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47 殺傷能力の高い鍛錬(無意識

一旦宿屋でログアウトしてから、昼食の準備。

昼食というにはもう夕方近い時間だけれども。


納豆キムチ丼でササッと。

地味にキムチって賞味期限早いから、使う時は連続で消費しないとなんだよね。


小分けのやつを買えば良いんだろうけど、生憎と私が好きなメーカーが出している品は小分けタイプが販売されていないのです。

まぁ賞味期限切らせて捨てることになるよりも、同じようなメニューが続いても使い切る方が良いでしょ。


ここで料理上手な人なら、全く飽きさせないアレンジメニューとか考えるんだろうけどね・・・。



そういえば、前に桜子が作ってくれたキムチ餃子は美味しかったなぁ。

でもイマイチ餃子の作り方わからんな。桜子は「手抜き料理よ」なんて言ってたけど、そもそも私は『手抜き=出来合いのもの』になる人間なので。


手を抜ける程の基礎が無いのが残念。

手抜き料理を作れる人は大体が料理上手です。




昔バイトで飲食店のキッチンでしばらく働いていたにも関わらず、料理が出来ないというのは問題なんだろうか。

いや、そんな事は無いハズだ。・・・無いよね?


だってキッチンとはいえ、働いていたのは宅配寿司のキッチンだったんだもの。

まず火を使わない。


それにチェーン店だったから、全て一から自分たちで仕込みをする訳でも無かった。

ある程度調味料とかは工場で作られたものだし、魚はブロックで届いたものを捌いていたから丸々一匹なんて見た事無かったし。


ある程度は機械化されたマニュアルで、実際に磨かれたスキルは切る事と握る事。

包丁の扱い方は得意になったが、それで料理が上手くなる訳でも無い。


他の飲食店だとほとんどロボットが作業するので、まだ包丁の扱い方をスキルアップ出来た事は恵まれていたのかもしれないけれど。



レストラン形式だと作るのもロボット、サーブするのもロボットだもの。

高級店は別として。



そういえば同じ宅配でも、ピザとかは9割機械化されていると聞いた事がある。

デリバリーそのものは自動運転車、つまりはロボットなのだけれど。


アメリカのどっかの企業が開発したとか何とか。

あっちのデリバリーと言ったらピザだもんね。本気度が違う。





対して日本では回転寿司は機械化されているのに、宅配寿司は何故か今もある程度は生身の人間が担っている。

地味に、機械で握り寿司の盛り付けは難しいとか何とかってテレビで言っていたかな?

