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65 需要・・・ある?

結局防具は上半身の革鎧と下半身のボトムスだけ購入して、小手だとかブーツだとかは一旦見送らせてもらった。

店主のウォルトさんに相談してみたら、この街周辺であればそこまでガチガチに防御を固めなくとも大丈夫との事だったので。


「ただ草原の先の森の中に行く段階になったら、もう少し装備を整える事を考えても良いかもしれません。昼間はそこまでですが、夜になるとモンスターの攻撃力が一段と強くなるらしいので」


との事。



とりあえずフィールドに出たら、しばらくは草原でレベル上げかな。

森に入るのはその後で、しばらくは昼間限定にしておくべきか?いずれにしろ、周辺で出現する魔物は一通り見ておきたいよね。


そもそも、ここワンドル周辺のエリアは東側に草原。その北側には森が広がっていて、突っ切って北へ抜けていくと次の街ツドルへと続いているらしい。


おそらくはその途中にフィールドボスが居るんだろうね。



ちなみにワンドルはこの大陸の南端に位置していて、街から南側は山岳地帯でその先は海。みなみに山岳地帯というか崖になっている雰囲気。地図で見た限りだから確証はまだない。

出来れば、そのあたりもしっかり自分の目で見てみたいかな。


西側には湖とか川とかもあるみたいだし。

水遊びとかやった事ないから、ちょっとだけ興味あるのよな。

さすがに泳ぐとかはしないと思うけど。あぁ、でも釣りスポットではあるのかな?ちょくちょくアナウンスで聞くのはきっとその場所周辺だろう。


いっそ大自然の代表の滝とかあったりしたら良いな。肉眼で見た事ないし。

ゲーム内(VR)で見るのを肉眼と言って良いのかわからないけど。





防具を購入したら忘れてはいけないのが装備する事。

インベントリに入っていても装備しなければ効果は当然無いのだから。


たまに持っているだけで効果が発揮されるアイテムとかあったりするけど、装備品に関してはどのゲームでも同様の仕様だと思う。

忘れないうちにメニューから操作して革鎧を装備。


着替えるのは一瞬。裸とかになる仕様じゃなくて良かったよ・・・。

アニメとかじゃないんだから当然かもしれないけどさ。



鎧の着心地は中々。

手で触った時よりもずっと柔らかく感じる。軽く腕を上げてみたり上半身を捻ってみたりしても、特に引っ張られることもなく違和感はほとんどない。


重さ的にも大丈夫そう。


肘から先は覆われていない半袖タイプだから、剣の取り回しは邪魔にならなさそうだし、首元はV字型で結構余裕もあるから、これなら戦闘でも問題なく動けそうかな。


ボトムスは全体が布製だけど、所々革で補強されたもの。

ナイフを仕舞う用のポケットとかポーチを固定させる用の金具とかでちょっとゴツめの印象だけど、世界観には合っているかな?


周りの人も割と似たようなデザインだし、浮く事は無いだろうね。




支払いと装備を終えて〈ウォルト革用品店〉を後にする私。

それなりに良い物を購入したので、所持金がかなり減ったものの、まだ余裕はある。

シークレットクエスト様様です。


序盤で金策に困らないって早々無いからね。本当に運が良かったとしか言えない。





さてさて、時刻は夕方。

最近はプレイヤーが夜にフィールドへ出向くようになったのか、この時間帯に広場で集まる人達が増えた。恐らくは夜になるまで時間潰しをしているか、集合する為の待ち合わせにこの場所を設定しているか。


それだけプレイヤーが集まると自然と商売人達も集まるわけで。


【生物鑑定】を上げる為のチャンス到来タイム。

露店を冷やかしながらだったり、野良猫だったり、テイマーに付き従う魔物だったり。


ちなみに現在【生物鑑定】はレベル15まで来た。

対象に人が設定されていないから、結構苦労したけど隙あらば鑑定してたからね。


もしも最初に【人物鑑定】にしていたら、こんなに時間が掛かる事は無かったのかな?と、ちょっと損した気分になるけど結果オーライ。

おかげでワンドルを満喫する時間も取れているからね。

まだ街中クエストもやりきってないし。



そうそう、ある程度レベルが上がったからか、鑑定の情報も少し多く出るようになって最初は対象の名前と主な生息地くらいしか表示されていなかったけど、今は自分よりも格上・格下なのかどうかとか、簡単な生態情報とかも表示されるようになった。


