさに転びそうになる寸前で、ユリウスがフローラ姫を抱きしめる。


「アハハ、普段はシッカリしているのにフローラ姫は、相変わらずドジな部分があるね。まぁ、そんな所もカワイイんだけどね」


 抱きしめられた嬉しさと、ドジをした恥ずかしさでユリウスの胸板を『ポカポカ』と叩く。その仕草がまたそそり、抱きしめる力を強くした。


『ガタン』と観覧車のゴンドラが動き出しす。見ていた係員のお姉さんは、笑顔で『グッ』と親指を上げた。


 ゴンドラ内では相変わらず、フローラ姫は恥ずかしがってユリウスに掴まっていた。女性特有の甘い香りがして、少し妙な気分になる。


「ユリウス様はイジワルです。私が恥ずかしい思いをするのを楽しんでます。もう、顔を見ないで下さいませ」


 俺の腕の中でフルフルと身体を震わせて、怒っているフローラ姫を愛おしく思ってしまうな。

 ゴンドラは進み半分位の高さまで登ってきた。ゴンドラから見える景色は、街灯に照らされた『ルナティックパーク』を美しく彩っている。


「イジワルなのは認めよう。フローラ姫が可愛くてな。キミと結婚出来る俺は幸せ者だと本当に思うよ。フローラ愛してる」


 フローラ姫の細い肩に手を置くとフローラ姫は自分より背の高いユリウスを見上げて、そのたくましい胸板に頬を寄せて、


「私もユリウスと結婚出来て嬉しいですわ。初めてお会いした時より、お慕いしておりました。私の旦那様……愛しております」


 ちょうどゴンドラは頂上付近まで来ていた。街の灯りも大分下の方に見えている。

 ゴンドラ内は薄暗いがフローラ姫の髪飾り『月の妖花(つきのようか)』の淡い光と、偶然に打ち上がった魔導花火の光に照らされていた。

 そして光に映し出された二人の影は重なり合い……

 魔導花火の光が無くなってから……また打ち上がる花火の光が照らすたび、二人の影も何度も重なって離れなかった。


 ゴンドラはそんな二人を乗せて、ゆっくりと下っていく。少し残念な気持ちを乗せながら。

 まるで世界から切り離された空間のタイムリミットみたいに……


 ゴンドラが下まで降りると、ユリウスはエスコートしてフローラ姫がゴンドラから降りる。

 乗る前よりも親密な様子を見ていた係員のお姉さんは、満面の笑みでコチラに手を振っていた。


「アハハ、多分分かっているんだろうな……」


 俺の腕に絡みついたままのフローラ姫は、幸せを噛み締めるように……身を寄せている。


 女性全員とデート? を楽しんでいた俺は明日の予定を確認してから寝床に入った。今日の出来た、たくさんの思い出とともに……

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