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黒の英雄譚 ~漆黒の女帝~  作者: 涙目 ホクロ
職人の街 ファージ
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第31話 ファージの街(9)仮題

誤字や脱字、質問などがありましたら作者まで報告お願いします。(作者は読み直してますが見逃している可能性が非常に高いです


少しバチョフを舐めていたかもしれない。

先程のバチョフのスピード、もしかすると俺と同等な早さかもしれない。

それに向こうのあの武器は暗殺目的もしくはスピードを活かす為だけに作られたような武器。

こちらの刀の刀身はおよそ七十センチほど、それに対しバチョフの鎌はおよそ九十センチ、明らかにリーチは向こうの方が長い。

しかし、幸いにも向こうの扱う武器は鎌。

引く力を利用して獲物を切り裂く為に刃の向きが後ろ側についている。

つまり前方からの攻撃には弱いはず。



足に力を込め思い切り地面を蹴る。

その際にクレーターみたいな穴ができてしまったが演習場の自己修復機能で元に戻るはずだ。


バチョフまであと三メートル


更に加速を強める


そして刀を振り下ろそうとした時、俺は最初に地面を蹴った位置まで吹き飛ばされていた。


何が起きた!?


「俺の武器がの特徴から前方からの攻撃に弱いと思ったのだろう。そこまではいい。だが俺がこの二十年間でその問題点に気づかないとでも思っていたのか?」


忘れていた。

相手は転生者でこの世界で育ってきた。

二週間ほど前に転移してきた俺とは経験が違う。


「確かに、ドラキラだったらお前にやられていたかもしれない。しかしこれはゲームじゃない現実リアルなんだ」


バチョフが鎌を不規則に振り下ろす。


すると鎌から見えない何かが離れている俺を襲う。

とっさにかたなを刀に当てるが何かは消えず俺に届く。

ものすごい強風、風圧か。

しかも魔法でわない。

おいおいマジかよ。


「武器腕に見惚れてあんたが剛腕の持ち主だったことを忘れていたよ。その剛腕で風圧引き起こし俺を吹き飛ばしたんだろ?」

「一撃で分かったか。良い目をしているな」


どうやら当たったみたいだ。

しかし次からは当たらないようにすればいいこと。


俺は不規則に走り出す。


「なるほど考えたな。そうすれば確かに風圧は避けられる。しかし今まで俺に挑んできた奴でそれに気付かなかった奴がいると思うか?」


あと一歩で刀の間合いに入るところで俺は冷や汗をかいた。


「おいおいそれはさすがに予測不可能だって」


バチョフの鎌が回転した。

そして内側にあった刃が外側にでてきておれの首に当たっていた。


あと一歩踏み出していたらと思うとぞっとする。



とっさに後方に退き体制を立て直す。



さてどうするべきかな。

近づこうとすれば風圧で吹き飛ばされる。

かといって遠距離攻撃できる装備も持っていない、持ってたとしても風圧で届かない。

さらにバチョフには回転する鎌もあり、前方からの攻撃も弾かれるし、後方からの攻撃も鎌を戻して弾かれる可能性もある。


いっそのことレベル差を信じて突撃してみるか?

いやいやいや、落ち着け自分。自殺行為だ。


何かないか。

そう思って腰につけていたアイテムポーチを探る。

すると細い糸を見つけた。

これは、『ククル糸』

確か大きめのシャドースパイダーからドロップしたものだ。

七メートルほどの長さがあったため手に持つことを辞め、木の枝に巻きつけてアイテムポーチに締まっていたんだった。

すっかり忘れていた。

クルル糸は確か魔力を通すことによって硬化する性質がある。

またこれは荷馬車にあった本で分かったことなのだが同じ技でも魔力の質によって威力が左右されやすい。

そして魔力の質とはレベルの高さに関係する。

つまり俺の魔力は最上級クラスの質。


俺は糸の切れ端を双方の刀の柄に繋げる。


「そろそろ決着をつけようか」


どうやらバチョフはククル糸には気づいてない。


「こうするだけだ!!」


全力で片方の刀をバチョフに投げつける。


バチョフが腕を振りかざし風圧で刀を吹き飛ばす。


「全く、自暴自棄になったか?」


飛ばされた刀はバチョフの頭上を通り越し地面に深々と突き刺さっている。

バチョフは気付いていない。

これが敗因になることも知らずに。


一度だけでいい。


一度だけあの鎌の包囲網を潜れば俺の勝ちは確定する。


全身を魔力で覆う。


そして最大限の力を足に籠め、バチョフをめがけて駆ける。


バチョフが腕を振りかざしたがもう遅い。


――なぜなら俺はもうバチョフの後ろ・・に居るからだ。


飛ばされた刀をブレーキ代わりに利用し結びつけていた糸に魔力を流す。


「腕が動かない、これは糸か?」


バチョフがようやく気付いたようだ。


「ククル糸。魔力を流すと硬化する性質をもつ、あんたの腕は固定させてもらった。無理に引き散ろうとすると逆に腕が切れるかもね」


最初に投げた刀はバチョフの頭上をそして俺はバチョフの脇下を通ってきた。

バチョフの腕を支点にし二本の刀を引っ張ると当然、支点のバチョフにも力は働く。

俺は無防備になったバチョフを残りの糸で縛り上げる。


「この勝負大変言いにくいことですが冒険者雪サクラの勝利

カガトが勝敗を告げる。


勝利というが本当は運だった。

ククル糸がなければバチョフはそう簡単に倒せなかっただろう。


「絶対防御ここに敗れたりってね」

「これは完敗だな。まさかククル糸で動きを封じられるとはお前は何者だ?」

「雪サクラ、異世界から来たただの冒険者さ。それより今回の討伐俺達も行かせてもらっていいかな?」

「隊長の俺がやられたんだ。むしろ手伝ってくれた方が心強い」


なんとか許可は下りた。

これから作戦会議だ。



本日完成すればもう一話投稿予定です。

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