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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
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第50話 ファージの街総力戦 西の門  白虎vs黒獅子

南の方角から、爆発音が響く。

どうやら向こうは派手に始めたみたいだ。


「ヒョウ様、他のところでは始まったみたいですね」

「そのようだな」


隣には主の従者のビャッコ殿がいる。

この円状の陣形を維持する為に、各要所に強者及びに指揮のできる者を配置するとは作戦を考え付いたキツナ殿には戦の知恵がある。

今回、我は指揮に回る。勿論、戦うことはできるのだが要所を分担するとどうしても指揮系統に長ける者が主の眷属が我しか余らなかった……。

さて此度の戦の相手は魔物。

この布陣は獣人などの知性がある種族なら戦いやすいだろうが、相手は知性などない魔物。

普通このような戦いに勝ち目はない。長年の勘がそう言っている。

だが、これは普通の考えだ。

現在この街には我を含め、異例なほどの力を含めたものが九人もいる。

いや、正確には八人と一体だが、この状況を打破できる可能性を持つ者がいるとしたらこの九人のうちの誰かだろう。

街を救える可能性は十分すぎるほど揃っている。


「それにして魔物に動きがありませんね」

「あぁ、不気味なほどに静かだ」

「こちらから仕掛けちゃいます?」

「冗談はよしてくれ……本気なのか?」

「いえいえ冗談です」


ビャッコ殿は先ほどから疼いている。

本人は気づいていないのだろうが無意識に指を鳴らしたり、ストレッチをしたりしている。

主から聞いた話によるとビャッコ殿は結構な戦い好きらしい。

特に肉弾戦なんかでは自分から筆頭して参加するなどする、主の眷属の中でも最も血に飢えているという。




ん?

空から橙色に光る粉が降っくる。

いやこれは鱗粉か。

だがなぜこのような戦場に鱗粉が降り注ぐ?


「ぐわぁぁああ!!」


突如として最前線にいた兵から悲鳴が上がった。


「何事だ!?」

「分かりませんって、な、何をするッ!?」


兵長らしき人物の問いに答えていた兵を突如、何かが襲った。

いや何かではない、あの鎧は帝国兵だと……?


――GUWAAAAAA


帝国兵が帝国兵に襲い掛かる。

はたから見たら片方は魔物の屍人にも見える。

まさか精神魔法か?

だが精神魔法は一人かけるにも多大な魔力が必要になる。

増してや集団にかけるなど。聞いたこともない。


「ビャッコ殿、暴走している兵を束縛する。手を貸してくれぬか?」

「承知」


とりあえず暴走している兵を抑えなければ、前線は内側から崩壊する。

この前線の崩壊がやがて大きな亀裂となる。




「GUWAAAAAAaaa……」

「有難うございます」

「構わん。がこの者たちが何故暴走したのか理由が分からん。そなたたちも気をつけよ」

「はい、忠告ありがとうございます」


前線に赴き暴走している兵を昏倒させていく。

もうかれこれ三十人は昏倒させた。

だが暴走していく兵は一向に減る気配を見せない。


「それにしてもこの視界の悪さどうにかならないものか」


降り注ぐ鱗粉が先ほどよりも多い、視界が橙色で霞んで見える。

おかげで今の戦況が全く分からない。

バチョフ殿がいたのなら吹き飛ばしてもらえるのに。


「GUWAAAAAA!!」


後ろから突如獣ような雄たけびが上がる。

振り向くと今喋っていたばかりの兵士達が暴走していた。


「そういうことか」


鱗粉だ。

この鱗粉を体内に取り入れることで、幻覚作用を引き起こしていたのか。

最前線にいた兵が一番最初に症状を起こしたのは鱗粉の濃い場所にいたからだろう。

いや相手はそうなるように仕向けていたが、正しい見解か。

どちらにせよ。全く面倒なことをしてくれる。

だが、元凶が分かったのならこちらのものだ。

『対魔の魔眼』


「こちらを見よ、全ての帝国兵」

「GUWAAAAAA――ってあれ俺は何を?」


やはりな、この鱗粉は魔力を帯びていた。

つまり我の魔眼の前では無力。

さて、この鱗粉を降らせている大元を叩きに行くか。


「モード:セリアンスロゥプ」


獣人と化した下半身の力でその場を飛び上がる。

居た。

雲を突き抜けたあたりに悠々と空を飛んでいた。

蛾型の魔物、ハルスモスラか。

レベルは204と意外と低いな。

まぁいい。ここで滅びろ。


『獅子豪轟……』


DOGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNNNNNNN


眩い閃光が起きたと思うと体中に走る突如として走る痛み、理解できたのはそれのみだった。

その後に背中に走る、衝撃とその衝撃に伴う痛み。

全身の肉が焼けたのか、辺りに焦げ臭いにおいが漂う。

クソっ、我としたことが忘れていた。

我には対魔の魔眼があったため、鱗粉を吸い込んでも大丈夫だった。

だが、ビャッコ・・・・殿はどうだ?

幾らレベルが高いとはいえ、これだけの量の鱗粉に耐えることができただろうか?

答えは信じたくないが、不可能だ。

故に、この現状が起きてしまった。


「ウラァァァァァァアアアアア」


ふっ、見た目は可憐な少女だが、中身はただの獣。

目の前のそれはそんな姿をしていた。

実にやばい。

もしかしたら、死ぬかもしれない。

だけどなんだ?

こんな絶望的なのに、何故か笑みが出てくる。

あぁそうか、主から受け取った新しき力を使いたくて仕方ないのか。

やはり、本能には勝てないか。全く年甲斐もないほどの我もバトルジャンキーという事か。


「主から授かった力、其方で試させてもらうぞ。モード:ビースト」


分かる、全身から魔力が湧いてくる。

爪、髪が生え代わり姿が本物の獅子になる。

いや、主曰く黒い姿は向こうの世界にいないと申していたな。

まぁそんなことはどうでもいい。この力そうそうに使う機会などない。


「すまないが、この力まだ制御が難しいのでな。まぁ其方のレベルなら死することはないだろうが、一応忠告する。耐えろよ」

あれ、もう50話なの!?

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