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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
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第53話 ファージの街総力戦 北の門 紅刃烈火と守護者統括者(2)

「KYUAAAAAAAAAAAAAAA――」


火力十分。

素早さ、技量共に問題なし。

魔力の消費量、まだまだいける。

人間の姿になり早一月、ここまで行ってきた鍛錬の成果が実を結んでいる。


「BUAAAAAAAANNNNNNNNNNNNNN!!」


ワイバーンの数、残りおよそ十頭。

しかも三頭は群れの主。

そこそこ強い部類の魔物だが、所詮は劣等種。劣等種に勝ち目はない。

格の違いを見せてくれよう。


紅天べにぞら!!」


体中から魔力を四散させ、我の体を囲うように魔力を操作する。

例えるなら、殻だ。

そうこれは我を覆う灼熱の炎の殻。


5、4、3、2、1


さぁ、膨張しろ。


「KYUAAAAAAAAAAAAAAA――」


膨張に巻き込まれてワイバーンたちが次々と灰となり果てる。

劣等種が格上に対して手を上げたのが悪い。

是非もなし。


さて大方片付いたか。

ん?

キツナの体力がで減っている?

あの守護者最強と言われるキツナが……。

しかし魔力反応に引っかかっているのは、キツナだけ。

ただ何らかの異常があると見ていいだろう。

なんせあのキツナの切り札『朱藍の鬼しゅあいのおに』の魔力の残留が残っている。


「VARAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaa」


突如とした咆哮に思考中だった頭を止められる。

こんな一大事だというのに、追加か。


「召喚されたところすまないが、とりあえずその首貰おうか」


召喚されたばかりのヤマタノオロチの首をすべて斬り落とす。

だが落ちた首の様子がおかしい。

首から先がないにも関わらず、いまだに絶命しない。それどころか切口が塞がり首だけの状態で活動を再開した。

尋常ではない再生能力、どうやらこの魔物は一筋縄でいかないらしい。

これが敵の妨害だとしたら、尚更たちが悪い。





全く情けないですね。自分が嫌になります。

目の前にいる魔族相手に隠れることしかできない自分が。


「あれれ~? どうしちゃったの、さっきまでの威勢は?」


紅、藍、二人とも一瞬でやられた。

魔力供給も惜しむ暇なくし、攻撃、防御の付与効果も与えてのに。

その二人同時でかかったのにもかかわらず片手一本で仕留められた。


「ここかなぁ~?」


ロバと名乗った。魔族がどんどん近づいてきます。

怖い――恐怖に囚われちゃいけないのにどうしても、自分が殺される想像が止まらない。

彼が一歩近づくことに、恐怖がどんどん大きくなっていく。


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


体中の震えが止まらない。

心臓の音がどんどん大きくなっている。聞こえてしまいそうで怖い。

『お願いッ収まって』と落ち着かせようとするが全然収まらない。

むしろ鼓動は早くなる。


気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな気づくな


足音がすぐ近くで止まる。


「ん~、いないなぁ。あっちを探してみるかな」


足音が遠ざかっていきます。

ふぅ、とりあえず今のうちに場所を変えないと。


「なぁんて、言うと思った? 君さ、魔力感知能力は著しく凄いけど、隠密行動は全然だね。普段追いつめられることなんてないのかな?」


気づかれていた。

あぁダメです。どうやって逃げるのか考えなくちゃいけないのに、自分が殺されるイメージで頭で埋まります。


「君のせいで計画に遅れが生じているんだよね。お嬢様の夕食の準備もまだ残っているというのに」


体が動かない。声が出ない。

ただたんに冷や汗だけが止まらない。


「まぁ安心しなよ。僕は君を殺す気はないはないよ。『君、僕の下僕になってよ』」


その言葉を聞いたとき脳裏に浮かんだのは、雪様との出会い。

私が九尾の力をうまく扱うことが出来ずに暴走した際、雪様がくれたお言葉。


『オレがお前を止めたんだ。見返りにお前、オレの物になれ』


最初は何て自分勝手な人なのだろうと思いました。

ですが暴走して体がゆうことを聞かなくて、孤独と不安さで満たされていた心に何故だか安心で満たされました。そういえばあの時、私は泣き崩れてしまいましたっけ。


「フフ、クフフ」

「何がおかしい?」


あぁそうでした。

私は雪様ただ一人の物。それ以外の何物でもない。


「何で笑っているのか僕には分からないけど、一つだけ君に忠告しよう」

「なんですか?」

「魔族を前にして笑うなんて失礼じゃないかな、あまり魔族をなめるなよ」


最後の言葉を言った際に、ロバから殺意と同時にその殺意を込めたような魔力が放たれます。

先程までの私ならもう臆するかもしれませんが、今は違う。

私は雪サクラの物にして雪サクラの守護者統括者。


封じていた第一の尾から第三の尾まで魔力を開放


「守護者統括者の名のもとに命ずる。来なさい、スザク」

「承知、ちょうど終わったところだ」


地面が突如光だしスザクが飛び出します。

今ので第一の尾の魔力が尽きましたかやはり、龍を召還するのは魔力の消費が激しいですね。

まぁまだ魔力は尻尾二本分は残っていますが召喚されたスザクは、体力は減ってないものの魔力の消費が激しいですね。

『魔力授与』をスザク単体に『攻撃強化』『防御強化』そして『行動速度強化』をスザク及び私に付与。


「魔力を強化に尾二本分消費しました。何としても勝ちますよ馬鹿スザク」

「承知した、守護者統括者殿。目の前の敵、斬らせて頂こう」

「いえ貴方はあくまでサポートです。この男は私が倒します」


だって彼の目的は私。

私が彼の相手をするのが妥当な判断でしょう。


「へぇ、召喚魔法使いか。それと付与系の魔法を使えるのか、ますます欲しいかも」


スザクが召喚されたのを見てロバがそう呟きます。

まぁ、死んでも貴方の物になるなんてことは考えられませんが。


「先ほどまでの戦い方はあくまでキツナとしての戦い方。そして今度は守護者統括者キツナとしての戦い方。さぁ行きますよスザク」

「あぁ、塵も残らないほど燃やし尽くしてやろう」

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