第二十一話 久しぶりの玩具
エレナの部屋まで案内してもらった使用人は部屋のドアに着くと、どこかへ去っていった。すると別の使用人が現れ「お待ちしておりました」と言ってエレナの部屋のドアをトントンと叩いてドアを開けた。
ドアを開けた先にはエレナがソファに座りながら窓からの景色を楽しんでいるように見えた。だが私は知っている。エレナは景色を見ているように見えるが実は人を観察している。まだ私達が13の頃、エレナは景色を見ていたら人が自殺をしていてその出来事がとても素敵だったとエレナが話していた。エレナはどこかネジが外れて狂っていると幼かった頃の私ですら思った。
エレナは私に気付くと、私の方に歩き出した。その佇まいは凛としていて昔のエレナでは無いのだと思ってしまった。
「アメリア。お待ちしておりましたわ」
「エレナ様、何かございましたでしょうか」
「アメリア、私の事を様付けするのはやめて下さらないかしら」
「私は騎士です。将来王妃になる方を呼び捨てには出来ません」
「なら命令よ。様付けはやめて」
「畏まりました」
「…では本題に入りましょうか」
そう言うとエレナは部屋にいた使用人を外に出した。さて…エレナは何が目的なのだろうか。
「私、この五年間とっても暇でしたのよ。昔から遊んでいた玩具が急に無くなってしまってとてもつまらなかったわ」
エレナが言う玩具はきっと私の事だろうと話の流れで分かった。ならそこに乗って話を進めていこう。
「その玩具は……貴方が国外に出したのでは?」
「そんな事、私がする訳ないでしょう?あれは馬鹿王子が勝手にしたこと。私はそれに反論したけど勝手に話を進められたわ」
「で、用事とは何でしょうか」
私がエレナに尋ねるとまた近付いてきた。
「ねぇアメリア。貴方はレオナルドに国外追放を言い渡された時に言った言葉を覚えている?」
「どれのことでしょうか」
「〝このまま負けるつもりはない〟と言ったでしょう?私は貴方がどんな事を仕掛けてくるかこの五年間楽しみに待っていたのよ。まさか騎士団長になって帰ってくるとはね。驚いたわ。だけどこれでこの国で再会出来たわ。ならこの機会、大事にしなくちゃね?」
この五年間、エレナは何もして来ないと思っていたがそんな事を考えていたなんて…。本当に考えている事がよく分からない。
「やっと玩具が私の手元に戻って来たのよ。なら遊ばないといけないわ。アメリア、付き合ってくれるわよね?」
「エレナが遊ぶなら私も遊ばせて頂きます」
「フフっ…やっと楽しそうな日がやってきたわ。今度は誰にも邪魔はさせないから安心して?私が玩具と遊ぶのを邪魔する人がいれば誰だろうと手加減しないから」
これは本気だ。私と遊ぶためなら手段を選ばないだろう。さて…今回は何を仕掛けて来るのかしら。
次回からやっと題名通りアメリアは何か企んでいきます。遅くなり申し訳ございません…!




