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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第九章 新たな同盟相手

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エルダードワーフ達が住むゾルデ洞窟国

 俺達サウス領・アルブル王国連合は来たるべき脅威に立ち向かうべく、同盟を組める相手を探していた。

 そこで候補になるのがエルダードワーフ達のゾルデ洞窟国と、ハイエルフ達のエルフィンベル森林国を訪れる予定だ。


 最初に訪れるゾルデ洞窟国は、エルダードワーフ達が治める地下王国。ドワーフ王を頂点に、技術者組合の職人集団が権力を持つ。

 そう、ドワーフ達の序列は、如何にスゴイ技術を持っているのかが重要になる。


 サウス領で一番の技術力があるのは、やはり不知火二番隊隊長サミーだろうな。俺も鍛冶師や細工士なんかを極めているけど……なんだろうね、職人の血に混ざっているモノづくりの真髄みたいなのが、必要なのだろう。

 たとえ生産系の職業を極めても、追いつける気がしないセンスがあるんだよね。俺のセンスは……聞かないでくれ。


 まあ、それだけ職人の世界も深いんだけどね。

 サミーがいなかったらサウス領は、今の半分くらいの発展になってしまっていただろう。

 それほどサミー個人の技術力は、凄まじいモノがある。


 そのサミーだが、ゾルデ洞窟国のエルダードワーフ達とは直接の関係はない。しかしサミーは職人系の職業を極めていくと……エルダードワーフに進化をしてしまった。進化といえばユキミも白狼族から銀狼族へ進化したがそれは『フェンリル』という外的要因だ。

 まあ、サミーを筆頭に何人か種族を越えているけどね。


 サミーは通常のドワーフの娘。しかも、親に捨てられた元貧民の孤児だった。最初は背の低さと幼さから幼児かと思った(一部だけはとんでもないお山)が、成人して孤児達のまとめ役みたいな事をしていた。まあ、親に捨てられた理由が、手先が不器用だったからなんだって。なんだそりゃ? って思ったけど、ドワーフには致命的な欠点らしいよ。だから、俺の『転職者』で手先の器用さが上がる職をね……


 それが数年後には世界有数の技術者になるとは、俺も思っても見なかった。

 サミーの親も見る目が無かったね。残念だな〜。

 ウチの生産部門長は、すげーだろうって言いたいね。

 本人も気にしてないみたいだから、それはしないけどね。


 そんなワケで外から来たエルダードワーフという事で、メチャメチャ歓迎された。それがゾルデ洞窟国との国交が成立した、要因の一つでもある。


 ここでゾルデ洞窟国について触れておく。

 魔の森内にあるリサム連峰と呼ばれている山々。魔物も多い土地だが、その地下にゾルデ洞窟国がある。

 リサム連峰で採れる鉱石などを加工して魔の森に近い獣人族自治地区と、細々と取引きしていたらしい。


 ここで作られる武器防具などは良質で、帝国と戦っている獣人族自治地区にとってはありがたい事だったらしい。

 取引きはしているが地下王国という事で食料が乏しく、俺達サウス領は食料との取引きで信頼を勝ち得ている。それにサミーが居るから貴重な鉱石なども、食料の代わりにサウス領に回してくれるようになっていた。



 彼らとは非常に有効的な感じで、俺の感覚からいうと居酒屋でネクタイを頭に巻いた課長って感じかな。

 とにかく酒が好きでサウス領の作物も半分位が、酒に変わってるんじゃないのかな?

 そのくらい生産と酒をこよなく愛している。

 個人的には大好きなオジサン達だね。

 俺ももう少しで二十歳になるから、一緒に飲み合いたいものだ。


 そんな彼等も鍛冶や細工など生産をする時は、禁酒してまで作品に心血を注ぐ。

 リサム連峰からの良質な鉱石から作られる製品の数々は、まさに魂の籠もった武器防具は輝きからして違う。

 そして最初にゾルデ洞窟国に来たのにも、理由がある。


 先ほども少し触れたが、ウエスタニア帝国と武力衝突している獣人族自治地区に良質な武具を卸しているのがゾルデ洞窟国なのだ。ヨツバ総合商会によりこの武具は個人認証をつけられているので、奪う事も売る事も出来ないので武具の供給を止める為に、狙われる可能性があったのだ。


 気の良いオジサンドワーフや、ロリロリドワーフが帝国兵に蹂躙されるのも俺はイヤだし、であればサウス領・アルブル王国でさらにゾルデ洞窟国も同盟に含めようと来訪したんだ。



 リサム連峰の一番高い山の麓に巨大な門がそびえ立つ。魔の森やリサム連峰の魔物などを防ぐ為に、何重にも門が重なりドワーフの重装備した兵が守っている。

 サウス領と交易するようになってから魔物が寄り付かない木をプレゼントして、門の周りは比較的に安全になってるけどね。


 俺達を見つけたドワーフ兵達は、手を振ってくれて門を開けてくれる。このへんは友好国と認識されているのかも……


 巨大な門が地底から響く重低音を響かせて、ゆっくりとだが開いていく。

 門から覗く地底へ向かう道の広い階段は、地下深くまで続く螺旋階段になっている。その深さはそこが見えなく、漆黒の闇が口を開けて俺達を待っていた。


 規則正しく並んでいる魔導ランプは全てヨツバ総合商会製品。もちろん燃料の魔石もだ。まいど〜。 

 だけどこの階段を使わないんだよね。これは昔の名残なんだ。

 今はエレベーターの魔道具で、すぐに下に降りられるんだ。

 これもドワーフ達とサウス領の合作になる。



『チ〜ン』エレベーターから下に着いた合図のベルが鳴る。なんかこの音って良いよね。いつの時代でも、異世界でも、エレベーターが着いた時の音って変わらなそう。


 エレベーターから降りるとそこには巨大な地下空間とは思えないような、明るくて賑やかな街並みが広がっていた。


「お酒とモノづくりを愛するエルダードワーフの楽園、ゾルデ洞窟国へようこそ〜」


 そこにはメートル級のリサム連峰をたずさえた、日本であれば一緒にいるだけで職質確実な、ロリロリドワーフが待っていた。ドワーフ恐るべし……。

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