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58話

前回までのあらすじ


護衛パーティの眷属化を行う

聖女の眷属化を行う

眷属化でパーティメンバー生き返る(いまここ)

そして久しぶりのアードラ。

〇アードラ視点

あの方にまぁ言われて宿屋に泊まり情報収集だけを行っていたわけだけれども。

心配なんて無いと思っていたけれど・・・まぁ別の心配ならあったが。

騒がしかった王都が寝静まり深夜に迎えたのは4人の女性。


「すまない。我々は貴女を頼る様に言われてここに来ただけでそれ以外は・・・」


元人間で現在はシルヴィア様の眷属という人が訪ねてきた。

服装がボロボロで正直あまり近寄りたくはないレベルで汚れている。

この恰好には理由がありそれをこの「蒼穹の翼」というパーティのリーダーのシスディナという女性が代表して話してくれた。

経緯を聞いて驚いた。まさか、眷属化なんてするなんて思わなかったのだ。


「あの方は人間を嫌っていますから、貴女達をわざわざ眷属にしてまで助けた理由が知りたいですね・・・

 いつものあの方なら貴女達は見捨てられてます?」


「そ、そう、なのか?」


リーダーのシスディナが動揺しているとすぐに隣の紹介されたばかりの娘が言う。


「え、でも私達Aランクパーティです!利用価値ありますよ!」


「人間ではというところでしょう?

 私は元Sランクパーティ『赤の双牙の』の一人です。

 まぁパーティと言ってももう一人は私の教え子ですが、

 ちなみに私一人でもSランクは簡単に取れます。

 魔族とはそういうレベルなんです」


だから助けて眷属にしたところで戦力としては使えない。とまでは言わない。

ただ、本人達も理解はしたのだろう。

単なる気まぐれの可能性を。


「あの、でしたら何故だと思われますか?」


さすがに、気まぐれとは言えない。そういうとこあるけど。言えない。

だからゆっくり思考を巡らせてみる。

そして思いついた事を並べていかにもな事をでっち上げるしかない。


「これはあくまで可能性の話です」


ゆっくりと口を開いてしゃべるひょっとする「可能性」だ。


「あの方は一人の少年に少しばかり執着しています。

 そしてそれはまぁ私の教え子でもあるんですけどね」


「ちょっといいか?」


口を挟んできたのは少しワイルドな風貌の女戦士と言った言葉が似合うガルーラと言う人。

何か気になる事でも?と首をちょっとかしげてみると。


「教え子って言ってるけど、まずその魔族の教え子とやらにウチらと接点があるとは思えねぇ。

 それにだ一体あんたいくつなんだ?ウチらと同じくらいに見えるんだが?

