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魔物畑で快適ライフ!~生贄にされた少年は掟破りの魔物栽培で快適生活を手に入れる!~  作者: 十一屋 翠
第二章 辺境の生贄

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第23話 魔物の軍勢

いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

「という訳で新しく仲間になったストレだ。皆仲良くしてやってくれ」


「ス、ストレです。よろしくお願いします」


『ミーッ!!』


 緊張気味にストレが挨拶をすると魔物達も賑やかに応じる。


「ま、魔物がこんなにたくさんいるのに襲ってこない……ほ、本当に魔物を従えているんだ……」


 なんかストレの俺を見る目が違って来てるような気が……


「フフーン」


 そしてククミスさんは何でそんなに自慢げなんですかね?


「どうです? 復讐、できそうでしょう?」


 だからカジュアルに復讐に誘うな。


「色々あったけどまずは仕入れて来た品と帰りに倒した魔物を埋めるぞー」


「ワウ!」


「ジャキ!」


 疲れているけど、ポーションや食材系の魔物は早く増やさないとだしな。

 埋める荷物を仕分けている最中、俺はストレの壊れた鎧に気付く。

治療する際にひしゃげた部分が傷口を圧迫していて危険だから脱がしたんだよなコレ。


「ストレ、この鎧って直せるのか?」


「いえ、私は戦士として育てられたので手入れの仕方なら分かりますが修理までは……。ここまで壊れてはもう使えませんし、屑鉄として売って頂いてかまいません」


 屑鉄、の部分に感情が籠っていたのは、この鎧が生贄として追い出された事に関わりがある品だからだろうか。

 もしかしたらストレ自身、この鎧が村人の罪悪感が形になったものだと無意識に理解しているのかもしれない。


「分かった。でもまだまだ使えそうな部品があるのにもったいないな……そうだ」


 俺は仕入れて来た荷物と一緒にストレの鎧も土に埋める。


「え? 何で埋めるんですか?」


「いいからいいから」


 さて、明日が楽しみだな。


 ◆


「ゴッ!」


「ポショー!」


「ガシャ!」


「プルルー」


「フササー」


 翌朝、目が覚めると大量の魔物達が生まれていた。


「沢山生まれたなー」


 昨日のゴーレムをもとに生まれたゴーレム、ポーションから生まれたっぽいスライム状の魔物、そして鎧の魔物に果物と野菜の魔物達と他色々。


「ほ、本当に魔物が生まれた……」


「復讐」


 ポンとストレの肩に手を置いて爽やかな笑みで言わない。

 しかし流石に数が多いな。パパッと命名していくか。


「お前の名前は……」


 俺は新しく生まれた魔物達に名前を付けてゆく。

 別に無理に名付けなくてもいいんだけどこういうのはコミュニケーションの一環として大事だもんな。

 そうして全ての魔物達の名前を付け終わると、俺達は拠点の開発を再開する。


「植物系の魔物の野菜や果物がよく実るように環境を整えたいけど、どうすればいいんだ?」


「マメメ」


 すると植物の魔物達が自ら土を弄って畑を作り始める。

 成程、野菜だから畑が良いと。


「プルルー」


 更に果物の木の魔物達が穴を掘って今朝の残飯や余った魔物素材を埋めてゆく。


「あれは、肥料か? まぁあっちは任せて良さそうだな。俺達は拠点を防衛するための防壁や罠を設置するぞ」


「ミッ!」


「ノココ!」


 ゴーレムや鎧の魔物といった人型の魔物が入った事で、こうした陣地作成がしやすくなったのはありがたいな。


「ゴッ!」


 ズモモモモッ!

