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マグロ・サケ・ハイウェイ
重力制御ボードで高層ビルの隙間を縫う。今日の依頼は、電子ドラッグよりも中毒性が高いと噂の「特製ネギ抜きラーメン」の配達だ。
「おい相棒、また保安局のパトロールだ! 出力を120%に上げろ!」
「イイネ!カットバシテクゼェ!」
俺が叫ぶと、愛機のRX-2000が合成音声で気炎を吐く。俺たちはほとんど違法なブーストで、追跡をで振り切った。網膜ディスプレイに成功報酬の電子マネーが振り込まれるのを確認した。
空を覆う巨大広告ホログラムの下、俺たちはうす汚れたコンクリートの街を駆ける。この街は混沌としているしろくでもないことが大半だが今感じている風と、合成マグロにフェイク・サケの組み合わせだけは最高だ。絶望に浸る暇なんて、一秒もありゃしない。俺たちはそのままアウトバーンに入り次の出前に向かった。




