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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
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第49話 ファージの街総力戦 南の門  麗しき戦場の人形

SHAAAAAAAAAAA


蛇型の魔物が多い。

蛇は苦手なんだよな、大抵が毒持ってるし、あのフォルムから予想外の攻撃をしてくるやらで。

まぁ、最も嫌いな理由は別にあるのだが……。


「冒険者の諸君は帝国兵の後ろから弓で攻撃をしろ。いいかお前ら魔物共に後れを取るんじゃねえぞ!!」

「「勿論ですとも隊長」」


と言って士気を上げるもこちらにとっては不利な状況は続く。

弓じゃあの硬い鱗に弾かれるし、蛇の動きは俊敏だ。


「ゴーレム達よ、魔物を殲滅せよ」


オキナ殿がそうゴーレムに命令する。

が先ほど申した通り蛇は俊敏だ。とてもゴーレムの遅いスピードで追いつくはずが――


DOGAAAAAAAAAAANNNNNNNNNNNNN!!


突如として戦場に爆発音が響き、激しい地響きが起きた。

まるで爆弾でも落ちたみたいだ。

一体何が起きた? 


「職人とは常に進化し続けるものじゃ。経験に経験を積んで一人前となり、自分が作れる最高の物を作り出したとしてもその過程において困難や失敗という経験を得る。また作り出した最高の物であっても後に生み出されたものと見比べられ職人はそれを超えようと更なる高みに上る。故に職人は進化し続ける、そして職人と共に作品も進化し続ける。そうじゃろ、クローリー?」

「イエス、マスター」


土煙が張れるとそこには無残に転がる蛇の魔物共の肉片と美しい女性だった。

あれはゴーレムなのか?

だがあの肌の質感、そしてあの柔らかな表情。あれはゴーレムを研磨するだけじゃ生み出せない。

まさか、帝国の禁術――ホムンクルスなのか!?


「さぁ存分に暴れろクローリー。この街の害を殲滅せよ!!」

「イエス、マスター」


彼女が涼しげに返答すると同時に彼女の姿が消える。

が代わりに戦場に激しい爆裂音が響きわたる。

あの人間離れした動き、やはりホムンクルスか。

しかもあのホムンクルスは――


「隊長、あれはそうですよね」


どうやらカガトも察したようだ。


「あぁ間違いない。まさか実在していたとはな、クローリー」


クローリー。神話の時代に黒の英雄と互角の戦いをしたとされるホムンクルス。

本来ホムンクルスは神話の時代に神が当時最弱だったとされる人間を守るために下さった、人の形をした強力な兵器。

その中でも群を抜いて強く美しいと謳われたホムンクルス、クローリー。

そう、その強さでクローリーは伯爵クラスの魔族を打ち滅ぼしたとされる。

また彼女が街を歩く様子を見るだけに西の最果ての国の王が視察に来たなどの逸話を残す。

そんな彼女だが魔族を打ち滅ぼした際ふと疑問に思った事がある。

『なぜ自分より弱い種族に仕えているのか』と。

なぜ彼女がそう考えたのか今では誰も知る者はいないが、それからの彼女の行いは人の為であらず、自分の中にある渇望を潤すだけの行いをするようになった。

強き者だけとただ戦う。

故に人々は魔族殺しの英雄から彼女のことをこう呼ぶようになった。

『狂える災華の人形』

そんな彼女だが最終的に黒の英雄との戦いに敗れ、英雄から危険だと判断され破壊されたはず……。


「隊長殿よ。不思議に思うじゃろ? 彼女を見ているとまるで神話の世界に迷い込んだ錯覚に陥る」

「えぇ、オキナ殿あれはいったい何なのですか?」

「あれはもう何十年も前まで遡る。ワシがゴーレムに製作に必要な土を掘りだしていた時の事じゃ、今まで見たことない形の鉱石が出てきた。それが気になったワシはその鉱石がちょうどゴーレムの核と同じ形状だった為、作っていたゴーレムに埋め込んだ。そしたらゴーレムが光を発し、形が変わり、あの少女の姿になったという訳じゃ」

「なるほど……しかしですね、オキナ殿。あなたが作ってしまったのはホムンクルスだ。よってあれはどういう形であれ禁術だ。我ら帝国が預からせて頂こう」

「ふむ、仕方ないのぅ。だがこの戦いが終わってからでよいか?」

「えぇそれは勿論」


だがしかし、帝国兵の活躍が薄すぎる。

というか、彼女が動くたびに揺れる大きな谷間を先程から鼻を伸ばしてみている奴が多い。

全くけしからん。


「あぁ、全く。オイお前らッ!! 女ばっか見てないでちゃんと仕事をしろ!!」


オレの叱咤の声に当てられ兵たちに再び緊張感が走る。

ん、ま、まぁあのデカさは確かにそう簡単に見られるデカさじゃないけどさっ。

……だがこれはオレの本心なのだがもっと見たい。


「カガトこの場の指揮を任せるぞ」

「隊長出るんですか?」

「あぁ、本来こっちが助けに来てるんだ。だがこれじゃこっちの格好がつかないだろう?」

「まぁ確かに」

「それに彼女だっていつ魔力が尽きるか分からない」

「えぇ。でも大丈夫ですか?」

「なに迷宮ではとんでもない失態をしてしまったが、ここでも女に頼ってたら男が廃る」

「まぁそうですね。でわ隊長ご活躍を期待しております」


うむ。うまい口実ができた。

さぁ彼女をもっと近くで見たいが、彼女と俺の間の蛇共が邪魔だな。


「邪魔だ蛇共。オレの空斬鎌鼬術で切り裂かれなッ!!」


さぁ男の夢を見に行こう!!

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