25話
「お茶でもお淹れしましょう。こちらへどうぞ」
魔術師達が何やら話しているのを眺めていた私に、制服のイケメンが話しかけてきた。
まぁ、する事無いし、お言葉に甘えてしまいましょう。
「あ、はい。ありがとうございます」
「ではこちらに」
案内された場所は、最初の部屋だった。
一人掛けの上品な装飾のある椅子に座って待っていると、制服の若い人がお茶を持ってきた。
一口飲むと、花の様な香りがする。
「おいしい」
「それはよかった。ウチのロンソン副団長がお茶に煩くてね。ここに入ると最初に鍛えられるんだよ」
「面白いですね、あなたも鍛えられたんですか?」
「洩れなくね。あと、私の名前はヒューゴです。ヒューゴ・ノルト。
ヒューゴと呼んで下さい」
「あ、はい。私はマーヤ、ナリタです。よろしくお願いします。ヒューゴさん」
「こちらこそよろしくお願いします」
そう言って、微笑んだヒューゴさんは綺麗だった。
ヒューゴさんは青い髪で、明るい緑色の目。その瞳の色がとても綺麗で、思わず見惚れてしまう。
派手じゃなくて、すっきりとしたイケメン。
なんていうの?シンプルなパーツが絶妙のバランスで配置されていて、なんだかつい見ちゃうのよ。
謎の吸引力…。
手は大きくてカップが小さく見える。でもごつくなくて。あ、指長いなぁ。
指先もお手入れしてるみたいで綺麗。爪も大きいね。
甲に筋張ってるところなんかイイね。なんていうか好みの手!
ふと、視線を顔に戻したら、目が会った。
ほんと、目の色綺麗だな~~。
じゃなくて!
もしかして、私も観察されてた?
うぅ、イケメンに見つめられるの恥ずかしい。顔が熱いよ~。絶対真っ赤になってる。
思わず、お茶に視線を戻す。
何か!
何か話題を!
「あ、あの!」
「はい。なんでしょうか?」
「そういえば、ジェリックさんとはお知り合いなんでしょうか」
さっき訓練場で見知った仲っぽかった事を思い出した。
フィ~。ナイス話題!
「あぁ、私は彼の弟子だったんですよ」
「えぇ?!」
「10年前までは一緒に生活していましたからね」
「あの…あのテンションというか、普段の様子もあんな感じなんですか?」
思わず気になっていた事を聞いてしまった。
あんなのと一日中一緒とか大変なんじゃないんだろうか。
私の質問に、ヒューゴさんはブハッと噴き出した。
そして、クククと笑いながら
「えぇ、四六時中あんな感じですよ」
「うわぁ~」
ヒューゴさんは大笑いだ。
う~む。笑っても美形。
「大変じゃないですか?」
「大変だったけど、慣れですね。…慣れざるを得ないというか」
「……心中お察し申し上げます」
「でも、いいこともあるんですよ?」
「え、あれが役に立つんですか?」
「ええ。お蔭で私は魔術師団に入った時、上司のあしらいが上手いと仲間から褒められましたね」
「うわぁ~。鍛えられましたね」
「ええ、忍耐力と、予測不能な事態において冷静に対処出来るようになり、出世も早い方ですよ」
「それは…おめでとうございます?」
「ハハハ。ありがとうございます」
えぇ人や!
なんかええひとやでこの人!
ジェリックさんのトンデモ話を聞いていたら、皆が戻ってきた。
あ~あ。楽しいひと時終了です。
魔術師の仕事は他にもあるらしく、一月はこの王城に住むらしく、皆それぞれ部屋を持っているようだった。
かなり魔力を使用した今回の魔力壁の強化の後は、一日休んで
次の日は、ここから北に少し行った所にある遺跡の方へ行くらしい。結構忙しそう。
ロイドさんとビリー君、ニアシトさんとハーストさんは部屋に行ってしまった。
私は、ゴードンさんの弟子のフリーリアちゃんが入団するのを見たいと言ったら、許可が下りたので
見学に行くことにした。
エリーナさんはジェリックさんと話でもしてるといいのだ!
エリーナさんの部屋は、ヒューゴさんが連れてってくれるという事で、私は安心して
フリーリアちゃん達に付いていくことにした。
通されたのは団長室。
なんつうか、立派な社長室。家具が高そうです!
ゴードンさんが団長さんに色々頼む旨の話をして、承諾して、詳しい話はヒューゴさんから聞けだった。
ゴードンさんとフリーリアちゃんはここでお別れ。
いつでも会えるって云うけれど、寂しくなるよね。
そんなフリーリアちゃんを宥めるように抱きしめるゴードンさん。
美形同士だから絵になるわ~。頭なでなでしてるの微笑ましい。
うぅ。私ももらい泣きしそうになってしまった。
でもまだ一ヶ月はゴードンさんも王城にいるんだから、慣らしていくのならいい機会なんだろうね。
フリーリアちゃんとヒューゴさんに付いていくと、そこは食堂でした。
「取り敢えず、昼食を食べて、それからだよ」
そういえば、そうだった。もう1時まわってる。途端にお腹がギュ~と鳴る。
9時頃お城に来てから、なんて濃い時間だったんだ!
「好きな物選んでいいから」
と、言われたけど、メニューがよく分からない私は、おばちゃんお薦めランチにした。
お~~いすぃ~~~!!
この世界、食べ物、ホント美味しいわ~。と感動してたら、向かいに座ったヒューゴさんの視線を感じた。
……。美形の微笑み、ハンパねぇ!
時が止められる威力があるんじゃない?!一瞬心臓止まりかけたよ!
それに、なんか、見つめられて、尻がこそばゆい!
あの…。
その…。
おちつきません!




