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赤い星のリンカーネーション  作者: 鳥皿鳥助
三章 ワールドミッション
25/94

閑話 最初の一発






 ここはCA最大のリンカー集団である、ファントム・エクスのユニオンルーム。

 その場所に一人の部外者……ジンを盟主とするE(Exceed)S(Star)F(Fighters)の所属リンカー(プレイヤー)、クレナが訪れていた。


「――来たわよ、ルナクス」

「うむ。早速で悪いが、そちらのミッションで起きた事を聞かせて貰おう」


 彼女を迎えたのはユニオンルームの主にして、ファントム・エクス盟主のルナクスだ。

 ルナクスはクレナのように幾人かのリンカー(プレイヤー)を呼び出し、ワールドミッションでの出来事をまとめていた。


「えぇ……私達が向かったのはプリオーレース大陸にある迷いの森、その奥よ」

「ふむ、あそこか……」

「最初は何も無かったのだけど、次第にクァドラン粒子の濃度が上昇。最終的には前方が見えない程度の濃度になったわ」

「あの場所は我々の手中に無い場所、であれば当然グルムが出現するだろう。……いつも釣れないお前が、態々(わざわざ)その程度で報告するはずが無い。一体何があった?」


 ルナクスは確信的な勘と共に、クレナへと質問を投げかけた。


「――CAと同サイズ、近似形状のグルムが出現したわ。相手も本調子じゃ無かったのか、追撃されなかったお陰で何とか撤退出来たけど……」

「やはりそっちでも出現していたか……」

「そっち……でも?」


 クレナの報告を聞いたルナクスは天を仰ぎ、クレナは前のめりになって彼の話を聞く。


「あぁ。今回のワールドミッションはカウスと疑わしい複数のエリアを、複数のリンカーに調査させた……という概要は理解しているな?」

「えぇ、私達もその一つを選んだもの」

「……その中でいくつか、カウスと断定出来る場所を発見した。情報の振り返りとすり合わせを兼ねて、最初から説明させて貰うぞ」


 元々プリオーレース大陸は現在の彼らがメイン拠点としている、メビウスとルブルムをつなぐエアストがある。

 その特性状、可能な限り驚異を把握する為……多くの地点へと部隊が派遣されていた。


 そうしてグルムの拠点であるカウスと確定した地点が“クァドラン研究所”、“ヴァイト・ヴィーゼ最奥”、ESFとジェムズ混合部隊が見つけた“迷いの森最奥”……


 だがグルム達はそれ以外の場所にも、その活動範囲を広げている。


「キニス大陸のフェール発電所……その内部が現在ではグルムの生産工場になっているらしい。単機で偵察に向かっていたハルト・シャルフシュッツェが特定してくれたよ」

「まさかグルムがキニス大陸にまで進出するなんてね……。でもあの辺りはかなり過酷な環境なはずよ? 偵察に行くのも一苦労だったでしょうに」

「まぁな、だからこそ複座式コックピットのハルト・シャルフシュッツェだ。そしてフェールは我々が管理を放棄した場所、いずれ利用されるのは分かっていた……予想以上に厄介な事にはなったがな」


 話をするルナクスも複雑な顔をしているが、それを聞くクレナは複雑な顔をしている。


「……ひとまず、現状で確定している場所はこの四ヶ所だ」


 ルナクスは追加情報として、発見順に名前が付けられる事となった事も話した。


 グルム研究所が“カウス01”、ヴァイト・ヴィーゼ最奥が“カウス02”、迷いの森最奥が“カウス03”、そしてそれらとは遠く離れた場所に位置するフェール発電所が“カウス04”。