この自分よりも格上かどうかが知れるのは大きいよね。

危ない橋を渡らなくて済むようになるから。

ちなみにその判断は色で判別出来る。赤く表示されていたら格上、白で表示されていたら同格、既に死亡しているものは黒字。


私がいまだレベル1だからか、格下の表示はまだ見た事ない・・・。たぶんパターン的に青だと思うけど。


最初に赤く表示された時は何事かと思ったけどね。仕様が変わったのかな?って思ったら隣りにいた他のテイムされた魔物はいつも通り白く表示されていて、あれ?ってなったもの。


たまたまその魔物の主であるプレイヤーが、友達らしき人と会話している所を聞かなかったら今でも理由は分かってなかったかも。

私が鑑定して見たその日に魔物がレベルアップしてたらしく、それで私よりも格上判定になったみたいだった。「レベル5になってスキルを覚えてくれたから、すっごい戦いやすくなったよ!」って言ってたし。


ただその判定がレベル依存なのか、ステータス依存なのかはまだ解明出来ていないんだけどね。

まぁよくある設定ならきっとレベル依存だと思うけど。



そんな訳で、恐らくレベル5以上の差が開くと格上格下判定がされるみたい。

つまりはこれで適性レベルのフィールドを判断する事が出来るようになったって事。

親切な攻略本とかも無いから、こういった判断する要素は重要だよね。慎重派なら尚更。



あ、もし【鑑定眼】に変わったら人もそうやって判断出来るようになるのかな?

・・・ほとんどの人が真っ赤に表示されそうだ。レベル上げ頑張ろう。





しばらくして陽も落ちて、少しずつプレイヤー達がフィールドへ出る為に広場を出ていき、だいぶ人口密度が下がった所で私も移動。


一応夕飯時かもしれないので、手土産という名の露店の串焼きやら何やらをいくつか購入してウィリアムさんの所へ。



ドアをノックすると出迎えてくれたのはエイダン君。

相変わらずのキラキラ笑顔だけど、ウォルトさんのとこの娘さんと比べると仕草や立ち振る舞い、言葉遣いはかなり大人っぽく感じるかな。

それはそれで、大人になりたくて頑張ってる感がとても微笑ましいのだけれど。


もしも私にショタ属性が備わっていたら、きっと悶え苦しんでいたかもしれないくらいには彼は可愛いので。



現状でも既に悶えている自覚は有ったり無かったり・・・。


忘れないうちにエイダン君に手土産を渡して、夕飯の足しにしてもらうように言ったところでウィリアムさんが出て来た。



「いらっしゃい、カケル。防具・・・買ったのか」


「こんにちは、ウィリアムさん。以前紹介して下さったお店で購入しました。ありがとうございました」


「いや。あそこの店主は腕が良いし、俺や兄貴とも何度か仕事で関わったけど、人柄もとても良い人だからな。・・・この街である程度金がある奴なら、大抵はあの店で防具を揃える。・・・いずれカケルも自分であの店に行ってたさ」


「それでもですよ。場所的にも、もう少しここに慣れてからでないと見つけられなかったかもしれませんしね」


「・・・そうか?カケルならすぐに見つけて繋がりを持てそうだが・・・」



何故に?


一応、私は結構対人スキル低い自覚ありますからね?誤魔化しているだけで。

ウィリアムさんから見たら高く見えるの?


・・・っていうか、そうだった。この人めっちゃ対人スキル低かったんだった・・・。

そりゃ高く見えるわな。



「・・・そういえば、薬師ギルドでエイダンが世話になった言ってた。・・・何でもカケルに教えてもらってスキルを獲得した、とか」


「あぁ、そうでした。エイダン君が働き者で。大変助かりました、ありがとうございます。ちなみにスキルに関しては、私が以前同じようにして取得したので、その行動をなぞってもらっただけなんですよ。一応私には有用なスキルだったので、彼にもどうかと思って。もし余計な事だったのなら申し訳ないのですが・・・」


「いや、全然。むしろ・・・俺が教えるのがもっと上手かったら、エイダンももっと楽出来たハズだから・・・。エイダンに代わって感謝する。あれからだいぶ仕事が捗るようになったみたいで、楽しそうにしてる。薬師ギルドで出会った人達ともあれから交流を持てたみたいで、お互い切磋琢磨しているよ」


「薬師ギルドの・・・。パナッシュさん達ですね。そういえば仕事の悩みが同様なものだったみたいで意気投合してましたね。元々お知り合いの様でしたけど、それがきっかけで仲良くなったって事ですか」


「・・・そうみたいだ。生産職においては、『質』か『量』かで一時悩むのは通過儀礼だからな。・・・それも『質』タイプで、王都に行かない事を選択するやつは珍しいから。きっとそれもあって意気投合したんだろう」


