ルナティックパークでハーレム Ⅴ
ユキミとのアスレチック『苦労と困難に立ち向かう者』での楽しい一時が終わり夕陽も落ちて、辺りも暗くなっていく……
最後になってしまったがフローラ姫との待ち合わせ場所に急いだ……
噴水のある広場での待ち合わせ。暗くなった事により周りには魔導ランプの街灯が灯り出す。
辺りを探すが……いた。
フローラ姫は婚約者として渡した『月の妖花』が髪飾りにしているので淡く輝く光を頼りに見つけた。
噴水の側にあるベンチに腰を掛けて、物思いにふけっているようだ。その姿も楽しそうで、キレイな声で鼻歌が聞こえてくる。
そういえば『月の妖花』を目印にフローラ姫と夜に会うのは、アルブル王国の首都奪還した時もそうだったな〜。だから同じように……
「こんな所で夜更かししている悪いお姫様を捕まえた。このまま、連れ去ちゃうぞ!」
そう言いながらその細い首筋を、後ろから抱きしめて耳元で囁いた。
「えっ、それって……」
「待たせてゴメンな。もう、そばにいるから。この月の妖花の光がキミの居場所を教えてくれたんだ……その明かりを頼りに俺は、キミという花に誘い込まれたマヌケな男さ」
「ウフフッ、ユリウスもあの時の事を思ってくれていたのですね。同じ事を考えていたと分かって嬉しいですわ」
フローラ姫は立ち上がり左腕に手を回して、ニッコリと笑う。初めて会った時の笑顔と変わらなかったが、やはり成長してオトナの女性になりつつあった。絶妙な色気も混じり、順調に女としての階段を登っているんだな。
観覧車『天界への架け橋』……このアトラクションは『ルナティックパーク』で一番高い建造物で本当に、天界に登っていくような高さがある。
また雰囲気の演出で薄暗くなっていて、街灯のランプも淡い光だけになっていた。
ユリウスとフローラ姫は、順番待ちをしている列に並び待っている、周りには同じようなカップルばかりで、それぞれの世界に入っているようで二人には気づいていない。周りも愛をささやき周りを気にしていないので、俺達も少し大胆になっていく……
「楽しみですわ。私はこれに乗ってみたかったのです。しかもユリウス様とご一緒出来るとは。一生の思い出になりますわ」
そんな話しをしながら順番待ちをしている時間でさえ、二人にとっては宝物。順番も次は自分達の番になる……
「足元お気をつけて下さい。慌てずゆっくりとお乗り下さい」
係の人から誘導されるようにユリウスは先に乗り込み、手を出してフローラ姫をエスコートをするが……フローラ姫は乗る前につまづく。
「あっ」まさに転びそうになる寸前で、ユリウスがフローラ姫を抱きしめる。
「アハハ、普段はシッカリしているのにフローラ姫は、相変わらずドジな部分があるね。まぁ、そんな所もカワイイんだけどね」
抱きしめられた嬉しさと、ドジをした恥ずかしさでユリウスの胸板を『ポカポカ』と叩く。その仕草がまたそそり、抱きしめる力を強くした。
『ガタン』と観覧車のゴンドラが動き出しす。見ていた係員のお姉さんは、笑顔で『グッ』と親指を上げた。
ゴンドラ内では相変わらず、フローラ姫は恥ずかしがってユリウスに掴まっていた。女性特有の甘い香りがして、少し妙な気分になる。
「ユリウス様はイジワルです。私が恥ずかしい思いをするのを楽しんでます。もう、顔を見ないで下さいませ」
俺の腕の中でフルフルと身体を震わせて、怒っているフローラ姫を愛おしく思ってしまうな。
ゴンドラは進み半分位の高さまで登ってきた。ゴンドラから見える景色は、街灯に照らされた『ルナティックパーク』を美しく彩っている。
「イジワルなのは認めよう。フローラ姫が可愛くてな。キミと結婚出来る俺は幸せ者だと本当に思うよ。フローラ愛してる」
フローラ姫の細い肩に手を置くとフローラ姫は自分より背の高いユリウスを見上げて、そのたくましい胸板に頬を寄せて、
「私もユリウスと結婚出来て嬉しいですわ。初めてお会いした時より、お慕いしておりました。私の旦那様……愛しております」
ちょうどゴンドラは頂上付近まで来ていた。街の灯りも大分下の方に見えている。
ゴンドラ内は薄暗いがフローラ姫の髪飾り『月の妖花』の淡い光と、偶然に打ち上がった魔導花火の光に照らされていた。
そして光に映し出された二人の影は重なり合い……
魔導花火の光が無くなってから……また打ち上がる花火の光が照らすたび、二人の影も何度も重なって離れなかった。
ゴンドラはそんな二人を乗せて、ゆっくりと下っていく。少し残念な気持ちを乗せながら。
まるで世界から切り離された空間のタイムリミットみたいに……
ゴンドラが下まで降りると、ユリウスはエスコートしてフローラ姫がゴンドラから降りる。
乗る前よりも親密な様子を見ていた係員のお姉さんは、満面の笑みでコチラに手を振っていた。
「アハハ、多分分かっているんだろうな……」
俺の腕に絡みついたままのフローラ姫は、幸せを噛み締めるように……身を寄せている。
女性全員とデート? を楽しんでいた俺は明日の予定を確認してから寝床に入った。今日の出来た、たくさんの思い出とともに……