 そこまで言い切ると、ルナクスはクレナへと顔を向けた。


「ここまでで何か質問はあるか?」

「……いえ、特に無いわ。それよりもファントムが向かったのはグルム研究所だったわよね?」

「あぁ、難易度が高い事は見え透いている。であれば最大戦力を持つ、我々ファントムが動くしかあるまいという判断でな」

「そっちの結果はどうなったの?」

「――惨敗だ」

「……アナタが直々に向かったと言うのに?」

「あぁ」


 暗い表情をしていたクレナだったが、その顔は一気に驚愕へと変化した。


 ルナクス曰く、ファントム・エクスはかなりのリンカー(プレイヤー)を率いてグルム研究所……カウス01に向かっていたらしい。

 だがそこでは膨大な量のグルムが待ち構えており、ギリギリまで応戦するも止む無く撤退。


 一時はその選択肢すら達成困難な状況へと陥ったが、とあるリンカーがマキシマムウェポンを使用する事によって状況を打開した。


「噂には聞いていたけど、本当にアレを使ったの……?」

「あぁ……彼には悪い事をした。だがそのお陰で、味方の損傷を軽微に抑えられた」


 そう語るルナクスの顔からは、マキシマムウェポンを本当に使いたく無かったであろう心が伺える。

 クレナの目には、濃い苦悩の表情を浮かべるルナクスが映っていた。


「……で、カウスはどこから攻略するの?」

「出来る所から攻略するしかあるまい。損耗回復も考えれば、カウス01の攻略は当分後回しになるだろう」

「なるほどね……」






 ――――――――――――――――――――






 ここはジェムズのユニオンルーム。

 そこにはユニオンメンバーの全員……では無いが、過半数が集まっていた。


 その理由はマキシマムウェポンを使用したプレイヤーが、このユニオンに所属するエイジだったからだ。

 その面々が彼の話を聞くのは、興味から……という面が無い訳では無い。

 だが機体が粉微塵となり落ち込むエイジを励ます為という面もあった。


 エイジの話が終わると、彼らの盟主であるザ・ナイトは静かに呟く。


「――迷いの森も大変だったが、まさかグルム研究所がそんな事になっていたとはな……」

「はい……」

「クロム殿がコチラに来ていた時点で明らかなフラグだと思っていたでゴザルが、今回に限ってはどっちを選んでもダメだったでゴザったな……」

「いえ、迷いの森を突破出来た事を考えればジンさん達の側で正解だったと思います」

「……そうだな」


 話を聞いて貰ったからか、エイジのは顔色は多少マシになっている。

 次はエイジが質問をする番だ。


「――でナイトさん、迷いの森はどうでしたか?」

「あぁ、こっちも中々な状況だったよ」


 エイジの話を聞く為に余裕そうな態度で居た彼らだが、その実はかなりギリギリでの撤退だった。

 ザ・ナイトが軽い状況説明を手早く終わらせ、本題へと入った。


「カウス01でグルムの大群が出たように、こちらはこちらで強力な未確認機体が出現した。お陰で私達全員が危なかったのだが――」「そうだったんですか!?」


 本題、それはヴァイカウントとの戦闘。

 今回は大した戦いにならなかったが、能力が未知数な相手との戦闘は非常に危険だ。


「――相手が霧を晴らしてくれたお陰で、何とか撤退が出来たよ」

「ESFの皆さんもジェムズの皆さんも、無事で良かったです……」


 ザ・ナイトはそれを経験しているからこそ、即座の撤退指示が行えた。

 もっともそこには、ミッション内容が“調査”だったからという所もある。


「毎回ターコイズの煙幕には助けられているでゴザルが、今回ばかりかなり危なかったでゴザルな……」

「流石ナイトさんですね!」

「あぁ、ESF各員の能力が予想より高かった事……そして状況が良かったお陰で何とかなった」


 こうして迷いの森での戦闘を思い返すザ・ナイトだが、彼には少し気がかりな事がある。


「――それにしても、あの“声”は……いやそんなはずは無い。彼はあそこで“死んだ”のだから……」

「あ、ナイトさんもこっちに来て下さいよ! これから僕の有志を見て貰うんですから!!」

「……あぁ、今行く」


 ザ・ナイトの考察を打ち切らせたのは、空元気で態度を取り繕うエイジだ。

 その様子はまだまだ暗い物がある。


 盟主は盟主の努めとして、先の事を考えるより目先のメンタルケアを優先させた。






 ――――――――――――――――――――






【情報を集め】ワールドミッションの経過を報告する所 Part1【頑張ってまとめる】

 ここはワールドミッションで起きた事柄を分かりやすくまとめるため、とりあえずリンカーの証言を集めつつ軽い雑談をする場所です

 脱線OK、暴言NG! ここのルールは緩い方だけど、節度は持ってね!!



