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54話

忙しくて・・・間が空きました。

〇シルヴィア視点


こちらに恨みがあっての犯行ではないので正体がバレるわけにもいかない。

そのため、さっさと霧に戻って離脱した。

残してきたのはただの屍である。魔力の抜けた骨は元に戻り本当にただの死体だ。


離れた人気のない場所まで霧状のまま移動した所でいつもの人型に戻る。

周りに人気はなく、すでに陽が落ち薄暗くなっているため人の顔を認識しずらいくらいだ。


ーーむ。急がねばならんか・・・。


速足で歩きだし泊っている宿に戻ると、アードラが待っていた。

軽く自身の無事を報告すると安堵しているようだったがこれからの説明が面倒だった。


「む。少し面倒な事になったのじゃ・・・」


話を切り出してこれから迎賓館に向かう旨を説明するがやはりアードラには待機を命じる。


「お主はここで待機じゃ。どうなるかわからぬでな・・・」


今の状況からどうなるのか見当がつかないからだ。


「じゃが、もしもの事体が起こった場合でも・・・

 情報収集だけにとどめておくのじゃぞ?

 われと連絡が取れなくなるような事があってもじゃ」


とりあえず念を押しておく。


ーー人で突っ走って魔族との軋轢を作られてもこまるでな。

  慎重にバレない様に動いているのが台無しじゃからのう。


アードラがそれに頷いている。


「理解が早くて助かるのじゃ」


ーーむ。さすがわれの血筋じゃな?

  と言ってもわれは未婚であるため・・・妹の子孫になるが、血はつながっておるのじゃ!


「む。では、あまり時間がないのでな。

 早速いってまいるかのう」


買い物にでもいくような気軽さで扉を開けて出ていく。

宿をでてすぐに裏路地の闇に紛れて霧化して迎賓館に向かう。




迎賓館の入り口に付くと、既に門番は死んでいた。

館の入り口は開いており、中への侵入者がすでに居る事は明白だった。


ドーーーーーン!!!!


中へ入ろうとした瞬間、目の前の扉が魔法による爆発を起こす。

上位の炎魔法で焼かれた扉の先にはアストの姿が見える。

さらに、そこらで戦っている男女が数人見えている。


ーーむ。今の爆発に巻き込まれておったら少々傷をおったやもしれん。

  が、見回っても聖女の姿が見えぬのう。

  

少し離れた扉の向こうにいるアストに近づいて行く中、恐らくは聖女の護衛の者であろうものが死の淵に居た。


「けっ、手こずらせやがって」


「おう、そっちも終わったか?」


他にも2人の男が血の滴る剣を持ちながら戻ってきた。

来た方向には倒れ伏す2人の人間が見える。

この館の護衛なのだろうが簡単に始末されてしまったようだ。

それだけで、この男共が手練れであり人殺しを生業としている事がわかる。


ーーむ。ここで手を出してしまってもあまりいい結果にはなりそうにないのう。

  下手をすればわれが指名手配じゃ。が、若い娘がなんとも忍びないのう。


「計画通りにさっさと逃げるぞ。あの人の邪魔をすれば俺らが殺されちまうからな」


「わかってるっつーの。あのタガのハズレ具合にゃ困るぜまったく」


ぶつぶつと言いながら襲撃してきた男たちはあたりにだれも居ない事を確認しつつ館を去っていく。

それを見送り、霧のまま護衛の女の一人に近づいて行くと開かれたままの口の中へと霧が吸い込まれていった。


ーー精神同調。辛うじて生きている人間に対しての意思疎通の手段じゃが強めれば精神支配であり憑依になる。

  まずはこ奴らの意思を確認してからじゃが・・・。


『さて、聞こえておるかのう?』


『ええ、貴女は誰なの?私は死んじゃったのかな? とすると貴女は神様かな?

 声からして、綺麗な女神だと嬉しいんだけど?』


ーーむ。なんとも元気な精神じゃのう。


『われはしいて言うなら悪魔の類じゃな。貴様ら人間を憎む悪魔の頂点と言っても過言じゃないぞ?』


『こりゃまた、私はあんまり悪い事した覚えないんだけどなぁ。

 地獄に落ちちゃったのかぁ』


『どうかのう? もしかすると落ちるのはこれからやもしれぬぞ?』


『ははっ、やっぱり死んじゃったかぁ』


『では、剣士の女。おぬしに選択肢をやろう。

 一つはこのまま死んで無に帰すか、

 もう一つは、われの眷属として生きながらえるかじゃ』


『ひょっとして、私まだ死んでないのかな?』


死んでいたと思っているが、実際はほぼ死んでいるくらいだ。

辛うじて生きている程度だが、数分の命だろう。


『あと数分の命と言った所じゃ』


『ははっ死の間際に悪魔からの誘いかぁ。まさに悪魔的だね?』


『そうじゃ。悪魔じゃからな? 死んですべてを失うか。

 それとも生きながらえてわれと共に報復でもするか?』


『・・・・』


ーーむ。何やら考えているようじゃな。それとも悩んでおるのか?

  まぁどちらにせよ。精神世界の時間の流れは外とは異なる。

  十分に時間はあるわけじゃが・・・。


『ちょっといいかな? まずは姫様と他の皆はどうなったの?』


『護衛として戦っておったお主の仲間らは今のお主と同じじゃ、

 死の淵におるよ。助かる見込みはないのう。

 ただし、我の眷属になるのであれば別じゃがな?

 そしてその姫様とやらじゃが・・・先程同じように刺されたのう』


『ッ! だ、だったら、全員眷属に誘って欲しい。

 ウチは眷属になるって皆にも言ってくれ!

 そんでまたパーティ組もうって言ってくれ!

 こんな終わり方ってねーよ・・・』


『よかろう。言っておくが・・・眷属なると言う事はわれに絶対服従となる。

 さらに言えば人では無くなる。

 もう一つ言えば弱い精神の人間ならば心さえも奪われる。

 この意味が分かるか?』


『ははっ。さっすが悪魔。不平等契約の極みだな?』


『命の対価としては安いものじゃろうて?』


『ちげーねーなー、分かったやってくれ!ご主人様よぉ!』


このまま眷属へと仕立て上げる。

自らの血を分け与え血の契約を行う事で半吸血鬼化するのだ。

その際、相手の血液との融合によりものすごい速さで体が作り変えられ人の死を超越する。

立派な眷属の出来上がりだが、すぐに動けるわけでは無い。

最低でも数時間はかかるだろう。

動けるようになれば例の宿屋のアードラを訪ねるように言ってある。

他の二人も同様だ。


ーーむ。後は聖女と今殺されたばかりの護衛が一人。

  同時にやるとするかのう。

  面倒な役回りじゃが、存在が露見するわけにもいかぬ。

  裏方と言うのもしんどいのう。


眷属化に使う魔力が思いの他多く、かなり疲れてしまっている。

しかし後二人分くらいは何とかなりそうだった。

評価、ブックマークありがとうございます。

時間が取れないのでかなり不定期になりそうです。。。

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