5話 家で
「ノア…俺、もう」
「ダメよ、もっと動かして」
「はぁ、はぁ、もう限界───」
───────時間は少し遡る──────
「ピンポーン」
俺の狭い一人暮らしの部屋にインターホンの音が響く
「はーい」
玄関の扉を開けるとトートバッグを持った私服のノアが立っていた
「ちょっとゲームしましょ?」
「ノアからゲーム誘って来るの珍しいな。じゃあ家入っていいよ」
「おじゃましまーす」
ノアが部屋に入ってくる
「もてなすものとかないけど」
「気遣わなくていいよ」
ノアがちゃぶ台の前で腰を下ろし、トートバッグを置く
「なんのゲームする?」
「ゲームって...あんた何言ってんの?テスト前よ?」
「え、ゲームしたいから俺ん家来たんじゃないの?」
「一緒に勉強しよって言うと家入れてくれないでしょ」
騙された。俺の純粋無垢な気持ちを返して欲しい
「どうせまだなんもやってないんでしょ。提出物やってないでしょ。国語のワーク提出明日よ?」
「ちょっとトイレに」
逃げてやる
「待ちなさい」
ノアが俺の肩を触ってくる
「おい、なんだ、連れションか?」
「ふざけたこと言わないで。どうせ逃げるつもりでしょ」
ダッシュで部屋から出ようとしたが
「うぎゃ」
透明なバリアに阻まれた
「大人しく勉強しなさい」
「はい」
────────────────────
そして今に至る
「もう手が限界なんだけど!何問解かすんだよ。」
「あんた物理苦手でしょ。」
「……別に10科目全部できる必要ないだろ」
「10科目?私達の高校11科目だよ」
「何を言ってんの?」
数I、数A、物理基礎、生物基礎、国語、歴史、戦闘基礎、能力基礎、選択性言語学I、哲学の10個のはずだろ
「中間なのに副教科もあるのか?」
「違う」
「じゃあなんの科目だよ」
「戦闘実技よ」
「なんだよ、それ」
「筆記の10科目が終わってから1週間以内にどれだけ成果を出せるかっていう試験よ」
実技もクラス替えに関係するってことか。
まあ俺はまず筆記を何とかしないとな
「それって単独討伐しか無理なのか?」
「学年の中からパーティーを作ってもいいらしいわ」
ノアは応えながらも勉強をする手は止めない
「じゃあノア、俺とパーティー組むか。もしダンジョン行くとかになったら2人以上じゃないと行けないしな」
「まあ、いいけど」
「よし、じゃあ決まりだな。1回トイレ行ってくる」
俺はそのまま外に逃げた
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あのままあそこにいたらまた筆記の勉強の続きさせられるからな
外はもう夕方になっており子供たちは探検から帰ってきている
「リーダー! きょうはすごいおてがらです」
子供の声が耳に入る
「おお、お前ら今日も探検か? 」
「うん。リーダー、俺もリーダーみたいな能力開花するかなあ?」
「きっと開花するぞ。応援してるよ」
「リーダーみたいに俺も人を助けれる能力が欲しい」
「私も! リーダーが私達を助けてくれたみたいに人を助けたい」
「2人とも頑張れよ」
頭を目線の高さに合わせ2人の頭を撫でる
「リーダー、ありがと!」
「リーダー、またあした!」
手を振っている2人に手を振る返す
さて、俺は実技のクエストでも探すとするか
────────────────────
「討伐クエストにするか、ダンジョンクエストにするか。うーん」
俺はギルドに来てどのクエストにするか悩んでいた
「トレスくん、なにか困ってるのかな?」
クエストの受付嬢のラムさんが話しかけてくる
「実は中間試験でクエストを受けなきゃいけないんですけど」
「ノアちゃんはどういうのががいいって言ってたの?」
「わかんないっす」
「聞いてないの?」
「ノアとの勉強会から抜け出して来たんで聞いてないっす」
「うわ、それノアちゃん怒ってるわよ。乙女の気も知らないで……帰ったらちゃんと謝りなさい。」
「はい」
「まあ、おすすめはダンジョンね。それを踏まえた上でノアちゃんとちゃんと話し合って来なさい」
「ありがとうございます」
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クエストを探し終わった俺は家に帰る。
「ただいまー」
休憩中で寝ているノアが起きる
「うーん、トレス? なに」
「トイレ行くとか言って外行ってごめん」
「別に怒んないよ、どうせ逃げると思ってたし」
意外だ。ノアが俺に怒って、てっきり次はバリアの箱とかに入れられて閉じ込められると思ってた。
「その代わりクエスト探してきたぞ」
「何よ、気が利くじゃない」
「このダンジョンとかどうだ?能力を使わない4日間の忍耐力の試練」
クエストの紙をノアに見せる
「いいんじゃない? 見たところ難易度は高いけどクリアすれば3組くらいにはなるんじゃないかしら」
「ノア、あと……その……」
「何よ、はっきり言いなさいよ」
「勉強は自分で頑張るからさ、一緒にゲームやりたい」
「あんた、まだそんなこと言って」
「頼むよ。俺お前くらいしか友達いないし、お前にしか頼めないんだ」
俺がそう言ったときノアが少し笑った気がした
「全く。あんたは私がいないとダメなんだから」
ノアがコントローラーを手に取った
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