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朝から始める潜入作戦

ーー


途中経過を跳ばして次の日


魔界の空は暗雲立ち込めることもなく晴天である。

城の中では珍しく4人が朝食を摂っていた。

昼夕はともかく朝は各々起床時間が異なるため、朝に集まることは滅多にないのである。



「・・眠い」

「・・ふにゃ」



寝惚けているのと半分夢心地なのはリンとミーシャだ。まだまだ薄暗い時間であり、何時もと違う朝のため致し方無い。

苦笑いしながらカルラは声をかけた。


「あまり出るのが遅くなると人通りも多くなる故、そろそろ出るぞ」

「仰せのままに」



その言葉にヒルデは早々と食事を片付け、次いでにむんずと寝惚けた二人を掴み引き摺って行くと、たまらず二人は悲鳴を上げる。



「あーっ、あーっ、わかったから! 自分で歩くっ」

「・・お尻が擦りきれるかと思ったにゃ・・」



情けない悲鳴にため息一つして、ズイッと二人を覗きこむ。


「必要ないかもしれないけど護衛なのだから、少しは気を引き閉めなさいな」


「…言われなくとも」

「…わかってるにゃ」



少しだけ気合いが入った三人は早足で庭に向かうのだった。


庭先には昨日作った六芒星の魔方陣がある。描いた後に雨風で形が崩れないように特殊な処置をしており、薄ぼんやりと輝いている。


カルラが膨大な魔力を注ぎ込むと、より輝きが増す。後は陣の中に入るだけで転移可能だ。



「…普段あまり魔法は使わぬが、こうも魔力が内から無くなると心許ないのう」

「そんなこともあろうかと、魔力回復効果のあるポーションを用意したのでどーぞ」

「ん、どれ試してみよう」



青い液体の入った容器を渡され、少しだけ躊躇したが一気に飲み干した。

喉越しはサッパリ。しかし薬草特有の青臭さにカルラは顔を歪めた。


「うぅ…味はともかく鼻につくぞ」

「まあ薬というか栄養剤みたいなもんだから臭いもんだよ。でも気休め程度には回復したでしょ」


その言葉の通り少しだけ内なる魔力が湧き戻る感覚。

気を取り直して部下に視線を流しから、こほんと咳払いをする。


「んんっ、では往こうか」



そうして4人が揃って陣に入ると、瞬く間にその場から姿が消えた。

こうして人間界に旅立った彼女らが、後に色々と波乱を引き起こすことになろうとは……誰しも予想できることだった。

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