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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第七章 幸せの形・不幸の形

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諦める事も必要

 海水浴で遊ぶ女性陣に合流したユリウスだが、婚約者達の水着姿に速攻で悩殺されていた。

 そして、水着姿のお礼の為に耳元で褒めてやると腰が砕けてしまい……少し時間が掛かった。その間に、


「みんな無事で何より。今回は俺達の結婚式に来てくれてありがとうな。何とかここまで来れたよ。楽しんで行ってくれ」


 ユリウスは『ニッ』と笑うと婚約者達の方に向かい歩いて行く。


「本当にもう、私達のことなんか目に入ってないみたいじゃない。まさかユリウスの方が早く結婚するなんて思わなかったわ……しかもこんなスゴイ都市を魔の森の中に造ってしまうなんて。私の見る目は無かったのね……」


 エリザベス王女は少し寂しそうにビーチの砂を蹴りながらつぶやく。


「そうですね……後悔しても遅いのは分かっていますが私の行動で何人の人が傷ついたりしたのでしょうか……若かったではすみませんね。本来ならあそこは私達の居場所になるはずだったのに」


 アルメリアは少し悔しそうに婚約者達に寄り添うユリウスを見つめていた。


「…………」


 ミリアンは水際で貝殻をつついていた。少し退屈そうに。



 ユリウスは婚約者達が復活してから水着に着替えてきた。

 なぜか女性陣は集まって話し合いを始めた。


「はわ〜、ユリウス様が……」「細く見えるのにあの筋肉が……」「ものすごいセクシーな……」「理想の肉体美で……」


 なぜ? 俺がいつも女性陣のプロポーションの事を考えているからか?

 なんか皆が赤い顔をしてチラチラ見てるし……エリザベス王女様やアルメリアも……ミリアンまで?


 そう思っていたら一人づつ近づいてきて俺の胸や腕を『ペチペチ』と触って元に戻る……なんですか?

 元婚約者達まで……

 これが逆だったら大問題に……ぐへへ〜!


 一通り落ち着くとふと思った……


「そういえば、王太子殿下と勇者ワルツはどうしたの? 一緒じゃ無かったの?」


「あ〜、それは……少し朝にケンカになっちゃって……」


「ケンカ? 大丈夫なのか?」


 聞き返すが勇者パーティーの女性陣は黙ってしまった。婚約者達はそれ以上は聞かない方がいいと首を横に振っていた。


「多分、月都市ムーンだっけ? レジャー都市に行ったと思う。昨日、その都市の話しをしていたから」


 アルメリアがやり取りを思い出して言った。


「そうか……皆で行ってみる?」


 そういえば、婚約者達と時間を取って行ってなかったな〜。この際みんなとデートもいいよね。


「そうね……午後から行きましょう」


 提案にエリザベス王女様が答えてアルメリアも頷いた。

 着替えてリゾートホテルで昼食を取ったあとに魔導列車に乗って月都市ムーンにやって来た……が勇者パーティー男性陣を探そうと思ってはいたが。

 探すまでも無くすぐに見つかった。

 今回の招待客だろうか? 年頃の女の子達に囲まれた王太子殿下と勇者ワルツがいたね……

 久しぶりに見たな、学園では見慣れた光景だが今回はあまりにも間が悪い。


 勇者パーティーはあまりにも有名で憧れでもある。

 当然女の子にもモテた。(俺以外)

 でもね、その頃とは状況が違うんだよ。

 特に女の子達は貞操を失っているから奪った君達以外に貴族としては嫁げない。

 それなのに、女の子に囲まれてデレデレしている様子を見られたら……アレ?


 エリザベス王女様もアルメリアもミリアンまで普通の顔をしている……嫉妬や妬みなんかで修羅場かもと思ってたのにね。


「ふ〜ん、なるほどね……」


 王女様がなんか納得してるし……


「どうしたのですか王女様?」


「ユリウスが勇者パーティーを追放された時ってこんな気持ちだったのかと思ってね。確かに少し残念な気持ちもあるし……でも好きにすればと思うわね」


「私は王女様には申しわけありませんが、王太子殿下とは終わったと思ってますから……私やミリアン様以外にも手を出してるみたいですし……」


「……つまらない……」


 あー、どうすんのさ。すげー居心地悪いな。

 俺の婚約者達も微妙な顔をしてるし……


「まぁ、結婚はワルツとしないとダメなんだけどね。タイタニア王国の為にもね……だから妾なんかも何人でもいいのよ。私が正妻なら。だから縛らないわ」


「私は王太子殿下とは一緒にはなれませんね。他の婚約者の方にお譲りします。勇者パーティーでのみお付き合いします」


「……お父様の言う通りに……」


 なんか女性陣の腹の据わり方がスゴイね。

 アルメリアは王太子殿下と離れてどうするんだ?


「そういえば、ケンカしたって言ってたけど……」


「ああ、そうね……ここまで恥ずかしい所を見られたらもういいわね。あの二人はここに来てからアナタとの差を自覚したらしく、イライラしてるのよ。こんなに巨大な都市を魔の森に作り発展させているアナタに……自分達は生まれも育ちも恵まれてるし、辺境伯家みたいなハンデがあったわけでもない。それでも全ての面でアナタに勝てないってね」


 俺は少し分かる気がするな。やっぱり自分より優れたヤツに嫉妬はするよな。特に男として負けたくないヤツなら尚更な……どうすんのかね?

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