34話
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ありがとうございます。
ちょっと、びっくりして他に何も言えません…。
その後、何事もなく王都に戻れた…んだけど。
お城に入る前に、誰かに呼ばれたような…。
「マーヤ!」
前の席の二人じゃないから、外だ!
私、知り合いあんまり居ないんだけど…と、外を見てみたら。
あ!
冒険者さん!
…ヤバイ。名前忘れた。何てったっけ。
誤魔化す為に笑顔で手を振る!
そして、エリーナさんをつっついて、注意を促す!
エリーナさんが名前覚えてますように~!
私の肩越しに覗き込んだエリーナさんが
「あら、デンディール」
!!!!!
よっしゃ~~~!!!
騎士さん達に追い払われそうになっていたので
「知り合いなんです!」と、止めて貰ったら、大分徐行していたのか馬車がすぐに止まって、デンディールさんが乗り込んできた。
「君、不作法だね。乗り込んで来るとか無いよ」
珍しくジェリックさんが怖い。
「無事さえ確認出来たらいいです」
「窓から見えただろ?無事だよ」
「顔だけ確認出来ても駄目なんですよ。もしかしたら縛られてるかもしれないですし」
「私がついていてそんな事ある訳ないがね」
「そうでしょうか?」
「何が言いたいんだね?」
「マーヤに付けていた魔具の魔力が解放された事を確認しているんです。危険な目にあっているという事ではないのでしょうか?」
「ふうん。君があのお守りの男か」
なんでしょう。馬車の中の雰囲気が物凄く悪いです。
というか、男の人が睨み合ってる様子って、怖いものなのね。
ヒューゴさんも、口は出さないけど、怖い感じになってるし。
エリーナさんは…何でこの状況で、ひとり楽しそうなんですか~~!
「デンディール、私が招待するわ。夕食でも一緒にいかが?」
「エリーナさん?」
「エリーナ…余計な事は「うるさい。私に口出しないでちょうだい。いいからデンディール。夕食に招待するわ。6時にいらして。服装も整えてきて頂戴」
「…わかりました」
「無礼な真似をして失礼しました」
そう言うと、ディンデールさんは馬車から降りて行った。
馬車はまた走り出し、私達は無事に、城に着くことができました。
しかし、馬車から降りようとして、差し出された手を掴んだら、そのまま握られ、あっという間にヒューゴさんの部屋…ここは私室では無く、仕事の部屋っぽい所。に連れていかれました。
こういうのって、配慮? いきなり私室だとちょっと身構えちゃうもんね。
長椅子に座らされ、隣にヒューゴさん。
だがしかし。何があったのだろう…と考える。
食事の時にニンジンみたいな食材を食感が嫌だからさりげなくヒューゴさんの器に入れた事を怒られるのだろうか? それとも、膝カックンが悪かったのか。最近よく手を繋ぐけれど、手汗が酷いという苦情なのか…。色々反省してみたんだけど、全部違った。
「マーヤさん、あのブローチのことについて教えて頂けませんか?」
だった。
は~。ビビった。苦情じゃなくて良かった。
ヒューゴさんは私の手を両手で包むようにして、神妙な顔をして私を見つめている。
なんかそれが捨てられた子犬の様で…うわ、やばい。キューンとしちゃった。
背の高い大人の男の人捕まえて何だけど、きゃわう~~~い!!
母性本能刺激されちゃった~! やっば! 頭なでなでしたい! 青い髪ってどんな感触なんですか~!
…あかん。これ以上興奮すると鼻血吹くかもしれないので自重しなければ。
それで私は、ここに来る途中であったデンディールさんの事。ブローチの事、お守りの意味は全く知らなかった事を話した。
「あれ?」
「どうかしましたか?」
「どうしてデンディールさんが来たんだろう」
なんか危険な目にあっていたことを知ってる口ぶりだったし。
「昨日師匠が言っていた、何かしら魔法を行ってから相手にブローチを渡すと言っていたので、それではないでしょうか?」
「危険があった事を知らせる?」
「そうですね。自分の知らない所で恋人が危険な目にあっていたら心配ですからね」
「そっか。そんな魔法があるんですね」
「そうですね。そこそこ魔力が無いと出来ませんけどね」
これ、本当に恋人を守るお守りなんだね。恋人の危険を知らせるとか…。ん?
「もしかして、これ、相手の場所もある程度分かるようになってるとか?!」
だって、危険が分かったら、助けに行きたいし。そうなると場所が分からないとダメだよね。
「そうですね、多分そんな魔法も込められているでしょうね」
「GPS付きかYO!」
「じーぴー?」
「あっ気にしないで!何ともないの。えっと、ほんとに恋人を守るお守りなんだね~って。あははは」
「マーヤさんは」
「は、はい!」
「彼の貴方を守りたいという気持ちに気付いて、彼の事に興味が湧きませんか?」
「え?」
「彼の事、気になったりしませんか?」
……。下手するとストーカー一歩手前な気がして気になるといえば、気になるけれど。
それを言ってはいけない気がした。
「いえ、あんまり…」
「本当ですか?」
ヒューゴさん、なんか妙な迫力があるんですが…。
「えっと、はい。あんまり」
「あんまり?」
「え…」
「それって少しは好きになるって事ですか?}
「は?」
好きになる?……う~ん。
「そんな気ないかも」
「本当に?」
「本当です」
「実は、という事ではなく?」
「はい」
「信じていいですか?」
「うん」
「後からは無しですよ?」
「ありませんよ。だって」
「だって?」
「さっき…名前忘れてて」
そう言ったら、爆笑していた。大笑いするヒューゴさん初めて見た。
「あの!失礼だから、誰にも言わないで下さいね!」
「それは、二人だけの秘密…ですか?」
「うん、そう!二人だけの秘密!」
「いいですよ?貴方と秘密の共有なんて、幸せです」
あの…ヒューゴさん、何か違いませんか? その言い方、その微笑み…。
エリーナさんの口調を一部訂正。