 メトと名付けたゴーレムが地面に手を当てると、岩が盛り上がって壁が出来上がる。


「へー、器用なもんだな……ってお前そんな事出来るのか!?」


「ゴッ!」


 メトは誇らしげに胸を張ると次の壁を生成してゆく。

 ビックリした。ゴーレムってそんな能力があったんだな。


「トンカン」


「カチャカチャ」


 その壁の表面をダイクや新たに生まれた工具魔物達が整えて綺麗な壁にしてゆく。

 他の魔物達もそうだけど、同種の魔物が生まれると先に生まれた魔物が他の魔物達のリーダー役になるんだな。


「便利で良いなぁ」


「ミーッ」


 ただこうなるとちょっと心配事も出来る。

 うん、食糧問題だ。

 今までは襲ってくる魔物を撃退するだけで何とかなっていたが、それだけじゃ量が足りなくなりそうだ。


「ゲイル、仲間が増えて食料が不足しそうだから皆で狩りに行ってくれないか?」


「ワウ!」


 ゲイルが一声鳴くと、魔物達が集まって狩りに向かう。


「本当に魔物達が言う事を聞くんですね。聞いてはいましたが予想以上です」


「ええ、経済だけでなく武力としても未来は明るいですよ!」


 ククミスさんステイ。


「衣食住が揃って来たし、これからどうするかなぁ」


「やはり復讐では!? 戦力も揃って来た以上それしかありませんよ!」


「はいちょっと静かにしましょうねー」


「ミッ!」


「ぐぇっ」


 復讐を提案してきたククミスをダンテに黙らせると、俺はストレに意見を求める。


「そうですね、最低限必要なものと言うと水ですか」


「ああ、それは水源を手に入れているから大丈夫」


「すみません、水源の確保なんて最優先問題でしたよね!」


「……うん」


 つい数日前にようやく確保したとは言えねぇ。


「その、魔物については素人の意見になるのですが……」


 と、ストレが言いにくそうに言葉を発する。


「構わないよ。戦士として育ったストレの意見を聞きたいんだ。


「で、では。今後国を相手に戦争をするのでしたら、起きる事を考えると偵察用の魔物が必要になってくると思います」


 なるほど確かに偵察は重要だな。


「って戦争はしないよ!」


「え!? そうなんですか!? 失礼しました! ただ偵察兵はいた方が良いと思います!」


 危ない危ない。ストレがジワジワとククミスに侵食されている。気を付けないとな。


「ともあれ今の面子で偵察を任せられるのはゲイルかオロチってところか」


「シャ?」


 服の隙間からオロチが呼んだ? とばかりに顔を出してくる。


「呼んでないよ」


「シャ」


 あっそうとでも言わんばかりの返事をすると服の中に戻っていくオロチ。

 すっかり俺の服の中を定位置にしてるけど、まぁ護衛になるから良いか。


「そ、それでですね、鳥の魔物を従えてはどうでしょうか」


「鳥の魔物?」


「はい、鳥でなくても空を飛ぶ魔物ならなんでも。我々も鳥を連絡用に使っていますが、魔物を従える事が出来るフォルス様なら上空から偵察を命じる事も出来るかと」


 成程な。偵察用の戦闘機と考えると空を飛ぶ魔物を仲間にするメリットは大きい。

 流石ストレ、俺が魔物を従えると聞いて即魔物の戦闘利用を考え付いたのは戦士の面目躍如だな。


「良いなそれ。よし、空を飛ぶ魔物を捕まえて航空戦力を産み出そう!」


 こうして次の目的は決まったのだった。


「上空からの情報支配……戦力、陣地、機密施設を丸裸に!」


 ククミスさん、流れる様に国家転覆の計画を練るのはやめて。


 ◆???◆


「異なる種族の魔物が行動を共にしている!?」


 その恐るべき光景を目にした男は恐怖に慄いていた。

 聖域に生贄以外の人間がと疑問に思うかもしれないが、実際の所聖域に入る人間は少なくない。

 魔物が多く危険だから進入禁止と言われているだけなので、食料や薬草の確保に入ってくる人間は多い。

 危険な場所だからこそ競合相手が少ないとやってくるのだ。この男もまたそうした目的でやって来た。


 だからこそ彼はこの光景を目撃し、勘違いをしてしまった。


「魔物の大移動が起きるっ!」

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