表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/89

77 ハードモードはお断り

現実パート長くなってしまい申し訳ない!

2人がかりで悠里のマッサージをしていると、いとも簡単に彼女は寝落ちしてしまった。

品の良い寝息をたてて、かなりリラックス出来たのは間違いないと思う。


いつも通りお姫様抱っこしてベッドに運ぶと、桜子がちょっとモジモジと。



何この子。カワイイんだけど。



「もしかしてなんだけど・・・私が寝落ちしちゃった時もあんな風に運んでるの・・・?」


「――?うん、そうだよ?」


そういえば桜子が寝落ちするのはそう珍しい事ではないけど、いつも私の家くらいでしかならないもんね。となれば、当然ながら基本的に2人っきりの時になるわけで。

他に目撃者もいないから意識が無くなっている桜子は、どうやって自身がベッドまで運ばれているのか知らなかったって事になるか。


もしかして悠里がお姫様抱っこされているの見て、普段自分もされているのかと思ったら恥ずかしくなったとか?


そう聞いてみたら案の定そうだったみたい。


「せいぜいおんぶとかかなって・・・。見た目より力持ちなのは知ってるけど、まさか、いとも簡単に抱えられるとは思ってなかったし。この歳でお姫様抱っこなんて・・・さすがにちょっと照れくさいじゃない?」


「そう?さっきも悠里に言ったけど、君達は見た目よりも若々しいしアリじゃない?っていうか、誰に見られてる訳でも無いじゃんか」


「そういう問題じゃないの!・・・もうホントにアナタってば・・・」



呆れ、というか諦めというか・・・、そんな顔で見てくる割に私の肩に寄りかかる彼女。

とりあえず本当に怒ってるとか呆れているってわけでは無さそう?


そうとなれば、ここからは桜子甘やかしタイムの発動ですね?

ちゃっかり彼女の手を取って、手のひらをもみもみ。


これが地味に気持ち良いマッサージで、ふわっと軽くなる感じが結構癖になるのよな。デスクワークの人はもちろんだけど、普段車やバイクの運転をよくする人にもおススメ。

冷え性持ちの多い女性ももちろんね。手がポカポカするだけでだいぶ気分も変わるから。



桜子は特に冷え性とかでは無いけど、肩とか首まわりやフットマッサージよりも、この手のひらもみもみするのを好んでいる。特別疲れている時は別として。

基本的に手フェチらしいし。


彼女は昔よく学校とかで友人達の手を取ってすぐ繋いで、相手をドギマギさせてた魔性の女だった。

おかげで一時期クラスでハンドクリームが必需品っていうブームになったりしてたっけ。皆いつ桜子に触られても良いようにって、すっごい手入れ頑張ってたらしいよ。


おかげでハンドケアとかに気を遣うようになった男子が「俺の手が好きだって言ってくれた子がいて、彼女が出来たー!」って桜子にものすごい勢いで感謝を述べに来たりした事もあった。その事が一番のきっかけで一大ブームになったんだけど。



しばらく桜子の手をマッサージしていると、体から段々と力が抜けてほぼ全体重が私に乗っかってくる。彼女が愛用しているヘアオイルの香りが心地よくて、私までリラックスする感じ。


少し体勢を変えて、後ろから抱きしめるような状態にして首や肩のマッサージに移ると、ちょっと色っぽいため息を吐く桜子。たまに悠里から「間違っても他の人の前でそんな声や仕草しちゃダメよ!」って注意されるほど、桜子のリラックスした仕草は色っぽい。


どちらかといえば和風美人だから、修学旅行の時に浴衣姿でいつも通りマッサージしていた時はさすがに私もちょっとドキっとしたよ。


なんで浴衣ってあんなに妖艶に見えるんだろうね?



・・・いや、桜子だけか?

