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幸福な配給ミス

「市民、幸福は義務です」と叫ぶ監視ドローンの下、配給列に並ぶ。今日の食糧は無味乾燥な「幸福ペースト」のはずだった。だが、私の手元に来たのは真っ赤な激辛ソースの瓶。工場の労働者がミスしたのだ。

「市民、幸福は義務です!」と急かすようにドローンが飛び回りながらスピーカーで叫ぶ。

食えというのか、これを。

しばらく抵抗したが全く意味がなかったので、仕方なく口に運ぶ。


一口舐めた瞬間、脳が焼けるような衝撃とともに舌が燃えるように熱く、そして痛い。網膜ディスプレイの幸福指数は、痛みによる異常値でカンスト。それを見たドローンが「模範的市民!」と褒めてきた。涙を流し悶絶する私を、周囲は無言で拍手し称えた。なんだこれは。と苦しみながら疑問に思っているとドローンが私の前で静止しこう告げた。

「市民、その模範的態度は素晴らしい!寄ってDクラスからCクラスへ昇格、明日から励め!」

なんでかわからないが昇進した。ほんとになんで?

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