「なるほど。それに加えて凄腕の上司・親方に付いているという共通点もあるんでしょうね」


「・・・レアに比べれば、俺はまだまだなんだが・・・?」



ご謙遜を。

ウォルトさんだって一流の職人だって言ってたもん。

っていうか、ウィリアムさんにまでそう言わせるレアさんって本当にどんだけ凄いのさ。


〈まんぷく亭〉の女将さんはあのままだったら、レアさんだけじゃ無理だったって言ってたけど、本当にそうなんだろうかと今でも思う。

実は称号とかに【究極の気分屋】とかあったりして。




「・・・そうだ。レアと言えば・・・、兄貴と来た」


「ブランドンさん?・・・あぁ、やっとですか?」


「・・・まさか兄貴とレアが・・・。全然俺は気付かなかったから、本当に、凄く、とんでもなく驚いた」


「そ、そうだったんですね・・・。ちゃんとご挨拶は出来ました?」


「・・・しばらく混乱して何も言えなかった。けど、『おめでとう』と『兄貴をよろしく』は言えた」


「それだけ言えれば十分では?レアさんだって分かっていると思いますし」


「あぁ、ちょっと泣いてたけど、あれは嬉し涙だって言ってた。・・・兄貴は『恥ずかし涙じゃねぇのか?』ってからかって制裁ビンタ喰らってたけど」


「・・・ブランドンさん」



小学生男子かよ。


まぁ、きっとお互い気恥ずかしさと緊張と安堵でテンションおかしかったのかな?何となく光景が浮かんでくるよ。




「しかし・・・、そうなると、レアが義姉になるんだな」


少し照れたように言うウィリアムさん。

昔からの幼馴染が義姉ってちょっとまだ気恥ずかしさの方が勝つのかな。

私で言えば、桜子が義姉になるって事か・・・。


・・・むしろ、納得。

今もお世話されっぱなしだし、違和感が無さ過ぎて・・・。義妹ってのもアリだけど。


あぁ、でも兄の嫁って考えるとちょっと微妙かな。

桜子がハイスペック過ぎて、兄にはもったいないって本気で思っちゃうもの。私の兄はどちらかと言えば脳筋系だし。




「その内、レアの事『おねえちゃん』って呼んだほうが良いと思うか・・・?」




本日二度目のむせりタイム。



「・・・ケホっ。そ、そこは『義姉さん(ねえさん)』くらいで良いと思います・・・」


「・・・そうか?」




可愛らしい少女と違って、寡黙系筋肉ゴリゴリマッチョ男性の『おねえちゃん』に需要は無いと思うの・・・。






―――――――――――――――――

名前:カケル

種族:人族

レベル:1

メイン職業:剣士

サブ職業:薬士


HP:100

MP:35


STR(腕力):12

VIT(体力):11

INT(知力):6

MID(精神):10

DEX(器用):20

AGI(敏捷):10

LUK(運) :10


LP:0P

SP:0P


≪称号≫

【人との縁を結ぶ者】【研鑚する者】【異変に気付く者】

【教育者】【生産者の鑑】


≪スキル≫


戦闘:(戦闘技術・さばき)

【長剣術 Lv6】【杖術 Lv2】

【棒術 Lv1】【体術 Lv4】

【ナイフ術 Lv6】【格闘さばき Lv1】


戦闘:(技・強化)

【回避 Lv6】【器用強化 Lv8】

【ブレイク】【剣速 Lv3】

【ナイフカット】【スラッシュ】

【瞬歩】【縮地】

【持久力】【受け流し Lv2】


技能:(鑑定・隠蔽)

【植物鑑定 Lv23】【生物鑑定 Lv15】

【道具鑑定 Lv20】【気配察知 Lv1】

【観察】


技能:(生産・収集)

【調合 Lv11】【採取 Lv7】

【解体 Lv1】


技能:(思考・感覚)

【思考加速 Lv2】【鍛錬 Lv8】

【リズム感 Lv5】【高速生産 Lv2】

【精密作業 Lv11】【根性】

【言語理解 Lv1】


技能:(抵抗・耐性)

【抵抗:閉所】【抵抗:暗所】

【抵抗:孤独】【抵抗:恐怖】

【抵抗:威圧】


その他

【生活魔法】【愛嬌】

【習得率上昇(小)】【説得】

【指さばき Lv17】【しゃがみ移動 Lv3】

【洗脳】


≪加護≫

【妖精の気まぐれ:風】

【妖精の気まぐれ:土】

お読み頂き有難うございます。

誤字脱字報告受け付けております。是非ご指摘ください。


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― 新着の感想 ―
[一言] >可愛らしい少女と違って、寡黙系筋肉ゴリゴリマッチョ男性の『おねえちゃん』に需要は無いと思うの・・・。 もしも需要があったら……どうしましょう?少なくとも私にとっては需要がありますよ。 (^…
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