 72:名無しのリンカー

 ファントムの連中、ルクシオン居たのに撤退したってマジ?



 73:名無しのリンカー

 >>70

 ザマァww



 74:名無しのリンカー

 >>70

 いや記録見たけどあの物量は処理しきれんて



 75:名無しのリンカー

 団員が足引っ張ってたんだよなぁ……



 76:名無しのリンカー

 >>70

 結果は結果だから、最善手を探すのは兎も角誰かを悪く言うのは止めとけ



 77:名無しのリンカー

 あ、でも一人だけ大活躍だったじゃん



 78:名無しのリンカー

 せやなぁ……



 79:名無しのリンカー

 マキシマムウェポン使った奴か



 80:名無しのリンカー

 あれぶっ放したの、ルーキーだったらしいな



 81:名無しのリンカー

 世界初のマキシマムウェポン使用者……

 正直羨ましい気はするけど、機体吹っ飛んだらしいから使いたくは無い



 82:名無しのリンカー

 ちなみにルナクスさんも使わせたく無さそうだったけど、他に手が無いからってルーキーが強行してた

 千景さんの援護もあったらしく、犠牲に見合った所かそれ以上の戦果だしたけど……機体が吹っ飛ぶのはやっぱキチィな



 83:名無しのリンカー

 ルーキーだから機体カスタマイズもそれほど出来てなかったのが幸いか……?



 84:名無しのリンカー

 >>81

 俺、撤退の時に機体回収したけど……滅多に見れないレベルで壊れてたぞ

 ライズリアライザー周辺と伝達系がズタズタの再起不能レベルだから、かなりカスタマイズした機体だったら滅茶苦茶落ち込むコースだったぞ……

 まぁそうじゃなくても、愛着あればキツイだろうけど



 85:名無しのリンカー

 マジか、そりゃ使いたくねぇな……



 86:名無しのリンカー

 ルナクスはマキシマムウェポンの性能と反動を知ってたからこそ使用を躊躇ったっぽいが、一体何者なんだ……?



 87:名無しのリンカー

 でもあの威力は魅力的過ぎるよな~……

 使用するのに滅茶苦茶な条件付けられてるのも分かるわ(



 88:名無しのリンカー

 >>86

 ルナクスさんはルナクスさんやで、まぁほぼマップギミックみたいな人だけど()



 89:名無しのリンカー

 >>86

 話の中心に居すぎる人



 90:名無しのリンカー

 アレ結局グルムの群れを倒したのは余波で、本体は山にぶち当てたんだっけ?

 俺その頃端っこでクルスにタコ殴りされてたから全然見てねぇんだよ((



 91:名無しのリンカー

 アレお前だったのか……無様で草ww

 それはそうとまぁ、本体は山にぶち当たりましたねぇ……



 92:名無しのリンカー

 近場に当ててたら味方全滅してたんじゃないか?

 というか未使用兵器の威力と弾道計算が出来る千景さんヤバすぎない??



 93:名無しのリンカー

 設計図があれば出来ない事は無いけど、まぁ千景さんが凄い事に変わりは無い



 94:名無しのリンカー

 >>90

 あそこの大穴が見えるか? アレが本体の当たった場所なんだぜ……

 バカみてぇな威力してるだろ~?



 95:名無しのリンカー

 お前らに丁度良い新着情報を報告してやろう

 ルーキーがMWをブッパした周辺と弾着地点、粒子濃度が上がって侵入に必要なランクも上がるらしいぞ



 96:名無しのリンカー

 ファーwww



 97:名無しのリンカー

 えぇ……?



 98:名無しのリンカー

 マジかよww



 99:名無しのリンカー

 >>95

 CAが10機近く撃破されてもそんな事無いのに……?



