↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/15

8,バスケットの中には、軽食と夢と暗器を詰めて

鉱山へ出発!








 結局出発できたのは、あれから一時間後だった。


 スイヤーフの後から続々と現れる魔獣馬たちを見た総隊長が、魔獣馬を所有したいと言い出したからだ。


 ……私としては、我が家の従者の訓練を兼ねているので遠慮してね。の意味だったんだけど。


 商談が上手くいくと——総隊長は、即金で払ってくれた——、自分も訓練に参加する、と言い出したのだ。


 魔力持ちとは聞いていたので、そこまで驚きはしなかったが……。


 それでも彼は、我が家で繁殖している魔獣馬の中でも、上位に位置する強い魔獣馬に選ばれた。


 総隊長を選んだ魔獣馬は、実はスイヤーフの妹だ。


 兄妹そろって上位の魔獣馬なのだ。


 妹——アミーラ——は、身体的には他の魔獣馬と変わらない。


 どころか、ほっそりと優雅な様が美しいのだ。


 他の魔獣馬は、魔力を含む草を食べ体内に魔力をためていくのだ。


 が、魔力を含む草だけでなく小型の魔獣を食らうのは、兄——スイヤーフ——にそっくりだ。


 食性の変化により、スイヤーフは魔力量が桁違いになり巨大化し、アミーラは魔獣ではありえない色味になった。


 黒っぽい鹿毛だったアミーラだが、年々魔力量が増えていくごとに色が抜けていっていた。


 今では純白と言えるほどになっている。


 馬房の者達に言わせると、幼い頃から女王様気質だったとか。


 可愛らしくて牝馬に間違われるほど大人しかった兄とは違い、妹は我が道を行っていたらしい。


 放牧ではスイヤーフを、従わせようとすることもあるのだとか。


 しかし、訓練の時はスイヤーフがアミーラをコントロールしていたけれど。


 チラリと総隊長へ視線を向けた。


 時々アミーラがスイヤーフに肩を並べようとするんだけど……。


 これって、総隊長がコントロールしているのかしら。それともアミーラが暴走しかけているのかしら。


 「……お嬢様、前に出るのは危険です。私の後ろにお下がりください」


 確かに行軍では、指揮官が先頭に立つことはないけれど……。


 「総隊長、それは無理ね。魔獣馬行軍は、群れの頭が先頭にたつものなの、スイヤーフは例えアミーラであっても先頭を譲ることはありません」


 「……そうなのですか」


 「……ですが、初めての魔獣馬での行軍で、しかも我が馬房でスイヤーフに次いでの上位のアミーラをここまでコントロールするとは……驚きました」


 まだ出発して一時間しか経っていないけれど、色々問題点が見えてきて、とても有意義な訓練だわ。


 総隊長には、もっとアミーラになれてもらわないといけないし……。


 後、まさかこんな事になるとは思わなかった。


 後ろをチラリとみると、なぜか後続の魔獣馬が段々と下がっている。


 今までは、私一人しかスイヤーフとアミーラに騎乗できる人間がいなかったから解らなかったのね。


 スイヤーフとアミーラが揃って前方に立つと、魔力量に恐れをなすのか他の魔獣馬が二頭から距離をとろうとしている。


 ……総隊長には、今回の行軍は遠慮してほしいと思っていたけど。


 問題点が可視化できてよかったわ。


 このままだと、当初の予定通りに進まないわね。


 二日分の準備をしておいてよかった。


 もうすぐすれば、最初の休憩地点に着く。


 


 


 


 


 


 




 

いつもお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。