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4/7

お互いが、気付かない。

駄文ながら、出来る限り一日一話投稿出来たらな、と思ってます。


多分そんな長編にはならないかと・・・・・・いや、全体莉乃が同居中の一年半の予定なので・・・・・・ん?思ったより長い気がしますが。


端折りますか((ΦωΦ)フフフ…)・・・・いや、出来るだけ丁寧に書きます(汗)


出来れば続きも読んで下さい。






「・・・・・・・・ふぁああ・・・」

 カーテンの隙間から差し込む朝日が室内を照らす。

 昨日まで寝ていた部屋とは全然違って、違和感があるが―――嫌じゃ、ない。

 いくらかかったのだろう、部屋の設備は新しいものが多い。

 莉乃が来ることになって、急いで揃えてくれたのだろう。

 でも全てが全てではないようで。

 いくらか、女物ながら月日を感じられるものがある。

 それはそうだ。

 元はというと、蒼也の母・咲良の私室だったのだから。

 この部屋に案内されたのは、夕食後。蒼也が出掛けて行って暫くしてだ。

 莉乃の自分の部屋は女の子らしい可愛らしい感じで、ピンクを基調としている。

 逆にこの部屋は、緑を基調とした落ち着く部屋だ。

 莉乃は眠気に抗いながらぼんやりと天井を、窓を、ドアを。

 自分がどこにいるかを確かめるように周囲を見回す。

 と。

 隣室のドアが少し荒く開けられ、バタバタと動き回る音が聞こえてくる。

 隣の部屋は誰の部屋だったのか。

 あるいは、何か共用の部屋だったのか。

 莉乃の部屋は玄関の脇から伸びる階段を上って突き当たりの、一番奥の部屋。

 そこまでには、階段側から見て左右にそれぞれ二つずつドアがある。

 中は見ていないし、プレート等もないから何の部屋だかは分からなかった。

 でも一階は一通り見た。

 玄関から一直線に伸びる廊下の突き当りを右に行けば、まずリビングやダイニングがあって、その奥にキッチンがある。

 逆に突き当りを左に行くと、水回りが集まっている。

 洗面所があり、浴室、トイレが並んでいるが、キッチン・リビング・ダイニングと共に、どこを取っても かなり綺麗に掃除されていて、観葉植物がある辺などは特にこの家に父と息子が二人で住んでいるなどとは考えにくい。

 などと回想のようにいろいろ考えていると、再び隣の部屋のドアが開閉した音がし、もう一度少し離れたところでドアを開ける音がする。

「とーさーん!!父さん、起きて!!仕事!また遅れて上司に色々言われても僕は知らないよ!ったく、起きてったら!!」

 必死な声に、莉乃は体を起こして布団を簡単に纏めると、ドアから顔を覗かせた。

「あと五分~」

「絶対起きない!何年僕が朝起こしに来てると思ってるんだよ!耳タコだよ!」

 人部屋挟んだ向こう側の、つまりは階段から最も近い部屋のドアが開きっぱなしになっている。

 そこから怒号が響いてくる。

 これが、恐らく毎日、それこそ日常茶飯事的に行われているのだろう。

「ん?」

 ひょいとそこから蒼也が顔を出した。

 莉乃の姿を認めると、おはよう。よく寝れた?と笑う。

 そういえば、昨日出て行ってから会っていない。

 いつの間に帰ってたのかな。

 ちゃんと寝たのかな。

 そんな考えが脳裏を過るけれど、あまりの屈託のない笑みに指摘する気にならない。

 ただ小さく、おはようと返す。

 蒼也はシンプルめの青色のエプロンをしていて、これが以外に似合っている。

「あ、莉乃ちゃん。もう朝ご飯出来てるよ。着替えて降りてきて?」

「・・・・・うん」

 部屋に引き返しながら一度振り返れば、ずるずると蒼也が何かを部屋から引っ張り出してきていた。

 それが和人であることが分かると、莉乃は回れ右して見なかったことにした。






 蒼也の学校は夏季休業に入った。

 でも普通のサラリーマンの和人は勿論のこと、莉乃の中学校はまだもう数日あるらしい。

 昨日の夜、バイトという名目の彼にしか出来ない仕事を終えて帰ろうとすると、小杉が満面の笑みで明日はフルタイムでよろしくなどと曰った為、今日も出勤が決定している。

 抵抗したいが、予約制の為待っている人がいるかと思うと断れない。

 そういった性分であることもお見通しで、仕事を回してくるのがアイツだ。

 何様だ、奴は。

 秘書にでもなったつもりか。

 言ってみて、強ち間違ってない気がしてきた。何だか敗北感。

「今日もバイトか?蒼也」

「そうだよ、フルタイム。でも夕食作る時間には帰ってくるから」

 和人はテレビでニュースを見ながら、蒼也が用意した朝食を食べている。

 先に食べ終わり片付けをしようと立ち上がった莉乃が、不意に動きを止めた。

「ん?どうしたの、莉乃ちゃん」

「ニュース・・・・・」

 莉乃の視線を辿り、行き着いたのは和人が見ているニュース番組。

 そこには、ここ最近物凄く取り上げられている問題が特集として放送されていた。

「かなりの人数の死傷者が出ているみたいだな」

 和人の呟きに、蒼也はうんと頷いた。

 そのニュースは、今蒼也がしているバイトに大きく関わっている。

 大きく関わっているというか、まさにそれといった感じだ。

 そのニュースとは・・・・・・。

 この時、蒼也はテレビに気を取られていて、莉乃が恐怖に小さく体を震わせていたことに気付くことはなかった。






 そのニュースが。


 その事件が。



 蒼也にも。

 そして莉乃にも。


 今後だけではなく、もう既にそれぞれ違った形で関わっていることに。



 ――――お互いが、気付かない。



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