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運命の赤い糸はなぜ見えない!  作者: のののの
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40話

馬車から降りてびっくり。

これ………お店? と言いたいくらい一軒家でした。

フツーに豪華な一軒家なんですけど。まず第一に道路からすぐ店舗ではなく、庭があるからそう感じる。

勝手に知らない人の家に入っていくみたいで緊張するな~。


教えて貰った情報によると、貴族の皆様は馬車でお出掛けするので、馬車を停める場所が必要で、貴族相手の商売だと大抵この様な庭付き一戸建て状態になるんだって。


ヒューゴさんにエスコートされて入った店内は、まるで貴金属店でした。

えぇぇぇ?! てっきり高級ファンシーショップだと思ってたのに全然違う!


他にも色々な魔具が売っていたけれど、石が大きかったり細工が凝っていたりして、まるで宝石店。


雑貨屋で一番安かった皮の袋に入れるタイプの物は、ここではロケットペンダントという形になっていた。

お花タイプの物は無く、チャームは、洗練されたデザインの物ばかり。それと、注文で好みの形や石が選べると云う物もあった。

ヒューゴさんの持ってる家紋は、注文で作ったっぽいね。

そして、時計も売っていた。うん。貴金属店ですね。

懐中時計も売っていた。これもやっぱり注文で色々作ってくれるらしい。

どうも中央学舎に入る時に、親が用意するアイテムっぽい。

高校に入学するときに、祖父が腕時計くれたのを思い出した。一緒だね。


何か一つ購入しようとして固まった。


高い!


中銀貨5枚くらいからしかないんですけど…。5万からって! さっきの雑貨屋の10倍以上の値段がついてます。


これは、買えない…。



「ヒューゴさん」

「決まりましたか?」

「いえ、あの。もう結構なので、そろそろお暇したいかなって…」


ヒューゴさんは何か考えた後

「わかりました。では馬車を回しますから、入り口で待っていて下さい」

「はい」

「では、私は店員に頼みに行ってきます」





お城に戻り、ここはヒューゴさんの私室。

ジェリックさんとエリーナさんは今日は別件のお仕事。王族と関わりある仕事らしくて、エリーナさんに付いてくるかと聞かれたけれど

王族に知られるのが嫌だったので断った。エリーナさんも、あまり会わせたくない様だったから、それで良かったんだと思う。

あと、ヒューゴさんの仕事部屋だと、人が入ってくるので、内緒にしたから駄目ってことで、初めての私室訪問~♪


「でも、ジェリックさんたち帰って来るの待ってからの方が良かったかな?」

そうヒューゴさんに言うと、

「一度試してみてから報告でもいいのではないでしょうか?」

「でも」

「大丈夫です、私も用意しておきましたので、これで試してから、マーヤさんのを使いましょう」

それならば、と、試してみる事にした。


しかし…。


「あの、私、普通の魔法が使えないんですが、私にも出来るでしょうか?」


今頃になって気が付いた。

そんな私に優しく微笑むヒューゴさん


「普通の魔力の無いお嬢さん方でもしてるのです。大丈夫だと思いますよ」

「そっか、それなら期待できそうです」

「はい。魔力の無い人が使える様にする為の魔具ですからね」


これは期待大です!


「じゃあ、一番最初に、相手の名前を書いた紙を……あ!」

「どうしました?」

「これって、フルネームで?」

「そうですね」


…ヒューゴさんの名字分かりません。 やっば~い。 心象悪~い。


よし、いい技思いついた!

取り敢えず、筆記具を用意する。でもって、カタカナで[ヒューゴ]と書く。


「あの、ヒューゴさん、これ私の使ってる字なんですが、これでもいいでしょうか?」


ヒューゴさんはびっくりした顔。

「これ、字なんですか?」

「ええ」

「あの、マーヤさんの名前はどう書くんですか?」


それで私は[マーヤ・ナリタ]と書いた。ヒューゴさんは興味深そうに繁々と見ている。

ここで、漢字とかを披露してもいいけど、脱線するので無しの方向で。

「で、ですね、ヒューゴさんの名前はこちらの字でどう書くんですか?」


ヒューゴさんは、私の名前の下に、スラスラと書いてくれた。

よっしゃ~! フルネームゲットだぜ! あ~よかった。

[ヒューゴ・ノルト]ね。書けないけど読めるのは楽だけど使えないね。


文字の意味が分からないので、模様を写すようにその下に書いて練習。

「これでいいですか?」

「はい。大丈夫ですよ、それで、相手の心が自分に向くように思いを込めて書くのです。呪文ですね」

「なるほど。はい。わかりました」


いざ、書こうとして恥ずかしくなった。え、え、そこから必要なのか~!

