第二十二話・裏:こむぎの大冒険なのにぇ!
みことAzukiと外部マネージャーがリアルジオゲッサーに出かけていたその頃――
こむぎの小さな冒険が始まっていた。
ベランダの隙間から隣へ行き、窓をぺしぺし叩く
「こむぎ、また来たペコか…ほんとに冒険好きペコね」
ぺこらは驚きながらも、もう慣れた様子で笑った。こむぎは「ニャー」と鳴き、前足を差し出す。
ジル君が「キッ!」と鳴いて駆け寄り、ゴロちゃんとミミも姿を現す。
普段はそれぞれ気ままに過ごす三匹だが、こむぎが来るとみんな出てくる
こむぎは皆を誘うように鳴いたのだ。
「え?え?みんな何するつもりペコ?」
ぺこらが首をかしげると――
四匹は同時に前足や手を上げて「万歳」のポーズ。
「ジル君まで!?ゴロちゃんもミミも!?普段そんなことしないのに…」
ぺこらの目の前で、猫三匹と猿一匹が揃って万歳。
その光景は、まるで「ぺこらを崇める儀式」のようだった。
こむぎは小さく「ニャッ」と鳴き、尻尾を立てて合図を送る。
ジル君は「キッ!」と鳴き、ゴロちゃんとミミも自然に従う。
普段は気ままな彼らが、こむぎの誘導で一糸乱れぬ動きを見せていた。
「……これ、みんな何をしたいペコ?」
ぺこらは不思議そうに笑った。
こむぎはぺこらの前でゴロゴロと喉を鳴らし、まるで「いつもお世話になってるから感謝してるよ」と言っているようだった。
儀式が終わると、こむぎはボールを前足で押しながらぺこらの足元に持ってきた。
「ニャー」と鳴き、ぺこらを見上げる。
「投げればいいペコ?」
こむぎは尻尾を立てて「ニャッ」と鳴く。
その瞬間、ゴロちゃんとミミも並び、ジル君も「キッ」と鳴いた。
四匹の視線がぺこらに集中する。
「……これはもう、参加するしかないペコ…」
ぺこらはボールを投げた。
すると、こむぎが俊敏に追いかけ、ジル君がジャンプしてキャッチ。
ゴロちゃんとミミが連携してボールを奪い返す。
部屋の中は猫と猿の運動会。
「すごいペコ…みんな元気ペコね…」
ぺこらは呆然としながらも、楽しそうに笑った。
しばらくして、ぺこらはスマホを見つめながらつぶやいた。
「こむぎ、いつも楽しそうペコ。でも帰れるのか心配ペコね」
そこで、こむぎがソファに丸くなったタイミングで写真を撮り、外部マネージャーに送信した。
『写真ありがとうございます。いつも助かります。仕事が終わったら迎えに行きます』
すぐに返信が届き、ぺこらは頷いた。
「迎えが来るまで、皆で遊んでるペコ」
インターフォンが鳴った。
「はいペコ?」と応答すると、外部マネージャーの声。
「こむぎを迎えに来ました」
玄関を開けると、外部マネージャーが立っていた。
こむぎはすぐに駆け寄り、足元にすりすり。
「今日みんな仲良く遊んでいたぺこ」
「いつもありがとうございます…前の家では一度も脱走したことないのですが…」
「不思議ペコね…」
外部マネージャーはこむぎを受け取る。
こむぎは少し不満そうに「ニャー」と鳴いたが、落ち着いた様子で丸くなった。
「動画も写真もありがとうございました。助かりました」
「いえいえペコ。こむぎが来るのは歓迎ペコ。いつでも遊びに来ていいペコよ」
外部マネージャーは深く頭を下げ、こむぎを連れて帰っていった。
扉が閉まった後、ぺこらはスマホを見つめながらつぶやいた。
「こむぎ、ほんとに不思議な猫ペコ。ジル君達もこむぎが来ると…」
ぺこらは知らない。
こむぎはペコラを崇拝していることを…
だからこそ、ぺこらの部屋はこむぎにとって「神聖な部屋」であり、時には仲間を巻き込んで儀式をする場所になっていた。




