↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/39

第二十二話:じおげっさーなのにぇ!!

ホロライブ事務所の応接室。

外部マネージャーは、湯気の立つカップを手にしながら、目の前のAzukiの言葉を反芻していた。

「外部マネージャーさん、デートしましょう?」

その一言で、みこちはたい焼きを落とし、椅子からずり落ちるほどの衝撃を受けていた。

「アズちゃんだめなのにぇ!!まねーじゃーが本気になっちゃうにぇ!!」

「いや、さすがに冗談だって解りますよ…Azukiさんのあの顔を見れば…」

そう言いながらも、Azukiの瞳は冗談にしては真剣すぎる輝きを放っていた。

「大丈夫、私は本気よ?外部さんは解ってくれますよね?」

驚愕の顔をして固まるみこち。外部マネージャーは慌てて場を収めようとした。

「Azukiさん、冗談はその辺にしておきましょう。ミコチが壊れちゃいます…あ、いや、元から壊れてますね…」

「がいぶまねーじゃー、みこの事そんな風に思ってたのにぇ!?」

「みこさん…そこはもうあきらめて下さい」




「…で、Azukiさん、どういうご用件ですか?」

本題に入ってもらうために促すと、Azukiは少し肩をすくめて笑った。

「もぅ…もう少しみこちで遊ばせてくれてもよいのに…まぁ、リアルジオゲッサーをやろうと思いまして、その運転手をお願いしたいのです」

「リアルジオゲッサー?」

「ええ。ネットでよくあるじゃないですか。ストリートビューの画像を見て場所を当てるゲーム。今回は逆に、写真を見て“実際にその場所へ行く”という企画です」

「なるほど…写真の場所を探しに行くんですね」

みこちはたい焼きを握りしめながら、目を輝かせた。

「にぇぇぇ!!面白そうなのにぇ!!みこも行くにぇ!!」

「えっ、みこちも?」

「当然にぇ!がいぶまねーじゃーが運転するなら、みこは助手席でたい焼き食べながら応援するにぇ!」

「助手席は私がもらいます」Azukiが即座に割り込んだ。

「にぇぇぇ!?アズちゃんずるいのにぇ!!」

外部マネージャーは深いため息をついた。

「……結局、俺が運転するんですね」


車内には、みこちのたい焼きの香りとAzukiの真剣な空気が混ざり合っていた。

「まずはこの写真です」Azukiがタブレットを差し出す。

そこには、見覚えのある観光地の写真――大きな鳥居と海岸線。

「これは…有名な神社の参道ですね」外部マネージャーが呟く。

「にぇ!?みこ、ここ行ったことないにぇ!!」

「じゃあ、第一問は“観光地ジオゲッサー”ですね」

車は海沿いへと向かう。到着すると、みこちは勢いよく飛び出した。

「鳥居でたい焼き食べるにぇ!!」

Azukiは冷静に写真と照合し、頷いた。

「一致ですね。では次へ行きましょう」


第二の写真は、川沿いの桜並木。

「ここは…春にイベントで使われた場所じゃないですか?」外部マネージャーが呟く。

「にぇ!?みこ、桜とたい焼きの組み合わせ最高なのにぇ!!」

「Azukiさん、これ…結局たい焼き屋の近くばかりでは?」

「ええ、それが狙いです。リアルジオゲッサーで“みこちのたい焼きスポット”を辿るんです」

「にぇぇぇ!?アズちゃん、みこのたい焼きストーカーなのにぇ!!」

「違います。ただの企画です」

みこちは頬を膨らませながらも、桜並木を歩き、たい焼きをかじっていた。


第三の写真は――山の展望台からの景色。

「これは…かなり遠いですね」外部マネージャーが地図を確認する。

「にぇ!?ドライブなのにぇ!!」

「でも、ここまで行くと本格的な旅行になりますよ」

「それでいいんです。リアルジオゲッサーは“旅の口実”ですから」Azukiが微笑む。

車は山道を登り、展望台に到着。そこから見える街並みは、写真とぴたりと一致していた。

「すごいにぇ!!ほんとに写真と同じなのにぇ!!」

「これがリアルジオゲッサーの醍醐味です」


車内で三人は今日の振り返りをしていた。

「結局、リアルジオゲッサーって…観光地巡りでしたね」

「にぇ!?でも楽しかったにぇ!!たい焼きも食べられたし!!」

「私は景色を堪能できたので満足です」

外部マネージャーはハンドルを握りながら、静かに思った。

「これ…仕事っていうより、青春のドライブじゃ…」

でも、みこちが笑っているなら、それでいい。

Azukiが満足そうに写真を整理しているなら、それも悪くない。

そう思えるようになっていた。


事務所に戻ると、すいせいが腕を組んで待っていた。

「……で、リアルジオゲッサーって何?」

「にぇ!?すいちゃん、聞いてなかったのにぇ!!」

「聞いてないよ。勝手に外部マネージャー連れ回して…」

「でも、楽しかったにぇ!!」みこちは満面の笑みでたい焼きを差し出した。

「ほら、すいちゃんも食べるにぇ!」

すいせいはため息をつきながらたい焼きを受け取った。

「……まあ、みこちが笑ってるなら、いいか」

外部マネージャーは心の中で呟いた。

「リアルジオゲッサー…結局、たい焼きで締めるんだな」

そして、今日もまた――たい焼きと笑顔に包まれた一日が終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。