表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/89

75 お断り案件と即承認案件

あれからログアウトして、只今ストレッチ中。

そこらの若者と違って、長時間同じ体勢を取っていると、いくら寝ているだけとはいえ体が凝り固まってしまう年齢ですから・・・。


ちなみに私、筋肉はそこそこ固めだけど、関節は柔らかいという謎体質。

一時期、腰痛に悩まされた時に整体に通っていたら、整体師さんに『めちゃめちゃ関節柔らかいですね!?これじゃ関節技とかキマらなさそう!』って、褒め言葉なのか何なのかよく分からない言葉を頂いた。


ちなみに関節が柔らかすぎて捻挫しやすい人とかもいるらしい。


今の所、私は10代の頃に一度しか捻挫した事ないけど。



そんな訳で、しっかり筋肉のほうを意識しないとストレッチの意味がなくなってしまう。

下手に関節が柔らかいせいで、ある程度は開脚とか前屈とか出来ちゃうもんだから。

ちゃんとどの部分を伸ばすのか、順番にね。




ペッタンと開脚しながら床に倒れ込むまで下半身が柔らかくなったのでストレッチは終了。

元々体が柔らかい人なら、開脚の角度を180度まで広げていくんだろうけど、私には無理。徐々に時間を掛けていけばいずれ可能にはなるだろうけれど、大体いつもゲーム終わりに気が向いたら20分くらいしかやらないから。


ストレッチするなら毎日やらないと意味がないっていうのは聞いた事あるんだけどね・・・。


ほら・・・。

ストレッチって一人でやるの結構苦痛じゃない・・・?ヨガとかも駄目。


筋トレは全然出来るのにね。たぶんジッと動かないっていうのがダメなんだろうな。

ひたすら反復練習とかは苦に思う事ほとんど無いからなぁ。興味さえ持てればだけど。


たまに深夜とかの通販番組で、痩せるダイエット商品紹介みたいな時、主婦(と言う名のエキストラ)が『これを着けるだけで楽に痩せられるんです。テレビ見ながらだけで』みたいなコメントとか結構あるけど、あれ私出来る気がしない。



単純にテレビをあんまり見ないからっていう可能性もあるか・・・?

BGM代わりに常にスイッチはオンなんだけどね。





連絡が来るまでは、と思って仕事用デスクでひたすら打ち込み作業。

私のスタイルはとりあえず打ち込んでいって、アイディアが浮かんで来たらコピーして別のデータにまた打ち込み。パターン別で4、5種類くらい。

そこから精査して、音を厚くするか逆に削るかの判断。最近は厚くするパターンが多めかな。


最近は特に、実は専属契約結んでんじゃないか?ってくらい、とある事務所にばっかり卸してるんだけど、そこはライブパフォーマンスがウリのタレントさんが多いからバラードっぽさとか、おしとやかなモノよりも、激しめでノリの良い盛り上げソングの需要が高いんだよね。


そうなると自然と打ち込み量も増える訳で。


本来の専属の人だけでは追いついてこなくなってきて、私にも当然お仕事が回ってくるから有難いっちゃ有難い。

大変だけど。でも楽しい。


キリの良いところで一旦手を止めて、流し見だけしてたメールを細かくチェックしてると、気が向いたらレコーディングにも参加してみる?なんてものが。


この事務所は昔ながらの方法で、事務所内にスタジオがあってそこで生演奏をレコーディングするのに拘っている。現代では珍しいほうだろう。今はほとんどがソフトに打ち込みして、歌声だけレコーディングするのが主流だから。

ポップスに限ればの話だけど。


当然バンドとかオーケストラとかピアニストになれば、当たり前のように楽器レコーディングはあるけど、歌って踊る系のアーティストを抱えている割に、この事務所は歌よりも楽器のレコーディングに重きを置くスタイル。


それだけ歌い手を信じているのかもしれない。

会った事無いから知らんけども。



おそらくはアイドル性を売り出しているから、歌に限らずダンスや表現力なんかの成長っぷりをファンの人達に見せる意味合いもきっとあるんだろうね。

たまーに楽曲の評判が気になって、ちょっとだけ調べてみたりするとファンの人達の評論とかでそういう意見を見かけたりするし。



ああいったファンの人達のちょっとだけ怖い所は、タレントさんだけに限らずに事務所のスタッフさんや我々のようなクリエイターに対しても情報収集の目や耳をしっかり張る事なんだよね。

それぞれの個人名とかしっかり把握されているし、それぞれのタレントのマネージャーは誰々だとか、今作の音楽プロデューサーはこの人だからこういう特徴が強いとか。

それだけタレントさんに対して興味も好意も強いってことなんだろうけど。




ちなみに私も評論されてたりする。



顔出しとかしてないし、個人的にコメントとかもしていないから単純に楽曲への評価がほとんどだけれど、それでもちょっとだけ怖い。


作品を作ってるんだから、他人からの評価はあって当たり前とはいえ、たまーに私個人への評価もあったりするから。

何の情報も出していないのに、勝手に推測されている部分とか目にしちゃうとね・・・。

それからはもう調べるのはやめた。


幸い本名は出していないし、顔も性別も年齢も不明の人間を評価しようとしても限度があるだろうし、このままこのスタンスで行くと決めた。

どちらかといえば、作曲者や編曲した人よりも、作詞した人の方が興味持たれやすいみたいだし、そんなに注目されることは無いだろうけど。

取引先の事務所からは、ちょくちょく『もう顔も出して名前売っていく方向にすれば?』なんて言われてるけど、正直遠慮したい気持ちが強い。



まんまと唆されて、顔も名前も出して映像とかにもがっつり映り込んだ仕事仲間は、今じゃ専属のクリエイターだ。最初は『何でこんな事に・・・?そんなつもり無かったのに・・・』なんて言ってたけど、絶対最初から事務所に狙われてたと思うんだよね。

