18話
夕方、王都の門をくぐる時。
『ベルロッド』って書いてあった。
エリーナさんに聞いたら
「あ~。この国はベルロッド王国って云うの。で、王都はベルロッド。
王様の名前はアルベール・ウォル・なんたらかんたら・ベルロッド」
「なんたらかんたらって…」
「王族の名前は長いのよね~。それに秘密の名前もあるし。最初と最後さえ覚えておけばいいのよ~。
まあ、最後は決まってるから覚える必要もないか~あははは~」
という事だった。確かに私も覚えられそうにないから、深く追及はしないでおく。
200年生きてても必要なさそうだし。だったら要らないよね。
最後の夕飯も、やっぱりいつものメンバーだった。
この旅ですっかり仲良くなったので、明日から会えなくなるのかと思うと少し寂しい。
お風呂で体を洗い部屋に戻ると
「あら?今夜はもっと遅いかと思ったわ」
と聞かれた。
「は?なんで?」
意味が分からずにいると、マーヤさんは少し考えると、
「デンディールと話をしなきゃいけないんじゃないの?」
「え?どうしてデンディールさんと??」
「ねぇマーヤ、あなた今後の事、どう考えてる?」
なにやら深刻な話になりそうなので、私はエリーナさんの反対のベッドに腰掛けた。
「どうもこうも、エリーナさんとお城に行って、帰ってから自分の世界に戻るつもりですけど」
「じゃあ、デンディールの事はどうするの?」
「は?デンディールさんが何か関係あるんですか?」
「は?」
「へ?」
「へ?じゃないわよ…。あなたデンディールとあんなに仲良くなっておいてどうするのよ」
「はぁ?」
「どうなってるの?もしかしたら、デンディールからプロポーズでもされたらどうするの?」
「は?なんで!どうしてプロポーズされるんですか!」
「だって、あんなにも熱心に話を聞くし」
え~~~~。どゆこと?
「だって、異世界の話は面白いから聞き入ってしまうんですけど?」
「あんなに見詰めあったり、くっついたりしてるし」
「見詰めあってません!くっついてません!というか、あ~~~~!!」
「どうしたの?」
「あれ、やっぱりくっ付いてきてたのか!変だな~と思ったけど、こっち流なのかと思ってた」
「あのね…」
いや~皆彫深くて外人みたいだし、スキンシップ過多でも、そんなもんかと思ってた。
しかも、セクハラオヤジの様に露骨では無く、さりげな~くエスコートしてるっぽくなので
その距離感に、「?」とは思うけれど、これが普通だったら慣れなきゃいけないな~とか思ってた。
心の中で、「ただしイケメンに限る!」って恐ろしい呪文だな~なんて考えてたけどさ。
「イケメン補正」怖いね~。人種が違うのも感覚狂うから怖いね~。
しかし!!もしかして私モテてた??
モテた事無いから分かんなかった!! あははは。
なんだろう。モテ女になる為には、何かスキル要るね!これ!
さっぱり分かんないって終わってるね!
こうなったら、この世界の常識も含めて聞いておかねばなるまい!!
「あの…この世界って、仲良く会話しただけでプロポーズになっちゃうんですか?!」
エリーナさんは、はぁ~と溜息をつくと、この世界での恋愛事情を教えてくれた。
それによると、容姿の美醜でもモテるモテないはあるけれど、魔力がある人はモテるらしいのだ。
魔力のある人は強い。安全な世界ではないので、人は本能的に強いものを求めてしまう所があり
強い魔力というのはそれだけで魅力なんだって。
なんだそれ。「君といると何故か安心するよ」ってのが実際生命レベルで本能発動中なのかYO!
という訳で、魔力のある私は人から好意を寄せられやすいそうな。
なんだろう。これでモテても全然嬉しくない気がします!
で、さっきまで私が、日本での相手の顔を見て熱心に話を聞いていた行動や、優しい対応も
相手に好意を示している行動にみえるらしく、あと、私の長風呂が、どうやらエリーナさんには
デンディールの所でいちゃこらしてるのではないかと思われていたみたいで。
ちょっとまって!
そんなスキルないって!
あったら人生変わってるって!
という訳で、もしかしてデンディールと結婚する気なの?と思われていたらしい!
なんてこった!!!




