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「っしゃーーー!!成功――!!」

俺は勇者カスどもの装備を背中に抱え、ガッツポーズをした。

今頃手紙読んで無様に慌ててる頃か?全員馬鹿みてえに寝てるから侵入も楽勝だったぜ!

まずは、これをどっか隠すか!カスどもに見つかったらボコボコにされるしな!

こんなこともあろうかと良い感じの空き家は把握済みだ!昨日見つけたやつだけど!俺ってマジ天才!

街中を駆けながら、顔がついにやけてしまう。装備だけでも一級品の杖やローブや剣がわんさか入っている。

全部売ったらいくらになるのか、楽しみで仕方がない。

とりあえず目指すのは昨日見つけた林の中の寂れた家だ。

まずはあそこに隠してしまおう。

まったく、我ながら完璧だな。

しっかし、そのあとはどうすっかなあ。

お金は全部口座に振り込まれたから、手持ちは無いんだよな。

でも、一気に引き出すと目立っちまうし。

……うーん。

「お、着いたな」

これからの計画を立てていたらあっという間に空き家についた。

鍵はかかってない。室内は簡素で机が一つ置いてあるだけだった。

誰も来ないだろうし適当に荷物を隅に置く。

一旦目標は達成し、一息つく。

「よし!とりあえず、飯たべるか!」

俺はさっさと家を出て、馴染みの料理屋に向かった。

そう、馴染みの店だ。

ここで調子に乗って高級料理なんかには行かねえ。俺様は慎重な男だからな。

「有能過ぎて自分が恐ろしいぜ!!!ひゃっはっは!!」

まあ、あのカスども金使い荒かったからな。

思ったより少なかったが……。

本当だったら、一生優雅な生活のはずだったのに。

あいつらマジでゆるせねえぇ……

いや。

いやいや落ち着け、ルード。

これでも15年はいける。さらに、あのカスどもの転落を眺められるおまけつきだ!

悪くねえよな!

うん、全然悪くない。

たぶん。

きっと……。

お、旨そうな匂いがしてきたな。

気分切り替えるか!

これ以上考えたら、なんかもう駄目な気がするし。

「おっす、大将!いつものちょうだい!」

馴染みの店の扉を開けて大将にあいさつする。

大将はなんかぽかんとしている。

「お、お前ルードか……?そんな性格だったか?」

「昨日までのルードは死んだ。俺様はクールでかっこいい大人な男に生まれ変わったのさ!」

「……そうか」

「ってことで、いつものちょうだい」

「ああ……」

いまだに混乱する大将をスルーして席に着く。

ああ、腹減ったなあ。昨日の夜から何も食ってねえんだよな。

財産根こそぎ奪うためにいろんなとこ駆け回ってたし。

役所行って。銀行行って。役所行って。銀行行って。役所行って。

……もう行きたくねえ。

はあ、あいつらは今頃どうしてるかなあ。

どうせ、乗合馬車とか見張ってんだろ。

馬鹿め!王都でのんびりしてるっつうの!

「ほら、おまちどうさん」

「ありがと、大将!」

さて、食べるか。この安くて山盛りな俺の一押し定食を!

がつがつ食ってたら、いまだに微妙な顔の大将が話しかけてきた

「よくわからんが、飯はちゃんと食べろよ……」

「おうよ!これからは好き放題食えるから心配すんな!この店にも金落としてやっからよ!」

なんか、大将の顔が余計に怪訝になった。

「あ、もし勇者が来たら『ルードは隣の領に行った』って言っといて」

最後にそれだけお願いして、すぐに俺は店を出た。さすがに、視線に耐えられなかった。

店を出て大通りをのんびり歩く。風が気持ちいいぜ。

あ。

俺は近くの屋台裏に隠れる。

「くそっ、どこだ!」

カスが走り去る。

はっ、簡単に見つかるかよ!俺は危機察知スキルがくそ高えんだ!

100年かけても無理だね!

くっくっく……。

完璧だ。

お、あっちに走っていったってことは今のうちに銀行いけるな。

預金残高だけでも確認するか。

俺は走り出す。

ああ……

夢が膨らむ……

家買って、うまいもん食って、美女囲って。

俺の人生バラ色だぜ!!さいこーーーーーー!!


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