元々相性良かったし、あの事務所のお偉いさんは面白味のある才能豊かな人物を見抜く眼力がスゴイと思う。


その眼力がある1人が私とよくやり取りしている音楽ディレクターなんだけど、事あるごとに私まで囲おうとちょいちょいアプローチを仕掛けてくるのが少し厄介。

ちょっと前にも飲み会に誘ってきたりとか、今回みたいにレコーディング立ち会いの誘いとか。


生憎と私はそこまでの才能も無いと自覚あるし、決して目立ちたい欲とかも無いので迷惑とまでは言わないけれど困惑しているのが現状。



今回のお誘いも丁重にお断りの返信。


そろそろ諦めてくれないだろうか・・・。割とマジで。






そうこうしている間に桜子から連絡が。

仕事帰りに買い出し行くから付き合って、とのこと。


先程お断りメールをいれた時とは正反対のテンションで了承。


3人分の食事だからそれなりに量も多いかな、と考えてバイクを出す準備。

私が所有しているバイクはスクーターの250cc。都心でバイクは中々に不便なんだけど、どうしても電車が苦手で・・・。


こればっかりは高校生の時からずっと変わらないから、桜子や悠里はそれを利用してよく私に荷物持ち人員として連れまわしたりしてた。セール時期なんかは、帰りの荷物を気にしなくて良いからって思いっきり買い込んでは私を呼び出したりして。


そうでなくともナンパ避けに呼び出されてたけど。



外に出るから着替えだけ簡単に済ませて、いざ出発。

いくら温かい季節とはいえ、もう夜なので念の為に桜子用の上着も持って。


昔はガソリンで走っていた自動車や二輪も今では電気で走るのが主流。とはいってもドライバーの数は年々減っていってるみたい。自動走行する車が増えたおかげで、自分で運転するのは億劫だという人が大多数かな。事故も怖いし。


それでも決められたルートしか走らない事に不満がある人も一定数はいるのと、趣味としてドライブが好きな人はいるので、なんだかんだと自分で車両を所有している人はそれなりに。

ただ、都心ではやっぱり珍しい。


なので、私が住んでいるマンションには駐輪場なんて無くて、バイクが置いてあるのは此処から歩いて5分ほどのバイク用の貸倉庫。

2畳ほどのコンテナ型で、屋根があるから雨でも安心。

正直、引っ越しの時の物件決めの際に決定打になったのはここがあったから。


お恥ずかしながら、付近にスーパーやコンビニがある事を知ったのは引っ越し後だったよ・・・。

まぁ、あれだ。運が良かった。



スタスタと歩く事約5分。バイクがある倉庫に到着し、エンジンをかける。

ちょっと桜子よりも早く到着してしまう計算だけど、仕事終わりで疲れている彼女を待たせてしまうよりかはずっと良いだろう。



待ち合わせているお店は最寄りのスーパーではなく、徒歩だと20分くらいかかる少し大きめの所。

桜子は大体いつもここのお店を利用する。品揃えが全然違うらしい。

私からすると、まぁ言われてみればそうかも?くらいしか思わないのだけど。




お店に到着して待つ事およそ10分。

入り口でただぼーっとしていると、聞き慣れた涼やかだけどちょっと呆れが混じった声。


「お待たせ。・・・アホ面になってるわよ?」


「アホ・・・、そんなに?」


つい気になって自分の顔に手でさすさすと撫でる。


「私から見れば、だけどね?でもそのくらいの方が良いかも。他人からだと声掛けづらい雰囲気に見えるもの」


「・・・結局、私どんな顔してたのさ」


「綺麗な顔よ?いつ見ても」


「あんま褒められてない気がする・・・?」


ふふっと笑って、私の疑問には答えてくれないまま、店内に入っていく桜子の後を追いかける。

ちょっとだけ納得いかなくて顔をむにむにしながら。






――――――――――――――――――


他人視点:無表情かつ少し伏し目がちで、地面の一点を見つめる中性的美人(ライダージャケットのせいでより男性的)「うわ、あの人結構カッコイイ~・・・、でも・・・男?女?やっぱり男かな?ちょっと不機嫌そう?で声掛けづらいけど、誰か待ってるのかな~?」


本人の思考:今日の桜子のご飯何かなぁ・・・?


桜子視点:また無駄に人目を集める容姿して・・・。きっとあれ、今日の夕飯くらいしか考えていないんだろうけど、他の人にはやたらアンニュイに見えてるんでしょうね・・・。しかも今日の服装だと男だと思われてそうよね。


他人視点:桜子と合流した場面を見て「うっわ・・・超美人。そりゃ彼女持ちだよねー・・・やっぱ良い男でも、もう売約済みか~、残念」


お読み頂き有難うございます。

誤字脱字報告受け付けております。是非ご指摘ください。


感想、評価、レビューお待ちしております。

ご協力お願い致します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