 Sランクなんてそうそうなれたもんじゃねぇんだ。

 何年も掛かってウチらだってやっとAランクなんだぜ?」


「ちょ、失礼な事きくんじゃない。お前も年齢聞かれたら嫌だろうが!」


何やらちょっと無礼だがまぁこういう性格なのだろうと思う。

でも一番嫌がってそうなのは注意した人である。


「なるほど。色々と気になる事が多いと言う訳かぁ。

 それなら、ちょっと前の話を少しするわね?」


ということで、アストの領地で知り合い鍛える事になった少年の話をした。

年齢についてはかなり誤魔化したがまあちょっと年上ってだけだ。そうちょっとだけ。

女性の年齢は例え女性同士でも聞いてはいけないものなのだ。

じゃないとどっかの喧嘩バカのデリグにBBA呼ばわりされかねないのだから。


「少年でSランクで思い当たったんだが、前の野外演習の襲撃の時に助けてくれたあの少年ではないのか?」


「あー、そういやあのバケモノドラゴンと戦って生き延びたとかなんとかって

 話を姫さんに聞いたなぁ」


「姫様のお気に入りで確か学園に通ってる貴族の子って言ってたはずよね?」


「あーーーー!アクシア姫様の思い人ね?」


4人の思い浮かべる人物が揃うと、


「「「「魔族関係ないし!!」」」」


そうだろうとも。関係はない。

ただ、ひょっとしたらレベルで関係があるかも?ってくらいだ。

偶然にも手ほどきした少年というだけの事だった。


「まぁ、そう思うよねぇ。たしかに会ったときは普通の貴族の子供だったよ?」


今は何をやっていることやら。貴族の学校で寮生活ではあるのだろうが。

そこで一人考え込む者がいた。

リーダーのシスディナと言われていた者だ。しばらく考えて口を開く。


「すこし、良いか?」


気になった事があるという。


「私が殺される直前の事だ。聖女が殺された時に一人少年が乱入してきたんだが・・・

 ひょっとするとその子かもしれない。

 戦闘の最中の事で記憶があいまいですまないが・・・

 学園の制服を着た男の子だったと思うんだが・・・皆は覚えてないか?」


おふぅ、なんてこった・・・。


「いえ、多分、私はその時にはすでに・・・」


「ウチは多分戦闘中だったと思うけど・・・わりぃけど周り見てる余裕がなかったぜ」


「あは~私はそのころは床ペロですよ床ペロ~。一番弱い自信ありますからね~」


他の人は見てないみたいだけれど、確定だろう。

そんな修羅場に向かうような少年に心当たりが他にいない。


「あー、うん。それ、多分教え子だね。王都の学園に通ってるよ。

 制服着てて、そんな修羅場に飛び込めそうな人間の子供なんてあの子くらいよ」


「やはり、そうか・・・」


確認が終わるとシスディナに何やら重苦しい雰囲気が立ち込めている。


「言っておかねば行けないと思う。その少年だが・・・恐らくやられている。

 最後に私を貫いた剣士が圧倒的に強くて・・・私と一緒にそのまま肩を貫かれていたのだ。

 最後に見たのがそこまでだったが・・・あの状況で勝てるとは思えない・・・。

 すまない。」


「・・・・・・」


うーん、確かに情はあるしできれば助けて上げたいが、今更である。

この話は昨日の出来事で今は既に翌日の夜明け前という状況。

ただ、あの人はこの状況を許さないだろうなとは思う。

妙な執着を見せていたのは分かっていた。


「貴女が、謝る事ではないわね。ただ、シルヴィア様の眷属って言う事なら働いてもらおうかしら?

 でも顔が割れているあなた達では思うようには動けないでしょうから、

 まずは『変装』の魔術の習得からかしらね?」


今夜は徹夜での魔法講義を行っていく。

眷属になり魔族として魔力操作が多少はうまくなっているはずである。






翌日。


「で、物にできたのはシスディナとフォスティだけかぁ・・・ふぁ、眠い・・・」


ヴァンパイアの血族として睡眠時間はあまり必要としていないが習慣としての睡眠ができなった事が眠気を誘っている。

欠伸がでたのはそのせいである。


「残りの二人はここに残って連絡待ちと変装魔術の訓練を引き続き行ってて。

 私達は変装魔術で姿を変えてから状況の把握をするのに聞き込みをするわ」


二人は頷くと変装魔法により髪色を変えていく。

シスディナの茶色の髪が黒色に、フォスティの金髪は青色へとそれぞれ代わっていく。

それだけで印象ががらりと変わるのである。

さらに、瞳の色と纏う雰囲気を変える事で別人に変わるのだ。

私も雰囲気を変えている。

戦闘に特化したような冒険者は上位者になれば雰囲気で分かるのである。

ここを変えるのが一番相手を御しやすくする方法である。


それから2日が経ったが結局彼女らの言う聖女が生き返ったと言う話は聞かず本国へと馬車でその遺体が送られたと知った。

ついでにシルヴィア様の行方は分かっていない。


「しかし、困った事になったなぁ」


「アードラ殿、ここは我々で突入して救出してしまうべきです!」


「そうだぜ、ウチらでやれば行けるって!」


「よくわからないけど~みんなで行けば怖くないかんじかなぁ?」


「罪人としてとらえられているのを助けたらお尋ね者になるわね。

 この国どころかどこまで影響がある事かわかったものじゃないわね。

 それに、ギルドにも迷惑が掛かるでしょうね・・・」


どうもこの4人は強硬手段に出るかどうかで話し合っているらしい。

ただ、1人は冷静にその結果までをも見据えているようだ。

冷静沈着な魔法使いらしいといえばそうだが、これがこのパーティなのだろう。


ただし、


「色々と言ってる所わるいけど。

 実は私は・・・状況把握のみしか許可されてないのよ

 シルヴィア様が帰ってくるまで待機かなぁ」


そういうと、皆は少しがっかりしている。

何せ、アスト少年が犯罪者として無実の罪で捕まっているのだ。

生きていると解ってほっとしたのと助けたいと思う心があるのだろう。


その場所は東門近くの牢獄で衛兵の詰め所に隣接している。

そこには常に10人は衛兵がいるし、隣接する牢獄にも最低5人はいると解っていた。

切り倒していけるかと言えば普通なら恐らく行ける。


ただ、問題はこの4人を殺したような手練れが居る可能性だ。

それらが居た場合は手こずり、援軍呼ばれ逆に捕まる可能性が高った。

そうなっては元も子もないのである。

そんな話をしていると扉がノックされた。


「どちらさまですか?」


そんな誰何の声を聴いて答えるのは幼さの残る声の人。


「む、われじゃ。言われた通り待機しておったようじゃのう?アードラよ」


それは久しぶりに聞いた気がする我らが王の声だ。本人は代理だと言い張るけれど。

ちょっとだけ心配したけれど、やっぱり杞憂だったようだ。

安心した私は声を出して答える。


「おかえりなさいませ。シルヴィア様」

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