第五話:人間ドックなのにぇ!
朝の病院。
みこちは緊張した面持ちで、受付に立っていた。
「みこ…ついにこの日が来たにぇ…」
外部マネージャーとすいせいが後ろから声をかける。
「大丈夫だよ、みこち。ウォーキングも頑張ったし、たい焼きも減らしたし」
「減らしただけで、ゼロにはしてないけどね…」
「それでも!みこ、頑張ったにぇ!」
検査が始まる。
身長、体重、血圧、視力、聴力――順調に進んでいく。
「みこさん、次は採血です」
「にぇぇぇ…注射は苦手なのにぇ…」
「みこち、目つぶってていいよ」
「でも…目つぶるとたい焼きが浮かぶにぇ…」
「それ、逆効果じゃん…」
検査の合間、待合室で三人は並んで座っていた。
「みこ、体重…ちょっとだけ減ってたにぇ!」
「おお、成果出てるじゃん!」
「でも、血糖値がちょっと高めって言われたにぇ…」
「それは…たい焼きのせいかもね…」
「みこ、たい焼き…週一にするにぇ…!」
「それでも食べるんだ…」
最後の検査は胃カメラ。
「みこさん、口から入れるタイプと鼻から入れるタイプ、どちらにしますか?」
「……たい焼きのこと考えたら、口は使いたくないにぇ…鼻でお願いします」
「たい焼き基準なの!?」
検査終了後。
医師からの説明を受けるみこち。
「全体的には健康ですが、食生活の改善と運動習慣の継続が必要ですね」
「はいにぇ…」
「特に甘いものの摂取は、少し控えめに」
「たい焼き…週一にぇ…!」
医師は苦笑しながら頷いた。
病院を出た三人。
「みこ、ちょっとだけ健康になった気がするにぇ!」
「気がするじゃなくて、実際に頑張ったからだよ」
「でも…ご褒美にたい焼き食べたいにぇ…」
「それ、ダメじゃん!」
「じゃあ…半分こにするにぇ!」
「それなら…まあ、いいかもね」
三人はたい焼き屋へ向かいながら、笑い合った。
外部マネージャーは思った。
「人間ドックって…健康だけじゃなく、絆も深まるんだな」
みこちがたい焼きをかじりながら笑っている――それだけで、今日も幸せだった。




