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お前の全てを奪ってやったぜ。と言われたがほとんど無傷な俺はどうすればいいの?悲しむマネをすれば満足してくれるのか?  作者: 月鈴
第七章 幸せの形・不幸の形

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大聖堂での誓い

 新領都ソラリスにある大聖堂『聖リナ教会』。ユリウスが転生する時に対応してくれた女神様を祀った教会。ユリウスのユニークスキルもこの女神様から貰ったモノだ。


 お礼を兼ねて新領都ソラリスに建てられた。その時に言われた「幸せに」との言葉を貰ったので結婚式は必ず女神様を祀った教会で行うというのを決めていた。


 婚約者達にも話していて、全員からの了解を貰っている。それどころか必ずこの大聖堂で結婚式をして女神様に認めて貰うと意気込んでいる。


 大聖堂は荘厳(そうごん)な雰囲気があり、しかし温かみがある。空気もどこか澄んでいるような清らかで清々しい。

 高い天井からは巨大なシャンデリア風な魔導ランプが灯され赤い絨毯が広い聖堂を二つに割るように敷かれその両端に会衆席が規則正しく並んでいる。


 赤い絨毯が延びる先にはキレイな粧飾(しょうしょく)がされた祭壇がありその上には世界最大のステンドグラスがある。その絵は一人の男性が女神様から光の玉を受け取っている場面になっていた。

 その前を巨大な女神像が祭壇を微笑みながら見ている。


 観衆は席に着き始まりを待っている。

 会場に音楽が鳴り響く。広い聖堂内に音楽が反響してさらなる感情の昂ぶりを会場内にもたらしている。

 扉が開き新郎であるユリウスが入場して来る。

 先日の宣誓とは違い、本日のユリウスは自分の妻達を向かい入れる為の装いで、ビシッとキメている。


 祭壇前まで進み女神像を見上げて一礼してから花嫁を待つ……楽曲が変わり新アルブル王国の伝統的な婚姻曲になる。

 新アルブル王国国王ヘイゼル・ド・アルブルに導かれ登場したのはフローラ姫。純白のドレスを着てヴェールの中からのぞく翠色の瞳には幸せの色が混じり一歩一歩と俺に近づいて来る。


 俺の前まで来て立ち止まる、俺はヘイゼル国王に頭を下げる。


「ユリウス殿、娘をよろしくお願いします」


 ヘイゼル国王は未来ある若者を温かく見守るように、ユリウスに挨拶をしてフローラ姫の手をユリウスに任せる。フローラ姫はニッコリと微笑む。


 続けてサウス領伝統の婚礼曲が始まり、ガリバー・フォン・ザンゲルに導かれ登場したネメシア・フォン・ザンゲルが入場して来る。ネメシアも純白のドレスを着てあの幼い感じから、大人の女性にクラスチェンジした色気をまとわせて登場してきた。


 その顔は緊張しているようで、いつもの元気ハツラツとした姿とはかけ離れていた。

 しかし、隣にそれ以上に緊張しているガリバーおじさんがいて笑ってしまう。

 手足が一緒に動いてるし……動きがなんかカクカクしてる。ネメシアもそれを見て緊張が解けたのか笑顔が見れた。

 俺の前に来るまでその調子でカチコチだった。


「わっ、若様ぁ……よっ よろしく、おっ お願いしますぅ」


 出来の悪いロボットみたいなお辞儀にネメシアも「もう〜、お父様は〜」と笑っていた。


 その次に現れたのは、ユキミそしてシャルロット。

 二人とも親族がいないので代わりに、不知火(繭)の女子リーダーであるジュディアに手を引かれて登場した。


 ユキミは目の前で両親を亡くしている。

 『ユキミの花嫁姿を見たかったと思いますが俺が必ず幸せにしますから』……心に誓った。


 一方のシャルロットはすでに泣いている。乙女チックなシャルロットは結婚に対しての思い入れが人一倍強い。その念願の日なので感極まってしまっているのだろう。

 シャルロットは貴族の出なのだが本人は隠したがっているので俺も詳しくは聞いていない。まぁ、知っているけどね。


 花嫁四人が俺の目の前に並んでいる。ステンドグラスから差す様々な色合いの光が、花嫁達を彩るが……全員が負けずに幸せの色を出している。

 男としては嬉しい限りだね。


『女神リナ様、転生させて貰いここまで来ました。アナタから幸せになるように言われて、これが俺が出した答えの一つの形だと思います。だけどコレで終わりではありませんからね……ここから幸せを積み上げて行けるように頑張ります。それが俺の誓いです』


 心の中でお礼を言ってると巨大な女神像が光の加減だろうか? 少し微笑むような仕草に変わっている。

 俺が探し出した一つの答えに満足してくれたのだろうか……


「あなたはフローラ・ネメシア・ユキミ・シャルロットを妻とし、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、これに寄り添い、喜びの時も、悲しみの時も、互いに愛し、敬い、これに仕えることを誓いますか?」


「はい、誓います」


 あなた達はユリウスを夫とし、健やかなる時も、病める時も、富める時も、貧しき時も、これに寄り添い、喜びの時も、悲しみの時も、互いに愛し、敬い、これに仕えることを誓いますか?」


「「「「はい、誓います」」」」


 実は少し不安だったんだよね。昔のドラマとかで『ちょっと待った〜』とかあったらとね……

 でも四人共に俺の顔を見ながら微笑みながら誓ってくれた。これは寝取られた男としては一番嬉しいかも……四人の顔を見渡しながらこれから作っていくのは、領地だけでなく家庭も大事にしようと新たに誓うのだった。


 その様子を上から女神様は優しい表情をしながら見守っていた……

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