26話
「入団は3時からだから、ゆっくり食べていいよ」
そう言われたけれど、見つめられて、なんだか落ち着かない。
それに、ちょっと気になる事が。
「他にも入団する人がいるんですか?」
「ああ。あと7人、今年は入る。女の子は君を入れて二人だ。よかったな」
フリーリアちゃんが喜ぶ。私の分かってない顔を察してか、ヒューゴさんが説明をしてくれた。
「今年は割と人数が多い方だ。あと、同期に女子が居ることは、少ないな。
団全体をみても、女性は一割程しかいない、だから、同期がいるというのは心強い」
「女性の魔術師は少ないんですか?」
「魔術師になる者は少ないな」
「あのね、普通だと魔力のある女の子は、早く結婚しちゃうから魔術師にはならないの」
あ、魔力があるとモテるんだっけ。
そうすると、田舎だったら取り合いの末、即刻結婚だろうね。そうだろうね。アハハいいな~。
ん?でもそうするとフリーリアちゃんは?
可愛いし、魔力があるからすぐに結婚できそうだけど?
「あのね、私はね、割と裕福な商家の子供でね、学校に通えて、そこで魔術をもっと勉強したくなったの。
次女だったので、弟子入りすることに親も反対しなかったから。
そうなると結婚して家庭に入るのは急がなくても良いような気がして」
「宮廷魔術師になったら一人でも生きていけますしね」
「なるほど~」
女性の社会進出はあまり進んでないんだね。
そりゃ魔獣がウロウロしてる道を通って営業活動なんて出来る訳ないし、それよりも家庭や村の中で仕事が
あるだろう。
……、
私、こっちの世界で生まれていたら!!!
モテモテだったのにぃぃぃ~~!
あ、でも、魔獣がウロウロしてる世界は嫌だな~。
マンガもゲームも無いのも嫌かも。ネットも無いし!!
究極の選択だな!
それに、私の魔術、かなり怪しいから実感動物対象だったんじゃない?
監禁とかされたら嫌だし…やっぱ元の世界でいいや!
モテは捨てた! 萌えよ!萌え万歳!
やっぱり元の世界が一番と考え直して、昼食を食べた。
こっそり入団式を見ようと、隅っこに居て知った驚愕の事実!
エリーナさん、税金納めてないから肉体労働とかウソでした!
あの5人の魔術師、この国の超エリートだったんだって!!!
あの魔壁を維持してる事によって、色々免除してもらってるみないなんですってよ!奥様!(主婦井戸端会議風)
フリーリアちゃんもエリートですわよ!あのゴードンさんの弟子なんだから特別待遇っぽいわ!
魔力も、今回入団する中で一番あるんですって!すごいわね~!
言われて考えてみたら特別待遇でしたね。アハハハ。
普通の入団は、師匠ついて来ない場合もあったり、付いてきたって、団長に挨拶とか無いらしいわね。
もちろん自分の師匠が入団式のエライさんの席に居るなんて事は無いわね。アハハ。乾いた笑いしか出ないわ。
なんで、こんな情報を掴めたかと申しますと、入団式は、魔術師だけでなく、騎士も一緒に行なわれたからなのです。
広い屋外会場に、入団生と、師匠や家族が集まっているので、色々な話が聞けたという事ですね。
私がこっそり紛れていても平気な訳が分かりました。
騎士の方は100名くらいいるんでしょうね。
そしてゴードンさんは、その容姿と魔力で奥様方の視線を釘付けにしておられました。
ええ、えぇ、いい男ですね、あと10年若かったらですか、そうですか。
旦那が死んでくれたらって、そこまで言いますか。
すいません団長さんの話より、奥様方の話の方が面白くて有益な情報でした。
でも、私はゴードンさんよりヒューゴさん派に一票です!




