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第三十六話 対決

私はヴィヴィに転移魔法を使ってもらい、ノアがいる山に行った。ノアがいつもいる場所まで歩いて行く途中、ここにいるはずがない人物に声をかけられた。


「アメリア、ここで何をしているのかしら?」


後ろを振り向くとエレナが立っていた。なぜここにいるのだろか。ここにいるということは…もしかしてノアの情報をどこかで掴んだのだろうか。


「エレナのこそ、どうしてここに!?」


「私は近くに寄ったからここに来ただけよ」


近くに寄ったからわざわざ山に来るような人間だっただろうか。それはない。なぜならエレナは汚れるのは嫌いで山に自主的に来るような性格ではない。


「本当の理由は?」


「新しい玩具に会いに来たと言うのが一番妥当な理由かしら」


新しい玩具…。それはノアの事だろうか。それなら私は見過ごすわけにはいかない。今度は逃げずにエレナと戦う。ノアは絶対に渡さない。

そう思った私はエレナに対して警戒態勢を始めた。


「あらあら、アメリア、そんなに警戒しないで?私は吸血鬼を討伐しに来ただけのことよ?」


「なぜまた急に…?それに吸血鬼の情報まで…」


「アメリアは騎士団長でしょ?なのに吸血鬼を生かしているなんて他の人にバレたら困るのではなくて?だから殺せないアメリアに変わって私が討伐しに来たわ」


私はエレナに痛いところをつつかれて言葉が出なかった。確かに私は騎士団長だ。だが私はノアを討伐出来ない。でもだからと言ってエレナが代わりに討伐する理由なんてない。


「そうそう。アメリア、手土産に一発させて貰うわ」


そう言ってエレナは私に向かって魔法を使った。そこまで威力は無かったがかすり傷がいくつか出来た。


「エレナ…!何をするの!」


「ごめんね?でもそこまで威力は無かったでしょ?折角の玩具、壊したくないし。それと……」


エレナは今までで一番の悪魔の笑顔を見せた。今度は何か企んでいる、と言うレベルではない。何なら今回は今までの悪魔の笑顔が可愛く見える。だって…今回の笑顔は只の怖さだけでなく、とても〝興奮〟しているように見えたからだ。


「これからもっと面白そうな物が見えるかなー?」


そう言ってエレナは視線を東側に向けた。確かそっちにはノアの屋敷があった方向だ。なぜエレナは東側に視線を…?


私は疑問に思っていたがすぐにその理由が分かる。なぜなら東側を向くと〝暴走しかけた〟ノアが立っていた。


「アメリアを傷つけたのはお前か…?」


「本物の吸血鬼だわ。けれど不思議ね。人間ぽく見えるのはどうして?…まぁ、それはいいとしてこのまま暴走した吸血鬼を放っておくのは見過ごせないわ。討伐…始めましょうか」

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