海外だと握り寿司よりも巻き寿司がポピュラーだから、巻物を作る機械は開発されているらしいけど。

宅配になると配達中に盛り付けがきっちり出来ていないと崩れる可能性もあって、機械では中々難しいんだろう。



もちろんカウンター式の高級店は職人が握るのが主流だけれども。



経験者だからわかる。

寿司の盛り付けって美的センスが無いと厳しいんです。

配達中って揺れるし、ただ置いておくだけじゃダメなのさ。



そうそう、盛り付けセンスが無い子に頑張って教えたのは苦い思い出。・・・結構、本当に頑張った。







つい昔の事を思い出してしまった。

今度海鮮丼とか作ろうかな。あ、マグロユッケ丼にしようか。



選択肢が丼ばかりになるのは、このバイト時代の影響な気もする・・・。









食器を片して、ベッドに寝転がる。

一応気休め程度ではあるけれど、食後30分は経過しているからもう良いだろう。



ゲームに戻る時間です。



・・・別に我慢出来なかった訳じゃないよ。









ゲームの中では先程ログアウトしてから3時間程経過している。

時刻的にはまだ夜明け前の暗い時間。


ブランドンさんから、レアさんが目を覚ましたら連絡を入れてくれると言われているので、それまでは自由時間。

久々に訓練場に行って時間潰そうか。もうちょっとで【長剣術】がレベル5になるから、少しでも近づけておきたい所。



現実時間では平日の昼間という事もあってか、多少冒険者ギルド内は人気が少なく感じる。


人数が少ないだけであって、熱量はものすごく感じるけど。

・・・そうだった。


夜中の冒険者ギルドは要注意。なんせあの色気ダダ漏れ受付嬢、ローザさんが居るから。


今もあっちこっちで危ない独り言が・・・。





さっさと逃げよう。



訓練場に向かい入り口付近でプレイヤーとすれ違い道を譲る。

ここの道はすごく狭く、人ひとり分のスペースしか無い。


お互いに会釈しながら私は訓練場へ。



やっぱり知っている人は知っている場所なんだろうか。訓練場の存在は未だに周知されていないのか、それとも知っていても必要が無いのか。ちょっと謎。



個人的には貸切っていうのも気分が良いので、このままでも何ら問題は無いんだけれど。



最初の30分くらいは長剣で素振り。

重さに慣れてきたところで的に向かって実際に当てていく。

地味に、腕にビリビリとくるこの感触がだんだん癖になってきた。



せっかく手に入れたのだからと【ブレイク】も練習。

MPが少ないのでそこまで反復練習は出来ないものの、ドカンッと的が壊れていく様はとても気持ちが良い。

でもなんだろう・・・アニメとかでよく見る、居合切り的な気持ち良さも感じてみたい。

それは【スラッシュ】の役目か。


ああいうのって一撃必殺!っていう感じが良いよね。

あぁ、早く刀を手に入れたい。




・・・刀、もっとるやんけ自分。


そうだ、小太刀ではあるけどブランドンさんから譲ってもらったんだった。

これでも少しは恰好つくかな?



試しにと振ってみる。

長剣に比べ、間合いも重さも違う事でバランスが崩れる印象。


スキルのアシストも効いていないみたいだから、そのせいでもあるのかな。

イマイチ不格好な感じがしてしょうがない。


小太刀は【長剣術】だけでは効力が発揮出来ないのか・・・。

やはり【刀剣術】とか持っていないと扱うのは難しいか。【小太刀術】とか細かく分かれていないと良いけど。



自己流で素振りとかしてもいずれはスキルが発現するのかもしれないが、普通の刀ならまだしも、この長さの物は中々扱い方がわからない。


ギリギリイメージ出来るのは二刀流くらい?左手で持つ方の。

生憎と右手のメイン側に出来そうな長剣は、今の私では片手で扱う事が出来ないから結局無理。


やはり、しばらくはインベントリの中でお休み頂く事になるか・・・。

貰った時はテンション上がっていたけど、別のサブ武器も探しておかなくちゃだな。



せっかくブランドンさんに相談乗ってもらって手に入れたから、どうにかしたかったんだけど・・・。







・・・やっぱり後でログアウトしたら、小太刀関係の情報を検索してみようかな。

それであまりにも理解出来そうに無かったら諦めて、別の武器を探すことにしよう。

幸いにもここでは繰り返し鍛錬すればスキルとして発現するのだから、やって無駄な事にはならないもんな。


スキルとして出てしまえば後はアシストが効いてくれるのだし、その方向で行こう。

慣れていない分、きっと時間は掛かるだろうけどやってやれない事は無い。





ちなみにスキルポイントを使用して取得する方法をすっかり忘れている私です。






その後も引き続き【長剣術】のレベルアップを目指してひたすら振り続ける。

まずはメイン武器の技術を鍛えないとね。どれだけ憧れていても、まずは地に足付けなければ収集付かなくなる未来しか見えない。


あれもこれもそれも。興味は持つけど行動に移さない不器用な私です。



マルチタスクは女性が得意って誰が言ったんだ?






