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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第九章 新たな同盟相手

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エルダードワーフの困りごと

 ウエスタニア帝国から狙われる可能性があるゾルデ洞窟国に俺、ユキミ、サミー、エリアで訪れている。

 交易相手として交友していた俺達は、すぐにゾルデ洞窟国に入る事が出来ていた。

 サウス領・アルブル王国同盟に、さらにゾルデ洞窟国を加える交渉に訪れていた。


 入り口からエレベーターでゾルデ洞窟国の地下王国に降りて来ると、俺達は急に声をかけられる。


「お酒とモノづくりを愛するエルダードワーフの楽園、ゾルデ洞窟国へようこそ〜」


 そこにはメートル級のリサム連峰をたずさえた日本であれば、一緒にいるだけで職質されるであろう、ロリロリドワーフが待っていた。

 彼女はドワーフ王の娘、タチヤーナ第一王女様。

 そう、ゾルデ洞窟国のタチヤーナ・ゾルデ第一王女なのだ。俺達はとっさに膝をつき王女様に挨拶をする。


「王女様、ご無沙汰しております。この度サウス辺境伯を受け継いだユリウス・フォン・サウスでございます。早速お目にかかれて光栄に存じます」


「まあまあ、ユリウス殿。心より来訪を歓迎致します。ゾルデ洞窟国もこれだけで生活が豊かになったのも、サウス辺境伯殿のご助力あればこそ。ゆっくりとして頂きたく思うのですが……少し困った事になってまして、立ち話もなんですからゾルデ城の方へ」


 俺達はタチヤーナ姫が先導してくれて、ゾルデ城に案内されていく。しかし、デカい。歩くのに足元が見えてないだろうな。走れるのかな? あれだけ上下運動していると結構なカロリー消費がありそうだね。

 ウチのメンバーもスゴイけど、ドワーフには大きさでは敵わないだろうね。

 しかし、赤い服を着たマスクの某有名な人が『大きさだけが戦力の決定的な差では無いという事を……』

と言っていたしな。あれ? 大きさだったよな? 後はなんだ? 形か?


「貴方様?」


 エリアだ、忘れてた。彼女は俺の心を読むという得意技があったんだった。エリアにバッチリと睨まれた俺は、考える事をヤメた。本当だぞ。次回まで持ち越しだよ。


「クスクス」


 タチヤーナ姫はそのやり取りが何なのかを、理解したのか……口元を押さえ笑っていた。口元を押さえる時の腕で形が変わってい……はい、止めます。

 また、エリアに睨まれた。


 ゾルデ城……流石にソール城には及ばないけど、エルダードワーフ達が作ったお城なだけある。機能性はもちろん、防御力も兼ね備えた堅牢な作り。

 地下空間の中に、お城があるのもスゴイがな。


 やはりモノづくりを生業にしているだけあり、城内の家具や調度品はどれも一級品。タイタニア城よりも、洗練されたモノばかり。

 お城の大きさではタイタニア城の方が大きいけど、俺はゾルデ城の方が好きだね。まあ、タイタニア城はイヤな思い出しかないから当たり前だよね。


 タチヤーナ姫に連れられて訪れた謁見の間。そこにはタチヤーナ姫の父親、ようするに現ドワーフ王が、玉座に着いて待っていた。


 俺達は膝を着いて挨拶をしようとすると……


「おお、ユリウス殿ではないか。よいよい、正式な謁見ではないのだから気を張らんでも良い。楽にせい、ガッハハ」


 豪快な王様だね。ドワーフの男は皆がヒゲモジャで年齢が良く分からないんだ。

 でも気の良い性格というか、『豪快』そんな感じのオジサンが多い気がするな〜。


「そうですか? 分かりました。あとお土産が……」


「おお、いつものヤツか? 待ってました」


 俺はあまりの勢いに苦笑いしながら、近くに控える側近さんに数本のお酒を渡した。

『天界堕ち』と名付けられたサウス領で作られるお酒の中でも、最上級の美味さとキツさを併せ持つ幻のお酒だ。天界の天使がこのお酒を飲んだら、堕天使に堕ちてしまうという意味でつけられた。


 魔の森で栽培された品種改良を重ねたブドウを特殊加工をしてさらに凝縮、その後魔法で熟成を早めた逸品。俺の趣味で作ったようなモノだね。

 だから量産は出来ないし、特別な人しか渡さない。

 ドワーフ王にはいつも贈ってるんだよ。気が合うからな。


「それで陛下。タチヤーナ姫様からお聞きしたのですが、何やらお困り事があるとか? 私達でよろしければ、ご相談に乗れるかもしれませんよ」


 ドワーフ王を『天界堕ち』に頬ずりをしていたが、それを止めて側近さんに渡した。そして先程とは打ってかわり、真剣な顔で俺を見てきた。

 そして、良くたくわえられたヒゲを縦にさすりながら、困った顔をしながら理由を話してくれた。


「ふむ、実はな困った事にリサム連峰に、特殊進化したワームが住み着いてしまった……」


 ワーム……ミミズ型の魔物で、地面の中を掘って移動する。大型のモノだと、体長二十メートルなんてデカさのワームもいたらしい。ただ、特殊進化とは?


「ワームの特殊個体ですか? エルダードワーフは確か戦闘も得意だと思ったのですが……」


「ああ、普通のワームなら全然問題はないのだがな……ヤツは希少鉱物を食して外殻が金属みたいに変化したワームだ。ワシらはヤツを、メタルワームと名付けた。ヤツのせいで鉱物などを取りに行く事が出来ない。しかもワシらは力なら自信があるが、ヤツの金属外殻でまるっきりダメージが与えられん。お手上げじゃ」


 なるほどね……ドワーフ達にとって鉱物資源が無くなるのは死活問題だね。確かに魔力操作が苦手なドワーフよりも『魔闘技』も使える俺達が、討伐に向かうのが良いだろうね。




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