第二十話 エレナからの手紙
まず始めに私はお父様の部屋に行った。泊めてもらうから一応挨拶はしないと。するとガブリエルも着いてきて挨拶をした。ガブリエルは外面は良い方だ。私と接する時と態度が全然違う。
いつもはチャラい感じがあるがしっかりしないといけない時はそんなチャラい感じが嘘のように礼儀正しい団長に変わる。本当に何者なのだろうか。
挨拶が終わるとお父様に引き止められた。話の内容は衣類の事業についてだった。売り上げはとても良くて新しい服も作ったら良いのではと小言を貰った。
平民で一番人気が出たのは私がお願いをした、ジャージだった。部屋にいる時や運動する時に使い勝手がよいと言われて売り出したら直ぐに売れる。この会社の看板の服とも言えるくらい成長した。
まさかジャージが…という気持ちがあるのも本当だ。そこそこ売れると思ったがここまで爆発的に売れると前世の記憶もあって損は無いと思った。
それに試着が出来るのも売れる秘訣の一つで特に平民には好評価だった。貴族と違ってあまり服を買えない平民は試着によって服を買う人が多かった。
私が考えた案がここまで成長出来て嬉しかった。
お父様はこの魔物の討伐中、事業の方も両立して行え、との事だった。難しい気もしたが引き受けないと何をされるか分からないので引き受けることにした。
お父様の部屋から出るとガブリエルが立って待っていた。メイドに部屋を案内されたはずのガブリエルがなぜ待っていたか疑問に思って尋ねたら私の部屋を見たいとの事だった。最初は気が引けたが見せてくれないとずっとここにいる、なんて子供が言うようなことを言われて渋々引き受けた。
私の部屋に着いてドアを開けると国外追放されてから何も変わらなくて安心した。私は国外追放される時に持っていかれなかった物を取って鞄に入れた。持っていかれなかった物は特にアルバムだった。アルバムは少し重いので長旅に不利だと思い、持っていかれなかった。私は久しぶりにアルバムを見て、思い出に浸していた。
するとガブリエルも一緒に見たいとのことだったので一緒に見た。この写真は?と尋ねられるから一つ一つ私は答えた。
初めてのお茶会の写真、レオナルドと写っている写真、どれも私にとってとても大事な思い出だ。写真を見るだけであの頃の事を思い出してしまう。レオナルドの事が好きだった気持ちも。今もレオナルドの気持ちを思いを思い出すのは不謹慎だっただろうか。
その後、私は明日は早いからと言ってガブリエルを部屋に行かせた。ここにいたいと言っていたが流石に男女が同じ部屋にいるとまずいので私は却下した。
それにしてもお母様がいないなと思ってメイドに聞くと出張みたいな事をしているらしかった。実際にはお友達のお茶会をした後、そのまま泊まったみたいだが。
翌日、私はガブリエルを叩き起しに行った。いつも私の起きる時間は5時でガブリエルは6時らしくて「もっと寝かせて」と言われたが移動時間や集合時間を考えて、寝かせては駄目だと思ってガブリエルを必死に起こした。
すると腕を引っ張られ布団の中に引き連れこまれて抱き着かれたが私は仮にも騎士団の団長だ。すぐにガブリエルを投げ飛ばした。強く投げて私はガブリエルの元に駆けつけて「大丈夫?」と言ったら「アメリアちゃんに看病して貰ったら治るかも」とふざけた事をいうので軽く頭に一発殴ってやった。
ガブリエルの着替えが終わって朝食は侍女に作ってもらったサンドイッチを馬車の中で食べた。ガブリエルが「夫婦みたいだね」と言うので「誰と誰が」と言った。本当にコイツはふざける事しか言わない。
偉い人とかいると態度が180度違うのは本当に関心してしまう。普段からそうすればいいのにと思ったが今更そんな態度とられても逆に気持ち悪いなと思った。
集合場所に集まり、第一騎士団は一番魔物が多いい山に行って第二騎士団は第一騎士団のサポートをした。第三騎士団は山の下にある平民の町に降りてくる魔物を倒すことになった。
それから数時間後、魔物は大体討伐出来たらしく城に向かう事になった。明日はまた他の山に行く、との事だった。
城に戻り、私は今後の事を考えた。折角、ネルソン王国まで来たのだ。エレナに何かされる前にこちらから仕掛けようと思う。だがその必要は無かった。城の使用人から手紙を受け取った。差出人はーーエレナだ。手紙の内容は簡単に纏めると今すぐ部屋に来い、との事だった。なら行くしかない。この手紙が来なければ私から行こうとしていた。これは好都合だ。エレナが何か仕掛けて来るなら私も仕掛けよう。
だがその気持ちはすぐに失せた。紙の裏に純粋に話がしたいと書かれていてこちらからは何もしないと書かれている。一体何を考えているのだろうか。私が何か仕掛ければあちらも容赦しないだろう。ならここは大人しくエレナの部屋に行って話をしましょうか。
私は使用人にエレナの部屋に案内してもらいながら向かっていった。




