16話
私の隣に座った、金髪ロンゲが言った。
「僕の名前はエンディー・プロケッタ。エンディーって呼んでね。
で、こいつはデンディール。愛想悪いけど女の人は大好きだから安心して♪」
「………あのな…」
えっと…。何を安心したらいいんですか。
突っ込むべき所でしょうか。
「あっはっは。逆に安心できないけど、よろしくね~」
おぉ~さすがエリーナさん。上手く躱した~!カメの甲より歳の功!…失礼。
「んじゃ、心置きなく警戒させて頂きます。よろしくです」
それに乗っかる形で、無難に挨拶をする。
「俺よりこいつの方が性質悪いから重々警戒してくれ」
「ちょ、そんな事言ったら駄目。で、そちらは?」
「エリーナ・スタミンよ。男よりエールの方が好きだわ~」
「ありゃ、残念。君は?」
「マーヤ・ナリタです。私は…食事の方が興味あるかな?」
「そっか~。なかなか釣れないお嬢様達だね」
「お前も懲りて、大人しく飯食ってろ」
「え~~。こんな美女二人もいるのに勿体ない。だからデイルは「俺の事はいいだろ!」
エンディーさんが場を和ませてくれて、最初は緊張していたけれど
楽しく食事が出来た。
どうやらエンディーさんはエリーナさんをお気に召した様で、積極的にアピッていたけれど
それに対してエリーナさんが上手く躱す…というより叩き切っていたのが、掛け合い漫才みたいで面白かった。
彼等はしつこくなく、極めて紳士的に別れ、私たちは安心して宿の部屋に戻れた。
「なんか面白かった~」
「そう?」
「流石エリーナさんモテモテですね~」
「マーヤだってモテてたじゃない?」
「どこが!エリーナさんでしょ、モテてたの」
「あら~?デンディールはマーヤばっかり見つめてたわよ」
「え~~~~?」
そんな事あったっけ?さっぱり分からん!ので話題すり替えの術!
「そ、そういえば~。エンディーさんもエリーナさんみたく黄色い線出してましたね~」
「はぁ~?……フフフ。いいわよ。で、それいつの事?」
話題すり替えに気が付いたけど付き合ってくれたエリーナさんに、途中で起こったゴブリンの戦闘の話をした。
「あ、あ~。そうね、魔術で足止めしてたわね」
そう言って、エリーナさんは少し考え込んで
「もしかしてマーヤ、あなた魔術が見えてるのかもしれないわね」
「魔術が見える?」
「えぇ。あなたが手から銀の線がビシュっと出た話や、私の手から黄色い線が出てる事を言ったわね」
「はい。しました」
「それ、私は見えてないけど、魔力を使ったのは感じたし、魔力を使っていたわ」
「はぁ」
「だから、もしかしたら、あなたは魔力をその線みたいなものとして見ているじゃないかと思うのよ」
「なるほど…」
あ、でも!
「でも、前にエリーナさんが火の玉出してる時は見えてませんでしたよ?」
「初めて線を出した時に、覚醒でもして見えるようになったんじゃないかなと思うんだけど」
「そ、そっか。…でも、これ、全く役に立たない能力ですよね」
うう。ちょっと魔法が使える様になって、チート来た?!とか喜んだのが馬鹿らしい…。
魔法だって、線が出るだけで、他全く使えないんだもん。
でもエリーナさんが
「そんなこと無いんじゃない?結構凄いと思うけど」
って言ってくれたのが少し救いでした。




