38 薬師ギルドのお仕事(2)
次回更新は・・・水曜日までには何とかっ!頑張ります。
突然のヘッドハンティングには、しっかりお断りを入れた私です。
誘ってきた彼も本気では無かったようで、「残念だ」とだけ苦笑いしながら返してきた。
「ん~、どうする?ここの作業が終わったら今日はもう終わりにするか?そろそろいい時間だろ?」
確かに。
むしろ現実の時間でもそろそろ就寝したほうが良さげかも。
昼夜逆転しても大丈夫ではあるけど。
ゲーム時間ももう陽が落ちてすっかり夜だし、一旦切り上げた方が良いのかも。
「そうですね、ここの作業だけ終えて、一旦切り上げさせてもらえますか?次にまた来るのは、明日の深夜近くにはなると思いますけど」
「ああ、大丈夫だ。俺らやレアさんは、しばらくここに籠りっきりだからな、いつでも来てくれ。アンタが来てくれると本当に助かるから」
中々悲しいことを笑って言われるとどう反応して良いのか困ります・・・。
残りが一鍋分ということもあって、サクッと終わらせて3人組に挨拶。
「お疲れさん!」「また明日来てくれるんだってな!」「待ってるからな!よろしくな!」
3人とも随分と好意的になったものです。
好意を向けられたら、好意で返したくなるのが人間ってものなわけで。
レアさんだけじゃなくて、この人達の為にもお手伝い頑張る所存です。
ログアウトして、お風呂入って割とすぐに就寝。
これから3日間は、ほとんどゲームに費やすつもりなので、無駄な時間は省く気満々。
明日の朝は・・・もうシリアルで良いかぁ。
クロックマダムの練習は一旦お預けにして、起きたら速攻またログインしよう。
体は全く動かしていないけど、不思議と眠気はがっつり来ているので欲に任せて、そのまま夢の中へ。
いつもより早い時間に就寝となったせいか、朝起きたらまだ早朝だった。
夜明けギリギリのまだ少し薄暗い時間。
これくらいの時間に寝始めることは、しょっちゅうあったけど、逆に起きるのは久々かも。
換気する為に窓を開けたところで、想像よりもずっと冷たい空気に触れて、まどろみも吹っ飛んだ。
ふむ、早朝の空気も中々気持ち良いかも。
学生時代はがっつり朝型人間だった私も、社会人になってすっかり夜型人間にクラスチェンジしてしまったから、この空気感を味わうのは久々。
ここで意識高い人間なら、きっとジョギングとかヨガとかやるんだろうけど、生憎と私は意識高くない堕落人間なので、欲望に忠実にサクッとシリアルを食べて洗濯だけ回してゲームにログイン。
地味に夢の中でもゲームやっていたくらいだもの。この欲に逆らえる訳ないでしょう?
ログインすると、こちらはすでに夜更け。
そのままの足で薬師ギルドへ向かう。
「おはよ。今日もよろしくね。あと昨日もありがと、あいつ等から聞いてるよ、随分ハイペースで仕事こなしてくれたんだって?」
「宜しくお願いします。昨日に関しては、私も少しやり過ぎた自覚はあります・・・つい楽しくなってしまって」
出迎えてくれたレアさんにちょっと言い訳。
「あはは、珍しいタイプだよねアンタって。まぁ、こちらとしては、今日も存分にやり過ぎてくれて構わないから。あと今日から他にも助っ人が来てくれてるんだ、もう夜だから一旦返しちゃったけど、また朝一から来てくれることになってるから。来たら紹介するね。・・・ほとんどがブラッドの弟子連中だけどさ」
宣言通り早速手配してれたんだね、ブランドンさん。
ブランドンさんに手を借りた事が恥ずかしいのか、少し照れた表情のレアさんが可愛い。
いくらか健康的になって、良い感じ。
支え合う夫婦って良いと思いますよ?まだ結婚前だけど。
思わず生暖かい目で見てしまって、思いっきり肩を叩かれる。
結構力強いんですね・・・。さすがに男の体でよろけるようなことは無かったけど、予想外で驚き。
レアさんは中々スレンダー系の女性で、チラリと見える手首や首はとても細いから、まさかそんな力強い平手が来るとは思わなかった。
なんで女性の平手打ちってあんなに痛いんだろうな・・・?