 100:名無しのリンカー

 ウッソだろお前……



 101:名無しのリンカー

(MW作った人は)何を見てヨシッ!って言ったんですか



 102:名無しのリンカー

 開発者「兎に角威力があるからヨシッ!!」



 103:名無しのリンカー

 ちなみにアークの連中曰く、MWはかなり古い時代に設計された兵器らしいぞ


 例のバカでかい第六世代用……しかもその最終兵器として設計された物だから、現行のライズリアライザーでは規格も出力も合ってないとか何とか

 それを無理やり引き出すモンだから、まともな制御が出来ずにとんでもない被害が出るってキレ散らかしてたわ(



 104:名無しのリンカー

 なるほど?



 105:名無しのリンカー

 ウチのNPCメカニックが「アレでも出力は想定の半分位だろ」とか言ってたんだが、マジでコイツら何を相手にする想定で設計したんだよ……



 106:名無しのリンカー

 >>103

 環境管理官「ヨシじゃないが」



 107:名無しのリンカー

 専属メカニック羨ましい……

 金とコネ無いから、自分で機体を整備するしかねぇ……



 108:名無しのリンカー

 話の流れをぶった切るようで悪いが、各地でCAに似た形状のグルムが確認されてるらしいって報告を上げとく

 細かい情報はまだ調査中



 109:名無しのリンカー

 ほー?



 110:名無しのリンカー

 おぉ、やっと同サイズのロボvsロボ出来るのか



 111:名無しのリンカー

 あー、コイツを見つける為orフラグを回収させる為のワールドミッションだったのか……

 今までこういう機体が居なかった分、味方機との誤認が起きるんじゃないか?



 112:名無しのリンカー

 グルム側の技術でCAなんて作れたんだな



 113:名無しのリンカー

 >>111

 んにゃ、パット見近いけど構造が全然違うから判別は簡単らしい

 私は詳しく無いので、続報は本職に任せる(



 114:名無しのリンカー

 一応機体側で判別は出来るらしいから、バディに報告頼んでおけば何とかなるかも?

 見た目は結構禍々しいんだけど……砂とかの超遠距離戦組はちょっと厳しいかもね



 115:名無しのリンカー

 何でβテストの時じゃなくて今出てきたんだろうな

 こういう要素って大体最初から出しとくモンだろ



 116:名無しのリンカー

 >>111

 機体各所に蛇のエンブレム入っているから、それを目印にしたら良いと思う

 内部構造は特にジェネレーター周りが大きく違って、完全にグルムと同じだそうで……

 探知した時の反応も通常のグルムと同じ=今まで通りのままで味方機と判別出来るらしい



 117:名無しのリンカー

 なるほど



 118:名無しのリンカー

 追加の解説ありがとうございます



 119:名無しのリンカー

 >>115

 俺たちプレイヤーの機体が結構撃墜されて回収されてるからな、リバースエンジニアリングでも食らったんだろう

 昔の戦争とかでもよくある事だった……らしいぞ?



 120:名無しのリンカー

 新カテゴリーの登場は早そうだなー



 121:名無しのリンカー

 結構遅れたけど、HITSからの続報を軽くまとめてみた


 1.今回の戦いで猛威を奮った人形グルムはノーブル・ランクスと命名。現行装備でもある程度対抗出来る事から、これまでのグルムとは独立した状態でカテゴリー4に分類される(個別の機体名は現状不明)

 2.今回ノーブル・ランクスの出現した場所はカウスと命名、現状で確認されているのは01~04(詳細な地点はマップに出てるから各自で確認してくれ)

 3.攻略は元々カウスと呼ばれていた01を除いた各所から行われる

 4.現状でカウスへの侵入は禁止、ワールドミッション時のみユニオン単位での侵入可能とする


 以上、追加あればコピペで追記をお願いします。



 122:名無しのリンカー

 有能



 123:名無しのリンカー

 GJ



 124:名無しのリンカー

 つまりカウスは大規模イベント用のエリアって事か……

 てんきゅー



 125:名無しのリンカー

 助かる



 126:名無しのリンカー

 現行装備で対抗……出来るか?

 知り合いは結構やばかったって言ってたけど



 127:名無しのリンカー

 初戦が負け確って中々ハードだな



 128:名無しのリンカー

 >>126

 まぁ出会って3秒で即死とかじゃないから、対抗は出来るんだろう

 結構キツイけど((



 129:名無しのリンカー

 ノーブル・ランクスの強さはピンきりっぽいな――――――――――






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