第十六話 五年後
大まかな流れとしては第一章が終わり第二章が始まりました。読者の方々、誠にありがとうございます。
私が騎士団に入団してから五年と言う月日が流れて20歳になった。そして私は女性で初めての騎士団長になった。私が受け持つのは第三騎士団。強くもなく弱くもない騎士団だ。主に平民の町のパトロール。私が最初に見た騎士団はこの第三騎士団だ。
今の私は剣が大好きで剣を振っていたら髪が邪魔になるだろうと思い髪はショートにした。それにノアはかなりショックを受けていたがこれもこれで…とか言っていた。
ノアとは婚約はしているがまだ婚姻は結んでいない。私が騎士団で忙しくて待たせて貰っている。それに婚約を結ぶには親の許可が必要だ。親には半吸血鬼と婚約しているなんて知らせておらずタイミングを見ている最中だ。
だが5年もタイミングを見ていると完全に言えなくなった。もしこの事がお父様ではなくお母様に知られると…とても恐ろしいと思った。
「アメリアちゃん、この前の事は考えてくれたかい?」
そう尋ねたのはこの国の第二騎士団の団長のガブリエルだ。
「私は婚約者がいると言った筈ですが?」
この前の事ーーそれは求婚されたことだ。騎士団の中では珍しい女。それだけで少しばかりモテた。自分で言うのも何だが私は少し美人だとは思う。
だからノアが私に婚約を迫ったのだろうと今ではとても思う。そのお陰で少しは求婚の数は減った。本当に少しだが。
「婚約者がいると言ってるけどさー、僕見たことないんだよね。アメリアちゃんの婚約者さんを。だから僕は諦めきれないんだよね」
ガブリエルはとにかくしつこい。私と同期で入団当初から目を付けられていつも求婚されている。外に出れば女の子にキャーキャーと黄色い声援を貰っていて女には困っていない筈だ。なのに私に目を付けるなんて物好きとしか言えない。
「ガブリエル、貴方は私によく求婚してくれますが意図が掴めません。貴方は女の人に困っていない筈でしょう?」
「そうだけどさ、僕はアメリアちゃんのことを愛してるんだよ。だからその婚約者から僕に乗り移って…」
私とガブリエルの間に足をいれて壁を思いっきり蹴ってドンと言う音を響きかせた。黒い髪…それは私の愛している方だった。
「貴様、遠くから聞いていたがアメリアに求婚しているようだな。流石に我慢ならんぞ」
「ノア…!」
私は嬉しくて思わず抱きついてしまった。この時にノアが助けてくれるとは思っておらず少し安心した。だがノアは何故ここにいるのだろうか。いつもこの時間帯は山にいるのに。
「えっと…君は…?」
「アメリアの婚約者のノアだ」
「ああ。君が」
「婚約者にちょっかい出すのは辞めてくれないか。腹立つ」
「君もアメリアちゃんのことを好きなら分かるよね。アメリアちゃんの反応が可愛くてついつい構いたくなるんだよ」
そうガブリエルが言うとノアがガブリエルの胸ぐらを掴んだ。
「そんな事ぐらい分かる。貴様にアメリアの事を語るのは100万年早い。」
「君、結構嫉妬深いでしょ。それなら何でこの騎士団に入団させちゃたのかな?君の落ち度でしょ」
「ガブリエル!ノアの事を悪く言うのはやめて!」
私はノアの事を悪く言われているのに腹が立って、つい話の最中に入ってしまった。
「アメリアちゃん、こんな男はやめて僕にしなよ」
「何を言って……!」
ガブリエルは私の髪を触って髪に口付けをした。
「ちょっ…!」
「やっぱりアメリアちゃんは可愛いなー」
そうするとノアは私を引っ張り他のところに連れていった。この顔はとても怒っている。それにノアは私を何処まで連れていくのだろうか。
ズンズンと何処か遠くへ連れていかれた。そして止まったかと思えば客室に入れられてソファに仰向けの状態で横にされた。
「アメリア、あいつによくあんな事をされるのか」
「え、ええ…」
そう答えるとノアは私の上に立って首元に近づいた。するとチクッと痛みが走った。夏だし虫かな。
「男よけの印を付けておいた」
「印?」
「それでは帰る」
もう帰ってしまう。そう思ったら私はノアの腕を掴んでいた。少し顔を見るともっと一緒にいたくなる。
「どうした」
「ノアはどうしてここに?」
「何か胸騒ぎがしたから来た」
私はつい笑ってしまった。ノアの野生みたいな所が可愛く見えてしまった。愛しいノア。ずっとここにいてほしい。
「何か顔を見たらもっと一緒にいたくなったわ。」
「君は…どうしてそんなに可愛いこと言う……帰らないと俺は帰りたくなくなるではないか」
ああ。ノアも同じ気持ちだったのね。そう思うだけで私の心は胸いっぱいになった。
「ノア、引き止めてごめんね。私も行かないと。また明日ね」
「明日…か。それは寂しいな。」
「私も」
そう見つめ合っていると会議の時間が来たので私は部屋から出ようとした。
だがノアは私の腕を引っ張って私に抱きついた。
「さっきの仕返し」
そう言っているのがとても可愛いく見えた。私は渋々その腕から離れて部屋を後にした。そして会議室へと向かった。
五年間分吹っ飛ばしていますが後でぼちぼち、番外編として掲載して行こうかと思います。




