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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第六章 魔の森開拓

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勇者パーティーの戦況

【勇者パーティーサイド】


 ユリウス追放劇から約一年数ヶ月たった。

 タイタニア王国の東部では戦争が始まって数ヶ月がたった。


 侵攻するイスマリ王国は騎士の国でハマト王国は魔法の国と言われている。この両国がタイタニア王国の戦争準備が整う前の隙をつき奇襲に出る。


 イスマリ王国とハマト王国の軍事同盟とタイタニア王国の戦闘では序盤に奇襲作戦のおかげでイスマリ王国とハマト王国が有利に進めていた。

 すでにタイタニア王国の三つの領地が落とされて東部最大の城砦レーナーバラクまで攻め込まれていたが、一組のパーティーが戦場に到着した事により状況が一変した……



 その日はとても熱い日差しで地面から湯気のような陽炎が立つほどの気候。その中に目立つ装備を身に付けて一人で斬り込む青年だ。


 伝説になっている職業『勇者』を発現させたタイタニア王国侯爵家嫡男ワルツ。

 銀色に輝き青いオーラをまとう『聖剣シルバーダイン』にハイミスリルとドラゴンの鱗をつけたスケイルアーマー『ドラゴンアーマー』を身に付けて両軍が対峙する戦場に降り立った。


 イスマリ王国とハマト王国に単騎で突っ込む『勇者』にタイタニア軍は奮起して戦況を五分に戻していく。

 城砦レーナーバラクを包囲していたイスマリ・ハマト連合軍は突然現れた『勇者』からの攻撃に混乱していた。


「勇者ワルツ、祖国に仇なす者を退治する。覚悟……」


 魔闘技【(まとい)】を使い身体強化を最大限に引き出していく……

 その勇者ワルツの周りに白いモヤが現れ、勇者の動きが早くなり誰も追いつけなくなる。


 勇者ワルツが剣を振るうたびに人が吹き飛んでいく。

 しかし、遠距離から魔法が飛んできて足止めされてしまう……ハマト王国の魔導士による魔法攻撃に勇者ワルツもついに防戦一方になる。


「本当にバカ。なんで考えも無しに敵中に突っ込むのよ。後でお仕置きね……」


 そこに参戦してきた勇者パーティー『弓聖』エリザベス王女が援護に入る。ハマト王国からの魔法攻撃を新装備の『マジックボウ』でことごとく撃ち抜いて相殺していく。ハイミスリルを繊維にして魔物のデススパイダーの糸を編み込んだドレスアーマー『スターダストアーマー』をひるがえしながら、マジックボウの射撃と魔法攻撃を同時に行う。

 不知火の六番隊隊長エリアから学んだ圧倒的な手数で魔法攻撃を沈黙させている。


「もう、眠いのに……ママにまた褒めてもらえるかな!?」


 焦るイスマリ・ハマト連合軍に追い打ちをかける者がいた。

 木の魔物トレントの上位エルダートレントに魔法石と呼ばれる石を全属性を埋め込んだ『賢者の杖』を構えて相変わらずの眠そうな目をした勇者パーティー『賢者』ミリアン。

『賢者の衣』をはためかせながら複数の魔法陣から絶えず魔法を放つ。様々な属性の魔法を駆使して攻撃をする。不意をつかれたイスマリ・ハマト連合軍は被害も大きく撤退していく。


「よく頑張りました。皆さんのケガを見せて下さい……」


 城砦レーナーバラクでは『聖女』アルメリアが怪我人の治療を行っていた。かつての彼女も回復魔法が得意だったがサウス領での特訓でさらに磨きをかけた。

 ハイミスリルと アダマンタイトの複合した錫杖しゃくじょうの『聖女の杖』を手に、高位回復魔法で怪我人を癒し、真っ白な『清めの衣』を着て癒す姿に城砦レーナーバラクの兵士は祈る者が出るほどだ。


「我が国に土足で上がる愚か者に死を!! 勇敢なタイタニアの兵士達よ。武器を手に我らがタイタニア王国の敵を滅ぼすぞ」


 そして、攻められる城砦レーナーバラクの城門にはタイタニア王国王太子『聖騎士』エラソンが守りながら指揮をする。

 ハイミスリル製のフルアーマー『真聖騎士の鎧』、同じくハイミスリル製の剣『真聖騎士の剣』、真紅のマントは魔物のヒクイドリから捕れる羽で作られた装備は戦場では目立つ。

 それが逆に味方を鼓舞して士気を高めていく。


 勇者パーティーが到着してから一昼夜の間に戦況をひっくり返してしまった……

 それでも城砦レーナーバラクを防衛をするがイスマリ王国とハマト王国は包囲するだけで積極的には攻めて来なかった……

 狙いは分かっている。タイタニア王国の北側のノースタン神聖国とタイタニア王国の西側のウエスタニア帝国が攻めて来るのを待っているのだろう……


 勇者パーティーも時間稼ぎをさせる気はなく、奇襲や夜襲などを行い打撃を与えていく。時には食料庫を襲い、時には本陣に急襲したり。

 しかし、決定的にはならずお互いが疲弊していった。

 タイタニア王国は大陸一の大国だ。

 イスマリ王国とハマト王国は同盟を組んでいても両国とも国力は圧倒的にタイタニア王国が上である。 

 積み重なる戦費に頭を悩ませていた。

 タイタニア王国でもいつ攻めて来るのか分からない北側のノースタン神聖国と西側のウエスタニア帝国に注力したいのが本音だ。


 この膠着状態を壊す者達が空からやって来るとは誰も思わなかった……


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