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第四十四話第三戦:裂蒼 vs 神庭・哲西


空間が、歪む。

否――

“結果だけが積み重なる世界”。

地面は裂けている。

だが、その瞬間はどこにもない。

ただ、“斬られている”。

神庭は、静かに構える。

両手の刀に、雷が宿る。

バチ……ッ

神庭

「……面白ぇな」

口元が、吊り上がる。

「オレ様の“雷”と――どっちが速ぇか、試すか」

次の瞬間。

雷が――消えた。

否。

“見えなくなった”。

修羅・瞬雷閃

神庭の姿が、三つに分かれる。

残像。

三面六臂。

六つの雷が、同時に走る。

哲西

「すご……っ」

六撃。

同時到達――のはずだった。

だが。

ズレる。

“斬った後”に、

そこにいない。

神庭

「……は?」

遅れて。

血が噴き出す。

神庭の肩から。

神庭

「……ッ!?」

裂蒼

「遅ぇ」

背後。

いつの間にか、立っている。

「お前、“速さ”で来てるつもりか?」

その言葉と同時に、

神庭の身体が裂ける。

見えない。

いや。

“既に斬られている”。

神庭、歯を食いしばる。

「……上等だ」

雷が爆ぜる。

修羅・六雷閃

三つの残像が加速する。

六撃が“同時存在”として襲う。

空間が焼ける。

雷が網となり、戦場を覆う。

修羅・轟雷鎖

地面を、瓦礫を、鉄を伝う雷。

包囲。

神庭

「逃げ場、ねぇぞ」

裂蒼、笑う。

「“囲ったつもり”か?」

その瞬間。

雷が――

消えている。

神庭

「……なんだと」

裂蒼

「結果だけがある世界だ」

一歩。

踏み出す。

雷網が、

“既に断たれている”。

過程はない。

ただ、“斬った結果”だけがある。

神庭の腹が裂ける。

神庭

「……ッッ!!」

膝をつく。

血が落ちる。

哲西

「神庭!!」

駆ける。

巨大な刀を振り上げる。

哲西

「ぼくが――!」

振り下ろす。

その瞬間。

腕が、消し飛ぶ。

哲西

「――え?」

遅れて、痛み。

血が噴き出す。

裂蒼は、そこにいる。

動いていない。

裂蒼

「遅い」

その一言で、

哲西の身体に無数の裂傷が走る。

見えない斬撃。

存在が、飛んでいる。

哲西、歯を食いしばる。

「……まだ……!」

踏み込む。

精霊が吠える。

光が、身体を包む。

哲西

「来い……!」

骨が鳴る。

筋肉が膨張する。

獣人化。

哲西(獣)

「オレが……止める!!」

突進。

大地が砕ける。

山をも砕く一撃。

だが。

当たらない。

いや。

“当たっているのに、結果がない”。

次の瞬間。

巨体が宙を舞う。

叩きつけられる。

大地が陥没する。

裂蒼

「力も、意味がねぇ」

神庭が、立ち上がる。

血まみれ。

それでも。

目は死んでいない。

神庭

「……いいな、テメェ」

笑う。

「最高に“斬りてぇ相手”だ」

雷が集まる。

周囲が発光する。

修羅・断界雷

神庭の身体が、雷そのものへ変わる。

空間が震える。

六方向。

同時に走る“断界”。

神庭

「消えろ」

戦場そのものを断ち切る一撃。

だが――

裂蒼は、動かない。

そして。

静かに言う。

裂蒼

「遅ぇって言ってんだろ」

次の瞬間。

断界が――

“成立していない”。

神庭の胸が裂ける。

血が噴き出す。

雷が霧散する。

神庭

「……は……?」

理解が追いつかない。

裂蒼

「お前の技は全部――」

一歩、近づく。

「発動する前に終わってる」

神庭の身体が崩れる。

哲西も、動けない。

二人とも、立てない。

圧倒的。

裂蒼

「……つまんねぇな」

その時。

空気が、変わる。

王仁の声。

「撤退だ。目的は達した」

裂蒼、舌打ち。

「……あぁ?」

不満げに空を見る。

だが、従う。

最後に。

神庭を見る。

裂蒼

「次は――壊してやる」

消える。

同時に。

重圧が消える。

静寂。

崩壊した街。

裂けた大地。

焼けた空気。

神庭、仰向けに倒れる。

「……はは……」

血を吐く。

「負けたな、オレ様」

哲西、隣で倒れている。

哲西

「……でも……生きてる」

小さく笑う。

その言葉に、

神庭の目がわずかに動く。

遠く。

巫女の気配が――消えている。

神庭

「……やられたな」

拳を握る。

悔しさ。

怒り。

だが――

それ以上に。

“燃えている”。

空を見る。

神庭

「次は――」

ゆっくりと、笑う。

「オレ様が、“結果ごと”ぶった斬る」

雷は、消えていない。

哲西も、目を閉じながら呟く。

「……次は……当てる」

ボロボロの身体。

だが。

心は、折れていない。

むしろ。

今、初めて。

“本気で勝つ気になった”。

 

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