二人きりでよかった。いま、絶対顔赤い。ジェリックさんとかいたら、絶対からかわれる。


とにかく、ヒューゴさん、私を好きになれ~!と名前を書く。


「できました」

「はい、ではこれに」


差し出された手のひら大の皮袋。中には少し濁った白い貴力石。そこに名前を書いた紙を入れる。


「願って下さいね」


ぎゅーっと握って、ヒューゴさん、私を好きになれ~!



「あ!糸が」


出た! 黒い糸はするりとヒューゴさんに向かって伸びてゆく。しかし、それはヒューゴさんに近付いたかと思ったら


「消えちゃった…」


「やっぱり効きませんでしたか?」

「はい」


やっぱり宮廷魔術師には効かないのか。


「そっか、じゃあ増幅石を付けてパワーアップさせたら効くかな?」

「そこまでするんですか?」

「するんですよ! 聞いたんですけどね、更に貴力石を付けたり、増幅石を加えてバージョンアップのカスタマイズを財力のある女子はするらしいんですよ!」

「すごいですね」

ヒューゴさんは苦笑い。

「そこが可愛いんじゃないですか! 好きな人に一生懸命で」


一歩間違うとストーカーだけどさ。そんな考えってこの世界にはあるのかな?


「では、これでお願いします」


そう言ってヒューゴさんが出したのは、ロケットペンダント。

これって、あの『花の妖精』ってお店の。 いつ買ったの?


「いいんですか?」

「はい。是非使って下さい」


ロケットペンダントを受け取る。大きさはビー玉の2倍以上。濁る事無く透明な石。高そ~。


「名前は新しく書いた方がいいですか?」

「そうですね、その方が良いでしょう」


そうだ。念には念を入れたい。

「ヒューゴさん、これも追加出来ませんか?」

増幅石を出してみた。

ヒューゴさんは驚いた顔をしたけど、すぐに笑って、いいですよと言ってくれた。

どうやってくっ付けるのかと聞いたら、縁に飾りの様に開いている所に入れるんだって。

でも、大きさ合わないんだけど?

そこは魔法の世界。どういう訳か綺麗に収まる。あはは何でもアリだ!

でも1個しか付いてないの何かバランス悪い。ので、もう一個お願いする。

ヒューゴさんは苦笑したあと、それも魔法で綺麗に付けてくれた。


「結構強力になりましたね!これなら効くかな?」

「う~ん、どうでしょう?」

「これでも微妙ですか?」

「よく分からないですが」

「んじゃ、念には念をいれて!」


私は自分作成の1.5割石を2つ出した。


「どうしてそんなに沢山持ってるんですか?」


う。不味かった? でも鉱山を見つけましたってウソもエリーナさん経由でバレそうな気がするので


「秘密です!」


そう誤魔化した!

ヒューゴさんは、じっと私の顔を見つめる。私もじっと見つめるしか出来ない。

ウソはつきたくないから、ここで下がってもらうしかない。


やがて、ヒューゴさんは


「負けましたよ、秘密が多い所も貴方の魅力の内です」

「ありがとう」


折れてくれて、増幅石を付けてくれた。


ありがとう。優しいヒューゴさん大好き。私を好きになって。


そう気持ちを込めて、名前を書き、ロケットに入れて、念じた。




黒い糸はするりと伸びて、ヒューゴさんの体に巻き付いた。




「あ!」



「うわっ」



ど、ど、どうなるの?!




「ヒューゴさん、糸、巻き付きましたよ! どんな感じですか?!」



「あ…」



ヒューゴさんは目が会ったら、少し照れた顔。

なんか可愛いんですけど…。


「そうですね、マーヤさんの事が、少し気になりますね」


「それは、おまじないが効いてるって事ですね!」


「ですね。何か、照れますね」


「照れますか?」


「はい」


なんだ、この会話。思わず笑ったら、ヒューゴさんもつられて笑う。

それが、すっごく可愛い。何これ。こっちにもおまじない来るの?

その笑顔に見惚れてたら、唇に柔らかい感触。


「すみません、笑顔があんまり可愛くて」


「え」



またしても、柔らかい感触。今度はチュッて音付。


「ふふふ。可愛い」




え、え、え?



ちょ、これヤバイ!



私はまだ繋がってる糸を思いっ切り手刀でスパーン! と切り、慌てて糸を巻き取った。


ゼーハーゼーハー…



「どうですか?」




「……すみませんでした」


「こちらこそすみません。調子に乗りました」



もう、恥ずかしくって、ヒューゴさんの顔見れない。


バカ。


もう、私のバカ!



ここの設定がよく分らず四苦八苦。

どうして作者の名前から作者マイページに行けないんでしょうか…ねぇ(+_+)


アドバイスのメールありがとうございます。

理由が分かってスッキリしました。

ちょっと後悔するトコロもできましたが、分かってよかった。

ありがとうございました。

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