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35話

〇雇われ剣士 視点


グレートレッドドラゴンを操っていた魔道具に深々とナイフが刺さっている。

投擲されたナイフを躱しきれず、ネックレス型の魔道具を貫き右肩をかすめたのだ。


「まじかよ、クソ野郎!」


かなりの距離を飛んできていた。辛うじて見える黒髪のガキ。

魔力で偽装しているようだが俺には無駄だ。

しかし、魔道具が壊れた影響で操られていたドラゴンが怒りの声と共に飛び上がるのが見えた。


「まずいな。ちっ、ここは引くしかないか」


すぐに気配を消してこの場を引き上げる。

状況判断は迅速にだ。

生き延びるコツだなぁ。




〇ラークライス侯爵家


雇い主であるラークライス侯爵の屋敷に戻り報告をすることになる。

屋敷の裏手の隠し通路から入ってすぐの部屋で報告となる。

その薄暗い部屋に俺の雇い主の侯爵がいる。


「残念だが失敗だぜ。魔物なんて不確かな物使うとこうなるって事だ」


「君ならうまくやると思ったんだがね?」


わかってねぇな。

魔道具なんて使ってまどろっこしいやり方してんは気に入らねぇんだよ。

それに、後から着やがったガキが化物みてーな投擲しやがって、

あいつがいなけりゃ終わってたつーのに。


「ふん、俺が直々に殺せれば確実だったがな?どうするんだ?

 俺としちゃぁ殺しができるなら大歓迎だが?」


この後の事をどう考えているかを聞いておく。

結局、王女は殺るのか?

だったら今度はどうするのか?


「迎賓館を襲撃することは可能か?」


「あっちにかなり腕利きの護衛が4人居やがったからな。

 あいつらに手間取ってたらまず不可能だな。

 手練れAランククラスを4人集められるか?」


「君も含めて5人か?それで襲撃して逃げ切れるのか?」


「ああ、逃げ切れる保証はねぇなぁ。

 だからよぉ、逃げるんじゃなくて捕まえさせるんだよ」


やられた腹いせにあの貴族のガキを犯人にでもしてしまうのがいい。

あとは少しばかり調査をするかな。

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