他の人はそうでもなかったもんな。たぶん桜子と浴衣の相性が良過ぎたんだな。


逆に悠里はドレス姿が異常なほど似合うし。

その時は桜子が悠里に「ワイングラスを拭う仕草ってこんなに煽情的だったかしら?」って疑問を持つほどだったっけ。




ほどなくして桜子が寝落ち寸前の状態になってきたので、マッサージは終了。

つい先程抱っこされるのは恥ずかしいと言っていたけれど、もう眠気でフラフラな彼女を問答無用で抱きかかえてベッドへ運ぶ。

既に夢の中へダイブしている悠里を起こさないように、そっと布団を掛け直してひと段落。


マッサージに夢中になっていたせいでお風呂に入れていなかったので、ササッと素早く終わらせた。

お風呂から上がってきて少し作業を詰めておこうとPCと向き合っていると、段々と目が疲れて来て私も眠気に勝てなくなってきた。若い頃は一日ぶっ通しで出来た作業もこの歳になると難しくなってくるって事かな。


・・・いや、つい最近まで徹夜作業でガンガン作業してたわ。だからこそ今こうしてゆるい生活出来てるんだった。

あれだ、プレッシャーの有無の違いだな。


そうとなれば無理して仕上げる必要も無いんだから、今日はもう寝よう。

ちょっとだけゲームしたい欲があるけど、明日に持越しだ。もし早起き出来たら朝一でやっても良いし。


そう自分に言い聞かせてソファに横になる。

いざ横になってしまえばストンと夢の中へと落ちていった。






朝になって意識が浮上すると共に刺激されたのは嗅覚。

コーヒーの香りが漂っている事に気付いたけど、何となく目は閉じたまま脳が覚醒するのをじっと待っていると今度はお腹のあたりに重みを感じた。

おそらく悠里か桜子がソファ下に座って私に寄りかかっているんだろうけど、まだ目を開けることが出来ない。とはいえ、頭はもうしっかり動き始めているので手さぐりでお腹の上にある物体を撫でる。


手のひらの感触だけで楽しんでいると、撫でる動作が邪魔になったのか腕ごと取られて拘束されてしまった。



うん、この柔らかい感触は桜子だね。


いや、匂いでホントは気付いてたけどさ。



「そろそろ起きる?」


「ん~・・・、起きる。あ~、カフェオレ飲みたいかも」


「んふふ、わかった。用意しとくから、顔洗って来て?」


「ん、ありがと」



起きると決めればササッと行動するに限る。変にグダっちゃうと、もうしばらく動けなくなるから。


洗面所に行くとお風呂場からシャワーの音がするから、悠里もとっくに起きていたみたい。

桜子は今日は仕事無いって言ってたけど、悠里の予定を聞くのは忘れてた。昨日は挨拶周りって言ってたけど、シャワー浴びてるって事は今日も行くのかな?



顔を洗い終わってキッチンへ向かうと、桜子がしっかりカフェオレを用意してくれていた。


「ありがと、桜。今日はどうするの?ゆっくりするの?」


「さっき悠ちゃんと話してたけど、ショッピングに行こうかって。久々に長期間居られるから色々見て回りたいみたいよ?」


「おぉう・・・。仕事は無いんだね。でも、回るって言うからにはハードモード確定だ。そんじゃ後で荷物持ち必要になったら連絡してー。ゲームしながら待ってるから」


「もう・・・、そこで一緒に行くって選択肢は出てこないの?」


「せめてハードモードじゃなければ考えたけど・・・。絶対夕方までかかるでしょ?それはゴメンだぁー」


「まったく・・・。そう言っていっつも付き合ってくれないんだから・・・」



そうは言っても、女性のショッピングはただでさえ時間が掛かるしねぇ・・・。この2人もことショッピング(特にファッション関係)となれば例外ではないから、平気で半日使ってお店めぐりとかしちゃうタイプ。


残念ながら、私は基本的に悩まず即決断派。

ブランドにこだわりとかもほとんど無いし、お店の滞在時間は長くても10分くらい。そして基本はしごしない。シャツを買いに行ったらシャツだけ買って帰るし、パンツを買いに行ったらパンツだけ買って帰る。

もちろん、たまには衝動買いとかもするけど。



それに比べ、彼女達は全身コーディネート3種類くらいの量を一気に買ったりする強者。

セールの時期とかだと結構えげつない量になったりする。これがハードモード。


それもポンポン進めばまだ良いけど、1店舗につき30分くらいかけて吟味するのは当たり前だからなぁ。

結局彼女達が満足するのは何時間もお店を巡ってから。



それに付き合うのはちょっと・・・。


これがどっちか1人ならまだ良かった。でも、2人揃うと・・・ね?