ちなみに、女将さんの平手打ちが今までで一番痛かった。
もうあれは平手打ちじゃないけど。衝撃がタックルに近かったもん。
「えーっと、今日は薬草の切り取りからお願いしても良い?正直3馬鹿よりアンタの方がずっと早く処理出来るから、今日は手付けさせずに、ずっとすり潰し作業に回しててさ。その分かなり量が溜まってるんだけど、大丈夫?」
「ええ、もちろん構いません。任せて下さい」
「ありがと。本当に助かる。おかげであいつ等を調合作業に回せるわ」
「・・・ちなみに少し聞きたいんですけど、初級体力回復薬ってどういった工程で作られるものなんです?私が今まで見たのは、切り取りとすり潰しとビン詰めしか確認出来ていなくて」
「あぁ、それに調合作業が入るだけよ。調合は、すり潰した薬草のペーストに水を加えて煮出すのよ。中級や上級になってくると、そこに魔力を加えて薬効をより引き出す感じ。これは【調合】スキルが無いと作れないやつね」
「・・・という事は、実際は誰でも初級なら作れるという事ですか?」
「そうね。ただ、生産で便利なスキルも無くて設備も無いとなると、実際作るのは厳しいのよ。実際、すり潰し作業で【調合】スキルが関係あったでしょ?スキルの無い普通の人はあれすっごく時間かかるし、一度に処理出来るのも、たかが知れた量だし。その後の煮出す時も【調合】が無いと、時間が掛かる上に失敗しやすいの」
失敗すると鍋がコゲ付いて大変なのよ・・・、と遠い目をするレアさん。
そういえば・・・2つくらい変色していた鍋があったな・・・。きっとあれがそうなんだろう。
しかし、結局のところ薬師ギルドの人材と設備が無いと捌ききれないって事か。
誰でも作れるなら、少しだけでも分散したら?と思ったけど、やっぱりそうはいかないみたい。
まぁ、分散出来るならとっくにしてたよね。余計な考えだった。
採取とか切り取りとか、手伝える部分があるだけでも良いほうなのかも。
とりあえずは、今日の分の薬草切り取り作業入りましょう。
せっかく期待されているのなら、それに応えなきゃ女が廃るってもんです。・・・今は男だったっけ。まぁ男も廃るわな。
いつもの物置に向かう時点で、量がハンパじゃない事は理解出来た。
なんせ物置からはみ出ているから・・・。
扉の外にまで積み上げられた、薬草が入っている木箱。
高さ的には私の身長と良い勝負。
ちょっと動揺しながらも扉を開けると、ギッチギチに詰め込まれた薬草部屋。
これたぶん、木箱に詰めてたら入りきらないからって、薬草を裸で詰め込んだんだろうな・・・。
『山のよう大量の仕事』を比喩とかじゃなくて、そのままの意味で見たのは初めてです。
こりゃ、ちょっと気合入れなおさねば。
手首と足首、ついでに首も回して戦闘準備。やってやろうじゃないか。これは薬師ギルドから私への挑戦状だ。『果たして君にこの状況を打破出来るのか!?』って言われている気分。
ナメないで頂きたい。私はレベルが上がるなら1か月は余裕で費やせる人間だぞ。こんなもので絶望だなんてするはずが無い。むしろ・・・スキルアップのチャンスをありがとう!
無駄にナイフをクルクル回して、スタート。
我ながらちょっとテンションおかしくなっていたな、と自覚したのはしばらく経ってから。
1枚切り取ったと思ったら、3枚が手元に現れるようになった時だった。
相変わらずスキルのアナウンスを無視していたけれど、急な手元の変化に思考が正常に戻ったっぽい。
自分の事なのに自信が持てない・・・。
ログの最新部分を見てみると、【流れ作業】がレベル10になっていた。
たしか前回もレベル5になった時に変化があったんだっけ・・・。
そしたらやっぱり【流れ作業】スキルは作業の簡略化、省略化のスキルって事か。
これはかなり有用なスキルだ。
この流れだと、レベル15で4枚、レベル20になったら1回切ったら5枚取れるって事かな?