―スキル【剣速】がレベルアップしました―

―スキル【長剣術】がレベルアップしました―

―派生スキル【スラッシュ】を取得しました―




お、やっと【長剣術】がレベルアップまでいったか。

でも【スラッシュ】を取得するとは思わなかったな。てっきり【ブレイク】【スラッシュ】【パリィ】の内一つしか取得出来ないのかと・・・。


そうなると【パリィ】も取得出来るのかな?結構そういうのコンプリートしたい主義なんですけど。




でもこれでノーランさんの2回目の講習受けられるようになったわけだ。

次に昼間に来れば良いのかな?


あ、もしかして講習受けたら【パリィ】教えてもらえたりするんだろうか?

でも初回で教えてくれたことをまた教えるなんて事あるかな?


何にせよ楽しみに取っておくか。





あ、MP使っちゃって【スラッシュ】試す事も出来ない。

スパッ!ってやりたかったのに。








とりあえず目標の【長剣術】レベルをクリアしたので、一旦剣はしまっておく。


以前に感じた身体感覚の衰えを鍛えなおす為に、場所を移動。





人型の的の方まで行ってちょいと観察。

どうやら人形に剣を持たせることも可能っぽい。


具体的なイメージトレーニング用のものみたいなのでこれを活用。

早速剣を持たせて対峙。



体の重心を意識しつつ、意識し過ぎず、膝を抜くような感覚で相手の懐へ入り込む。


・・・うん。全然ダメ。

なんか最初にノーランさんと対峙した時の方がマシだったんじゃなかろうか。

あんまり記憶に残ってないけど。集中しすぎて覚えていないのです。



こりゃ、感覚取り戻すの大変だぁ。






先生曰く、古武術とは体が自然と動く力を利用するもの。

意識し過ぎると体は強張るから、余計な力は抜いて自然に任せる。


実際、これがすごく難しいのだけれど。

頭で理解していても、体がついてこない。・・・違うか、体を止めてしまうんだ。


本来そのまま任せてしまえば良いのに、グっと筋肉を意識してしまうような、そんな感覚。

体が倒れそうになっているのだから、当たり前っちゃ当たり前。


でもそこを倒れないように、と自然に出て来た足を利用して前へと進む。



多少ゆっくりなら何とか出来る。

だが、先生のように一瞬で、となると格段に難しい。

どうしても余計な力が入ってしまう。




繰り返し繰り返し、ただひたすらに同じ動作を続ける私。



きっと傍から見たらかなりの変人。ひたすら人形に向かってタックル仕掛けているように見えている事だろう。



―スキル【体術】がレベルアップしました―

―スキル【回避】がレベルアップしました―



少しだけ形になって来た所で、

小太刀を取り出して、人形の懐に入った瞬間に喉元に向かって刃を当てるように。


長剣を取り出して、柄の部分で顎を殴るように。


ナイフを取り出して、頸動脈を切るように。


無手で、顎をかちあげて腕を取りながら後ろに回り込むように。


杖で、喉を潰すように突いてみたり。



―スキル【体術】がレベルアップしました―

―スキル【格闘さばき】を取得しました―



現状で扱えるものを使いながら、ひたすら繰り返した。


後で冷静になってみると、かなり殺傷能力が高いパターンばかり繰り返してしまったのは自分でも恐怖。

決してそんな願望は無いハズなんだが・・・。




現実ではまずナイフも剣も持たないから、セーフと思いたい。






―スキル【瞬歩】を取得しました―

―スキル【鍛錬】がレベルアップしました―




よしっ!!


やっとなんとか納得いく形になった所でスキル取得のアナウンス。

いや、長かった。



たぶん長かった。感覚的には。



時間的には思っていたよりもずっと短い時間だったみたいだ。

これも【思考加速】のせいだろうか。




キリも良いところになったので、一旦訓練場は後にする。




そろそろ外もしっかり明るくなってくる時間だ。

ブランドンさんから連絡が来る頃合いだろう。その前に食事休憩でも取ろう。







――――――――――――――――

増:スキル

【スラッシュ】【格闘さばき Lv1】

【瞬歩】


お読み頂き有難うございます。

誤字脱字報告受け付けております。是非ご指摘ください。


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