私完全に蚊帳の外になるし、ただただ待ってるだけっていう時間になるから。


ちょっとした買い物くらいなら喜んで付き合うけど、今日は絶対半日コースと言う名のハードモードだからここは遠慮させてもらおう。幸い昼間の買い物なら変な輩に声掛けられることも少ないだろうし、心配する必要はなさそう。


おそらく彼女達が満足するであろう夕方の時間帯には、ちゃんと迎えに行くからそれで許して欲しいな。



そう思って桜子を見れば、私の考えている事なんて御見通しのようで。


ちょっとだけ不満気ではあるものの、肩をすくめて了承の意を示してくれている。

実際のところ、このやり取りは毎回行われているんだけどね。


彼女達も私も分かりきってて言ってる、いわゆるお約束ってやつ。




そうこうしている内に悠里がシャワーを浴び終えて、朝食タイム。

朝は絶対コーヒー派の悠里に合わせて、トーストにしたらしい。それでも自分で作るものより桜子が作ったものの方が美味しいわけで。ピザソース?トマトソース?の上にスクランブルエッグが乗っているちょっとひと手間加えたもの。


このひと手間が料理上手の人よな。

私だったら最近覚えたクロックマダムじゃなければ、トーストにマーガリン塗って終わりだもの。


だが、これで覚えたぞ。ソースはさすがに市販のものを使うと思うけど、スクランブルエッグなら私でも簡単に作れるからね。ひとつレパートリーが増えました。



3人でトーストを齧りながら、今日の予定の話になった時に先程の桜子と同様に悠里も私に冷たい視線を投げて来たけど、華麗にスルー。出来てないけどスルー。


まぁ、それでもいつもの事なので悠里もすぐに流してくれた。


迎えに行く時間帯の予想を聞けば、やはり夕方だと言うのでその時には連絡を入れるようにお願いだけしておいた。こりゃ帰りは車を拾う感じだな。荷物の量的に。



朝食を食べ終えた後は、買い物に行くにはまだ少し早い時間だということで、桜子は私の昼食の準備をしてくれて悠里は明日の仕事のちょっとした段取り作成に入った。


その間に私は桜子に頼まれて買い出しへ。


夕食は外で食べても良いと私と悠里が言ったけど、桜子的には家でゆっくり食べたいとの事なのでせめて買い出しくらいはしておこうと思って。

作るのは桜子になるからね。正直に言えば、私も悠里も桜子の手料理の方が良いに決まってる。

桜子の手間を考えると少し申し訳ない気持ちにはなるけど、作ってくれると言うならすぐ甘えちゃう。



なんせパブロフの犬。



・・・ホント、桜子が結婚したら私生きていけなくなりそうでちょっと怖いな。





買い出しから帰ってくると、既に昼食の準備は終えた様子の桜子と、着替えて外へ出る気マンマンの悠里。

なんだかんだともう昼前で、そろそろ買い物ツアーへ行くみたい。


昼食として作ってくれた、桜子特製サンドウィッチとホットドックはレンジで温めればOKという私に優しい仕様。

既に食べたくなっちゃってる私がいるけど、ここは我慢。



2人を玄関まで見送って、しばらくは私1人の時間だ。





さてさて、何をしようか。



決まってるでしょ。ゲームだよ。




脳内で独り言を言いながらギアをセット。


そろそろ最初の街を出る準備も始めなきゃなんだよね。






お読み頂き有難うございます。

誤字脱字報告受け付けております。是非ご指摘ください。


感想、評価、レビューお待ちしております。

ご協力お願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