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第四十二話第一戦:赫牙 vs 桃太郎


焔が、唸る。

「天胤位・地獄界――“焔王獄”」

赤黒い空。

脈打つ大地。

空気そのものが“燃えている”。

桃太郎の足が沈む。

熱ではない。

――“支配”。

赫牙

「重ぇだろ?」

笑う。

「ここはな、全部オレのもんだ」

――ドン。

踏み込み。

ただそれだけで、地面が爆ぜる。

拳。

桃太郎、受ける。

――だが。

「ッ……!」

腕が、軋む。

骨が悲鳴を上げる。

受けたはずの衝撃が――

“遅れて”体内で炸裂する。

赫牙

「どうしたァ?」

二撃目。

三撃目。

四撃目。

重い。

重すぎる。

桃太郎、踏み込む。

反撃。

「仙術・火炎刃――斬ッ!!」

炎が閃く。

だが――

赫牙、片腕で受ける。

皮膚が裂ける。

血が滲む。

それでも――止まる。

赫牙

「軽い」

笑う。

そのまま掴む。

桃太郎の腕を――握り潰すように。

「力が、足りてねぇ」

――叩きつける。

地面が沈む。

衝撃が地形を変える。

桃太郎

「……ッ!!」

息が詰まる。

視界が揺れる。

赫牙、見下ろす。

「お前さ」

「強ぇよな」

ゆっくりと拳を振り上げる。

「でもな――」

振り下ろす。

「“この程度”なんだよ!!」

直撃。

桃太郎の身体が弾かれる。

岩壁を突き破り、さらに後方へ。

静寂。

――否。

ゴォォォ……と、

焔王獄が脈打っている。

赫牙

「立てよ」

歩く。ゆっくりと。

「つまんねぇぞ、それじゃあ」

瓦礫の中。

桃太郎、起き上がる。

腕が震える。

呼吸が荒い。

炎が――揺らいでいる。

桃太郎

「……まだだ」

赫牙

「いいねぇ」

次の瞬間。

消えた。

――違う。

“踏み込みが速すぎる”。

背後。

桃太郎、即座に反応。

振り向きざま――

「仙術・炎龍環!!」

鞭のようにしなる炎刃が、空間を薙ぐ。

だが――

空を裂くだけ。

「遅ぇ」

真横から蹴り。

桃太郎の身体が浮く。

連撃。

拳。膝。肘。

すべてが直撃する。

空中で叩き回される。

赫牙

「ここじゃな――」

拳を握る。

焔が、収束する。

「オレの“強さ”が、そのまま“理”になる」

振り抜く。

巨大な焔塊が桃太郎を飲み込む。

爆発。

――ドンッ。

地面に叩き落とされる。

煙。

沈黙。

赫牙

「……終わりか?」

その時。

煙の中。

小さな炎が――揺れる。

桃太郎が、立っている。

満身創痍。

だが。

目は、死んでいない。

桃太郎

「……確かに」

息を吐く。

「お前の方が、上だな」

赫牙

「分かってんじゃねぇか」

桃太郎、構える。

炎が、静かに灯る。

「でもよ」

一歩、踏み出す。

沈む足。

それでも――進む。

「止まる理由にはならねぇ」

赫牙

「最高だな、お前」

激突。

今度は――違う。

桃太郎の刃が、

わずかに届く。

赫牙の頬に、線。

血が流れる。

一瞬の静止。

赫牙、嗤う。

「効いたじゃねぇか」

次の瞬間。

圧が、跳ね上がる。

焔王獄が――“深化”する。

大地が沈む。

空が歪む。

桃太郎の膝が、落ちる。

赫牙

「いいぜ」

構える。

「じゃあ――もう一段上だ」

拳に集まる焔。

それは炎ではない。

“核”。

桃太郎、歯を食いしばる。

「……なら――」

踏み込む。

「仙術――極爆波!!」

接触。

“内部”に撃ち込む。

――ドォンッ!!

赫牙の体内から爆ぜる爆発。

肉が裂ける。

骨が砕ける。

一瞬、

赫牙の身体が崩壊する。

沈黙。

桃太郎

「……決めた」

だが。

――ズズッ……

崩れた肉が、

“戻る”。

再生。

それも、

“瞬時”。

赫牙、首を鳴らす。

「いい一撃だ」

笑う。

「でもな――」

胸を叩く。

「ここじゃ、死なねぇ」

桃太郎の目が見開く。

「じゃあ――これならどうだ!!」

踏み込む。

「仙術・百華閃!!」

一瞬。

百の斬撃。

空間そのものが切り裂かれる。

だが――

赫牙、動かない。

斬撃が触れた瞬間。

“逸れる”。

流れる。

滑る。

まるで、

“斬られること自体が拒絶されている”。

赫牙

「軽い」

指一本で、

最後の一閃を弾く。

桃太郎の動きが止まる。

赫牙

「理が違うんだよ」

一歩、踏み出す。

空間が歪む。

「お前の技は“強い”」

「でもな――」

拳を構える。

「オレは“それを上書きする側”だ」

振りかぶる。

その瞬間。

――空が、沈む。

別の“圧”。

王仁の気配。

赫牙

「……チッ」

舌打ち。

戦場が揺らぐ。

撤退の合図。

赫牙、肩を回す。

「続きは、次だな」

桃太郎を見下ろす。

「殺すには、惜しい」

踵を返す。

「鍛えとけ」

「次は――潰す」

焔王獄、崩壊。

世界が戻る。

桃太郎、膝をつく。

呼吸が荒い。

拳を握る。

桃太郎

「……クソ……」

悔しさ。

圧倒的な差。

だが。

炎は――消えていない。




 

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