第十七話:外部マネージャーが、またレンタルなのにぇ!!
ホロライブ事務所・会議室。
みこちはたい焼きを握りしめたまま、ロボ子さんに詰め寄られていた。
「みこち~、言ったよね~?“罰ゲームコラボする”って~」
「うん…言ったにぇ…」
「で、“ロボ子さんの部屋を片づける”って決まってたよね~?」
「うん…決まってたにぇ…」
「で、明日だよ~?」
「……にぇぇぇぇぇぇ!!」
みこちはたい焼きを落とした。
数週間前のイベント対決で負けたみこちは、ロボ子さんとの“罰ゲームコラボ”を約束していた。
だが、申請も打ち合わせも忘れ、スケジュールはすでに別件で埋まっていた。
「みこ、明日は収録があるにぇ…」
「でも、私の部屋は明日しか空いてないの~。あと、冷蔵庫が…ちょっと…」
「じゃあ…清掃業者を手配するにぇ!」
「知らない人はイヤなの~。ふるさと納税の返礼品とか、賞味期限ギリギリのやつとか、誰かに“判断”してほしいの~」
「にぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
みこちは完全に詰んでいた。
「外部マネージャー、助けてなのにぇ!!」
みこちは涙目で外部マネージャーにすがりついた。
「えっ!?俺ですか!?」
「みこ、もう手がないにぇ…ロボ子さんが譲ってくれないにぇ…」
「でも、みこさんの仕事は…」
「わかってるにぇ…でも…」
たい焼きを差し出すみこち。
「今回だけ…今回だけなのにぇ…!」
外部マネージャーは深いため息をついた。
「……今回だけですよ」
「やったにぇ!!」
ロボ子さんはにっこり笑った。
「じゃあ、明日10時に来てね~。ペットボトルと段ボール、山になってるから~」
「……了解です」
こうして、外部マネージャーは“みこちの罰ゲーム代理”として、ロボ子さんの部屋へとレンタルされていった。
翌日。
ロボ子さんの部屋。
「ここが…戦場か…」
玄関を開けると、ペットボトルの袋、段ボールの山、冷蔵庫には“返礼品”の詰め合わせ。
「冷蔵庫の中は“消費期限順”に並べてね~。昨日のジャムは“今日まで”だから~」
「……はい」
「あと、段ボールは“ふるさと納税”と“通販”で分けてね~。返礼品は“開封済み未使用”が多いから~」
「……はい」
「あと、床が見えるようにしてくれると嬉しいな~」
「……はい」
外部マネージャーは、静かに片づけを始めた。
途中、みこちから贈られたたい焼き型クッションが未開封で出てきて――
「使うタイミングがなくて~」
「……なるほど」
ロボ子さんはソファでゲームをしながら、時折指示を飛ばしてくる。
「その餃子は“解凍済み”だから、食べるか捨てるか、運命の分かれ道~」
「……これは掃除というより…審査ですね」
「そうだよ~。ロボ子審査会だよ~」
数時間後。
部屋は見違えるほど綺麗になっていた。
「すごい~!床が見える~!冷蔵庫もスカスカ~!」
「達成感はありますけど…体力が…」
「じゃあ、報酬のたい焼きあげるね~」
「えっ、報酬たい焼き!?」
「みこちから預かってたの~。“感謝のたい焼き”って書いてあったよ~」
外部マネージャーは、それを受け取りながら、静かに笑った。
「これ…何個目だろう…」
「たい焼きの数だけ、みこちのPONがあるってことだね~」
「……それ、名言ですね」
こうして、“レンタル掃除任務”は無事終了した。
だが、彼はまだ知らなかった。
この後の行動のせいで、次の“レンタル依頼”が、すでに別のホロメンから届いていることを――




