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魔物畑で快適ライフ!~生贄にされた少年は掟破りの魔物栽培で快適生活を手に入れる!~  作者: 十一屋 翠
第二章 辺境の生贄

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第26話 魔獣迎撃戦

いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

「魔物の群れを発見! こちらに向かってきます!」


 魔物の群れが騎士団に向かって猛烈な勢いで向かってゆく。

 騎士団はすぐさま弓と魔法による迎撃の準備を整えるが、突然視界が塞がれる。


「ぐぉっ! こ、これは惑いキノコの胞子か!? 何でこんな場所に!?」


「いかん、吸うな! 下がれ! 風魔法使い!」


 視界を遮ったものの正体を素早く把握した指揮官が魔法使いに指示を出し胞子の煙幕を吹き飛ばす。

 が、その中から現れたのは魔物の群れ。


『グルォォォォォォォォ!!』


「しまった!」


 胞子の煙幕に対処している間に魔物の接近を許してしまう騎士団。


「迎撃! 迎撃!」


 一気に乱戦にもつれ込んでゆく騎士団と魔物の群れ。


「とりあえず上手くいったけど、大丈夫かなアレ」


 そんな光景を高台からこっそり隠れながら眺める俺達。


「あの規模の魔物なら問題なく対処できますよ」


 俺の心配にストレは問題ないと太鼓判を押す。


「ならいいんだけど。それにしてもククミスが騎士団と戦わせるって言った時はビックリしたけど、これなら上手くいきそうだな」


 俺は騎士達が戦っている戦場から離れてゆく魔物の集団に視線を移す。


「野生の魔物をおびき寄せて騎士団にぶつけようなんてよく考えたもんだよ」


 ククミスが考えた作戦はこうだ。


「まずフォルス様の魔物達が近隣の魔物にちょっかいをかけて誘導します。それを複数回行って魔物が十分な数まで集まった所で騎士団に向かい誘導した魔物をぶつけます」


 何か聞き覚えのある戦法だなと思った人は正解。これは一昔前のネットゲームで流行った悪名高き戦法トレインって奴だ。

 魔物に攻撃をして誘導し、十分な数が集まったら他のプレイヤーの所に突っ込んで魔物達のターゲットをそのプレイヤー達に押し付けるという迷惑行為。


 それをククミスは現実でやろうと提案してきたのである。


「通常の魔物はフォルス様の魔物に攻撃してきます。どういう理屈かは分かりませんがフォルス様の魔物は魔物達にとって人間に近い存在と認識しているのでしょう。この性質を利用します」


 さらっと利用された。


「しかしその状況でフォルス様の魔物だけ離脱するといかにも不自然です。一緒になって騎士団と戦わせるのですか?」


「いえ、これを使います」


 ストレの疑問にククミスは布で出来た球を取りだす。


「この球の中にはホウシちゃんのデバフ胞子が入っています。玉の縫製は緩めにしてもらっているのでちょっとしたショックで一気に解けて中身がバラまかれます。これをマッハちゃん達に上から落として貰います」


「ノココ~」


 ホウシがヘトヘトな様子で頑張った、と胸を張る。

 うん、ありがとうな。でもそろそろキノコの魔物も増やした方が良さそうだ。ホウシの負担が半端ない。


「この胞子玉で騎士団の目を晦ましている間に魔物達には戦場から離脱して貰います」


 という訳だ。

 そして騎士団と野生の魔物の大決戦が始まったわけだが、意外と騎士団は善戦していた。


「不意を打たれましたが数的には騎士団が有利ですから、落ち着いて戦えば問題はありません。落ち着いて戦えば」


 ストレが二度繰り返した直後、二発目の胞子玉が投下される。


「ぐぉ! 魔法使い隊!」


 しかし今度はすぐさま風魔法が発動し目くらましの効果すら発揮できず胞子は吹き散らされてゆく。


「やはりすぐに対応してきますね」


「だな、魔物達を突っ込ませなくて良かった」


 訓練を積んだ騎士団相手に何度も同じ手が通じるとは思えなかったため、二度目の胞子玉では魔物を突撃させる事はせず様子見。

 代わりに……


「隊長! 右斜め前方に魔物の群れを発見!」


 「妨害の隙に接近するつもりだったのだろうがそう何度も通じると思うな! 魔法使い隊撃て!」


 隊長の命令を受けて魔法使い達が魔物の群れに向けて魔法を放つ。

 当然魔物達は怒って攻撃をしてきた騎士団に向かって突撃してゆく。


「釣り作戦第二弾も成功ですね」


 今度の作戦は最初の作戦よりももっと簡単だ。

 マッハやゲイルのような飛べる魔物や足の速い魔物に足の遅い魔物を集めさせ、騎士団の近くまで誘導したら振り切って逃げさせる。

 あとはとり残された魔物達を騎士団に発見させて戦わせるというものだ。


「よし、このまま騎士団を誘導して魔物の群れと戦わせるぞ」


「その間に私達は騎士団が倒した魔物の美味しいところを頂くですね!」


「ああ、騎士団にバレないようにこっそりと迅速に!」


 更に第三の作戦。騎士団の倒した獲物を横取り作戦だ。


「騎士団の出動にはお金がかかります。騎士の育成にはお金がかかりますし、いつ戦いが起きても大丈夫なように道具の手入れも必要です。彼等が乗る軍馬も同様です。これらの費用は税金から賄われますが、領地の税収や領主の手腕によってはそれでも足りません。そこで討伐した魔物素材の売買が騎士団の戦力維持に必要不可欠になるのですが……」


 ニヤリと笑みを浮かべてククミスが何か自分の懐に抱え込むジェスチャーをとる。


「騎士団が討伐した魔物の素材をごっそり横取りしてしまえば、彼等は戦闘で消費した資材や破損した武具の修理費が確保できなくなります」


 地味に悪魔的な嫌がらせである。


「全部持っていくとバレますから、金目の魔物や強い魔物の素材だけ貰って弱い魔物や買取が安い魔物の素材は置いていきましょう。残す素材をゲイルちゃん達にちょっと齧って貰えば他の群れと戦っている間に魔物に食べられたと思う事でしょう。大切なのは間髪入れず次の魔物の群れと戦わせる事で素材達から引き離す事です」


 立て板に水とばかりにスラスラと作戦を説明してゆくククミス。


「ふふふふ、労せず私達の懐を潤しつつ王国貴族の地力を削る。とても素敵な不労所得ですね!」


 ピンチを儲け話に。もうこの子王族よりも商人になった方が良いんじゃないかな。

 いや、そうなったら間違いなく暗黒街の女王になるわ。

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