23話
魔法……
怖い!
訓練場という野球場2つくらい入りそうな場所に連れてこられたんですが。
元旦那が
「んじゃ、俺が、かんっぺきガード張ってやるから。ガンガンぶっ放せ!」
などと恐ろしく、嫌な予感しかしない事を言ったら…。
ドッゴォ!
と、火柱が上がったり、
ドッカ~ン!!
と、氷の塊が降ってきたり。
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
死ぬ!
こんなん当たったら死ぬ!絶対!
「どぉ~?」
「こわい~~~~!!」
場違いなほど呑気な質問してくるエリーナさんに少し殺意が湧きました。
「ちょっとジェリック!マーヤは初心者なんだから手加減してやってよね!
まったく、女の子にはもっと優しくしなきゃダメじゃない」
え…そんな次元の問題なんですか?
しかし、怖がって見れない事から、大人し目の技に変更になったので、助かった。
でも、やっぱり怖~~~~!!
ので、少しずつ壁際に後退していたら、誰かにぶつかってしまった。
「ごめんなさい」
振り向くと、青い髪のイケメン。………誰ですか?
「いえ、大丈夫ですか?」
そう言って倒れそうになった私を支えてくれる。
「ありがとうございます」
「いえ。こちらこそ失礼しました」
軽く礼をして、その人はエライ人の方へ。
「ウインスター団長、ロンソン副団長がお呼びです」
「分かった。…じゃあノルト君、君後頼む」
「分かりました」
エライ人交代の様です。
「おぉ~ヒューゴ。元気だったか?」
どうやら元旦那の知り合いの様です。
「師匠お久し振りです」
弟子でした。アレにも弟子いたんだね…。
何やら説明始まりました。
どうやら面倒になってきたので、弟子に魔術を使わせる方向になりそうです。
そんな中。
「それは、面白そうなんですけど、その触れる事は出来るんでしょうか」
ヲイ。
新たな実験を思いつかないで頂きたい。途端にみんなの目がキラ~ン☆と光ったぞ!
「ちょ!私に掛けられるのは嫌です!」
「分かった。じゃあ、ヒューゴに掛けよう!」
よし!言い出しっぺの法則だ。
「じゃあ、ヒューゴに静止の術掛けるから触ってみて」
「はい」
元旦那の手から伸びた線に触ってみる。…私まで静止に掛ったら嫌だな~と思ったけど、女は度胸!
ピリリと軽く痺れる様な感触がしたけど、それは触った一瞬だけで、掴んでしまったら何もない。
両手で触ってみる。
『線』っていうより『糸』みたい。
「どうだ?」
「触れます。なんか糸みたいです」
「ふうん。面白いな」
引っ張ってみた。…伸びる。 面白い!
私はその糸を、ぐいっと引っ張って、私の隣に立つロイドさんに巻きつけてみた。
「うぉ?!何した?!」
「糸を引っ張って、ロイドさんに巻きつけてみました」
「俺まで静止が掛ったぞ!」
「何?!」
「へぇ~」
「面白いな」
盛り上がりをみせてます。更に引っ張ってインテリ風なニアシトさんに巻きつけてみる。
「うわぁ」
静止に掛ったみたい。面白い!人様の魔術を使って私も魔術師気分です!
誰か他の人も…と周りを見渡して目が会った中世的美形ゴードンさん(名前は男臭いな!)
思いっきり嫌な顔されたので、標的に決定!
「ま、まって!」
「はい?」
「マーヤ、じゃあ、これ、切る事とかは出来ないの?!」
…ほう。逃げる為とはいえ、面白い事提案された。
「どうなんだろ?試しにやってみます」
取り敢えず、引っ張ってみる。
「……切れないですね」
「魔力を込めてみたら?」
あのね。
私は魔術師の弟子にしてもらえて、魔力もあるのに、魔術が使えないんですよ?
でも、気合を込めてみたらどうだろう。ふと、そう思い、やってみる。
空手の手刀で、包丁で叩き切るイメージで…
「えい!」
ぷつ。
「あ」
「お」
「おぉ!」
「切れた!」
「面白いねぇ」
元旦那がなんか嫌な笑顔。
他の人も考え込んでる。
「ど、どうかしましたか?」
エリーナさんが、苦笑いで
「ん。凄い事やられたから、ビックリなのよ。
こうも簡単にジェリックが掛けた魔術を破られるなんて、見た事ないし
それが想像もつかない形でやられちゃうんだから。信じられないというか、何というか」
「はぁ…」
「使い方によっちゃぁ、最強だな」
「切り札になるかもしれないので、内密にしておく必要があるのでは?」
「それもそうだな」
なんか皆でブツブツ考え込んでるし…。ちょっと置いてけぼり気分。
そんな中、元旦那が私の方へやってきて、頭をぐしゃりとかき回す。
「ちょ、止めてください」
「お嬢ちゃん、面白いねぇ」
私の顔を覗き込み、ニヤリとわらう。なんですか、その凄みは。
ちょっと怖いじゃないですか。
「なぁ、俺と結婚しない?」
は?




