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ライバルは前世~生まれ変わりだから愛するのではなく今の私を貴方には愛して欲しいんです~  作者: リラックス夢土


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65 舞踏会への招待




 数日後、烈牙様と昼間のお茶をする時間に魔王様から舞踏会の招待状が届いたと竜葉が招待状を持ってきた。

 内容は三週間後の魔王様の即位記念を祝う舞踏会に烈牙様と私を招待したいというものだった。



「兄上はお前にも社交界にデビューする機会を作ったつもりだろうが余計なことを」



 烈牙様は招待状を読むと溜息をつかれた。

 魔王様の招待を断る権利は私にはない。

 私を連れて舞踏会に出るか出ないかは烈牙様が判断することになる。



「真雪。お前は舞踏会に出ても大丈夫か?」



 烈牙様は私を労わるように言葉をかけてきた。


 社交界で噂になっている魔公爵が囲っている女性。

 みんなその女性を見たくて仕方がないのだ。


 私自身は正直行きたくなかったけど即位記念の舞踏会なら麗華王女も参加するだろう。

 公の場で麗華王女に会うのは初めてだがここで私が行かなければ烈牙様は踊りの相手に麗華王女の手を取らなければならなくなる可能性が高い。



 冗談ではないわ。



 烈牙様が麗華王女を遠ざけたく思っていることを知っている私としてはそれは看過できることではない。



「私は魔公爵様のパートナーとしてであれば出席したいと思います」



 私がハッキリと烈牙様のパートナーとしてという言葉を使ったことに烈牙様は驚いた様子。

 竜葉も「何を言い出すんだ」という表情で眉をひそめている。



 そうよね。もし魔公爵様のパートナーとして正式に舞踏会に出れば私と魔公爵様はそういう関係なのだと世間に知らしめることになるものね。

 竜葉としては止めたいところよね。



「真雪。私のパートナーとして出るということは事実はどうであれお前は私の寵愛を受けていると思われるぞ」


「かまいません。もちろん魔公爵様がお嫌でしたら諦めますが」


「いや。私は嫌なことはない。だが真雪の想い人に誤解されるのではないか?」



 烈牙様はお優しいわね。

 私の想い人は烈牙様なのだから問題はない。


 だが烈牙様には想い人がいたはずだ。

 その女性に私と烈牙様の関係を誤解されたら烈牙様は困るかもしれない。


 烈牙様に想い人がいると思うだけで私の胸は痛くなる。

 しかし烈牙様が幸せになるのなら身を引く覚悟もあるつもりだ。



「大丈夫です。私の想い人は器の大きい方なのでこのようなことで怒る方ではありませんわ。それより魔公爵様の想い人の方に誤解されるのでは?」



 私が心配して問い返すと烈牙様は私から視線を逸らす。



「……私の想い人はこのくらいのことで怒ったりはしない」



 竜葉は烈牙様に想い人がいると知らなかったようで烈牙様の言葉に驚いているようだ。



 竜葉は知らなかったのね。烈牙様に想い人がいることを。

 うっかり話してしまって悪かったかしら。



「では舞踏会に参加することにしよう。明日にでも当日着るドレスや装飾品を買ってやろう」


「それは悪いですわ」


「私のパートナーとして出る以上それなりに着飾ってもらわなければ困る。竜葉、そのように手配しろ」


「承知いたしました」



 竜葉が一礼をして部屋を出て行った。



「烈牙様、すみません。竜葉様がいるのに烈牙様に想い人がいる話をしてしまって」



 私は烈牙様に謝った。

 もしかしたら烈牙様は自分に想い人がいることを内緒にしておきたかったのかもしれないと思ったからだ。



「別にかまわない。竜葉がうるさく言っても私が答えなければいいだけの話だ。それより真雪は本当にいいのか?」


「はい。むしろ烈牙様のお相手を務められるのは光栄なことです」


「だが貴族どもは真雪を私の寵愛の相手として見てくるぞ。嫌がらせを受ける可能性もある」


「大丈夫です。麗華王女様にも負けませんわ」



 そうよ。私が周囲にどう思われてもいいがあの麗華王女に烈牙様は渡せない。

 烈牙様と結婚する方は烈牙様の地位や魔力ではなく烈牙様自身を愛する人でなければ。



「お前には敵わないな」



 烈牙様はフッと笑う。

 だがその表情はどこか切なさが漂っているように感じた。



「お前に何か褒美をやろう。舞踏会が終わったら褒美をやるからうんと高い物をねだれ。私にはそれぐらいしかできないからな」



 烈牙様はそう言って紅茶を飲む。


 私の欲しいモノは烈牙様だ。

 そうだ。いつまでも受け身でいては烈牙様の心は手に入らない。


 よし。舞踏会で麗華王女を撃退できたら自分の気持ちを烈牙様に伝えよう。

 想い人のいる烈牙様が私の想いに応えてくれるかは分からない。


 でもこのままズルズルと側にいることだけに満足していては何も始まらない。

 そしてもし想いが通じなかったら私はキッパリと烈牙様の侍女を辞めるのだ。

 それがお互いのためになるに違いないもの。





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