作業スピードが5倍ってことだもんね。これはスゴイ。
やっぱり、やればやるほど成長が感じられるっていうのは、モチベーションを維持させるのにとても有効。
その後もやる気を維持させつつ、アナウンスで【流れ作業】がアップした時だけ、ちょっと反応して嬉しい気持ちが隠せなかった。
たぶん傍から見たら、時折「ふふっ」ってこぼしながら作業する私は中々不気味だったと思う。
幸いここは誰にも見られない場所だったから、心配は無用だけど。
今はレアさんも男性達も奥の部屋にいるからね。
「おーい!そろそろ一回休憩しよぅ・・・ぜ・・・?」
ん?休憩?
確かにそろそろ一息入れても良いかも。外にあった木箱分は終了して、物置の中にも人ひとりは入れるスペースが確保出来たし。そう考えると、初日に来た時よりもだいぶスピード上がったなぁ。
初日は確か、10箱終えるのに結構時間掛かったもんね。
今は・・・23箱終わったのか。3時間ちょっとでこれなら中々良いペースじゃないかな?
【流れ作業】スキル様様。
物置の扉を開けて、声を掛けてくれた男性と向かい合う。
・・・なんか、固まってる?
あれ?バグ再来?
ギギギギギギッと首がゆっくり私の方へ曲がって、向いてくる様は中々ホラーですよ?
サーバーが重くなったんだろうか?と心配する私。
「こ、ここれ、これこれ・・・」
ここれ?やっぱりバグってる・・・?
「・・・これ、終わってるやつ?・・・今、お前が、終わらせたやつ・・・?」
やっぱりなんか、喋り方がスムーズじゃないなぁ。・・・でも口元と音声のズレは無いから、バグでは無いのか?
「ええ、今終わらせた分ですよ?まだ中には大量に手つかずが残っていますけど」
さすがにまだ終わらせてないのよな。最大限ログイン時間に終わらせたいんだけど。
「ねぇーー!?何で終わるのー!?何でなの!?どうやったら出来るのー!?」
ちょっ!?いきなり肩掴んでブンブンするのヤメテ!
っていうか、泣いてる!?何で?こっちが何でって聞きたい!
あと終わってないし!まだ中に大量にあるってば!
いきなり男性に泣きつかれるとか、さすがに初体験です!
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名前:カケル
種族:人族
レベル:1
メイン職業:剣士
サブ職業:薬士
HP:100
MP:35
STR(腕力):12
VIT(体力):11
INT(知力):6
MID(精神):10
DEX(器用):18
AGI(敏捷):10
LUK(運) :10
LP:0P
SP:0P
≪称号≫
【人との縁を結ぶ者】【研鑚する者】【異変に気付く者】
≪スキル≫
戦闘:(戦闘技術・さばき)
【長剣術 Lv4】【杖術 Lv2】
【棒術 Lv1】【体術 Lv1】
【ナイフ術 Lv4】
戦闘:(技・強化)
【回避 Lv3】【器用強化 Lv7】
【ブレイク】【剣速 Lv1】
技能:(鑑定・隠蔽)
【植物鑑定 Lv17】【生物鑑定 Lv3】
【道具鑑定 Lv11】【気配察知 Lv1】
【観察】
技能:(生産・収集)
【調合 Lv5】【採取 Lv7】
【解体 Lv1】
技能:(思考・感覚)
【集中 Lv14】【鍛錬 Lv5】
【リズム感 Lv4】【流れ作業 Lv13】
【精密作業 Lv8】【根性】
技能:(抵抗・耐性)
【抵抗:閉所】【抵抗:暗所】
【抵抗:孤独】
その他
【生活魔法】【愛嬌】
【習得率上昇(小)】【説得】
【指さばき Lv15】【しゃがみ移動 Lv3】
≪加護≫
【妖精の気まぐれ:風】
【妖精の気まぐれ:土】
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