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遭遇
土星の衛星エンケラドゥス。厚さ二十キロの氷層の下、漆黒の海で探査機が「何か」に触れた。カメラが捉えたのは、この衛星に無数にある岩礁ではなく、幾何学的な模様が刻まれた巨大な銀の卵だった。
私が遠隔操作で探査機のマニピュレーターを伸ばすと、卵の表面が波打ち、こちらの動きに呼応するかのように揺らめいた。それは数億年の沈黙を破り、外の世界との対話を求めているようだった。
「こちら探査船。応答を……」
通信を試みた瞬間、私の脳内に直接、地球上のどの言語でもない「温かなハミング」が響き渡った。




