34 薬師ギルドと商人ギルド
次話更新はまたしばらくお待ちくださいませ・・・。
10分ほどの休憩という名の雑談を終えて、再び作業に取り掛かる。
一応再開する前に、今までの成果もレアさんに確認してもらった。
毒消し草とかが混じっていた事にレアさんは、かなり呆れていた様な、落ち込んでいた様な。
どうやら、私以外にも冒険者ギルドから派遣されてきた人が何人かいたみたいで、おそらくはその内の誰かがミスした部分みたい。
昼間に来る冒険者には主に、
裏の薬草畑から採取。
【植物鑑定】か【鑑定眼】持ちの人には薬草の仕分け。
薬草の切り取り。
この3種類の仕事を割り振っていたそう。
そこまで難しい仕事では無いし、単純作業だから誰でも出来ると判断して任せていたらしい。
けれど結果はご覧の通り。
薬草以外のものが物置にはたくさん混じっていたし、切り取り作業の際に土や根っこの端が紛れ込んでいて、仕分けでスルーされていた薬草以外のものは、そのまま木箱に入り込んでいる有様。
レアさん自身は、いくら単純作業とはいえ最終確認を行わなかったギルド側にも責任はあるって肩を落としていたけど、それにしてもねぇ。
昔に派遣の仕事をしていた事があるから、個人的には冒険者の仕事意識の低さの方がちょっと疑問。
人間ミスする事はあるし、ミスした事を責めるつもりは無いけれど、全体的に何か仕事の雑さが目立つんだよね。
ちょっと目に余るなぁ、ってどうしても思ってしまうくらいに。
ただ、一応は人には得意不得意があって、どうしてもこういった単純作業が苦手な人は居る。
そのことは私も理解出来ているので、あからさまに非難するつもりは毛頭ない。
更に言えば、もしもこれがプレイヤーなら『どうせゲームだし、仕事じゃないし』みたいな意識もあったんだと思うんだよね。それを責める権限も道理もこちらには無いから。
こればっかりはどうしようもない。
私個人的には、いくらNPC相手とはいえ、もうしっかり世界に入り込んで感情移入してしまっている自覚があるので、手を抜くことは考えられない。
もちろん、楽しむ事は全力で楽しむけどね。
レアさんもミスだらけの仕事をした冒険者への愚痴や不満は、口にしなかった。
ただ、肩を落として諦めたような表情をされると、こちらとしても中々やるせない。
ダメなんだよー。
そういう表情や仕草に私は弱いんだってばー。
守ってあげたいって思っちゃうじゃんー。
私に出来る事はせめて彼女たちの負担を減らすことだけだから、余計に気合が入る。
今日はこの後、特に予定も無い。一日フルに使ってやる。
少し気落ちした様子のレアさんを見送って、私も物置へ戻る。
ゲーム内の時間はもうすぐ夜明け頃。
ここは現在は昼番と夜番で2交代制を取っているらしいので、出来る限り交代時間までに進めておきたい。
頬を軽くたたいて、気合注入。絶対レアさんに休みをあげるんだから!
明らかに変化が起きたのは、それからしばらく経ってから。
薬草は普通、一株につき葉が5枚付いているもの。
それなのに、私が葉を切り取る回数は3回になっていた。
要は、一度に2枚の処理が出来るようになったということ。
どうしてそんな事が可能になったかというと、おそらくスキルのせい。としか言えない。
だって気付いたら、そうなっていたんだもの。
いや、最初にあれ?ってなった時はかなり焦ったけどね。まさか私もミスって、違う種類のもの混じっちゃったかな!?って。
でも、違った。
ちゃんと確認しながら作業していたら、1枚切り取ったはずなのに手に中には2枚の葉が。
まぁ、驚くよね。何のマジックですか?って。
変なところでゲームっぽさを感じる私。
心当たりがあるとすればスキルかな?と思って確認したんだけど、たぶん【流れ作業】じゃないかな?
ログを見る限り、タイミング的にはこれがレベル5になった時だと思う。
【精密作業】と迷ったけど、こちらはレベル4だし、タイミングも合わないから。
まぁ単純に考えて作業スピードが倍になったって事だから、これは助かる。
どんどんいきましょ。
夢中で作業している私の手を止めたのは、扉の外から聞こえてくる騒がしい声。
「これ以上ノルマ増やすなんて無理よ!今だってギリギリなんだから!」
「そう言われても、いまだ需要は上がり続けてるんだ。異人は増え続けるし、消費は上がる。彼らのおかげでモンスター素材の供給が増えている事で経済は上り調子なんだよ、この流れはまだ止めたくない。それにはポーションが無いと・・・」
「だからって無理なもんは無理!ってか、何で異人たちはポーションばっかりガブ飲みしてんのよ!?[治癒士]はどうしたの?治療院は?それに薬草だってまともに納品されないんじゃ、作りたくたって作れないわよ!イチイチ畑から採取してたんじゃ手間が増えるだけじゃない!せめて薬草の納品くらいはそっちで整える手段取ってよ、何もかもこっちで用意するには人手も時間も足りなさすぎるわよ・・・」
「一応こちらでも人手は集めているのだが・・・他にも人手が必要なところが多すぎて。あらゆる需要が高まっているからな、商人ギルドも中々てんてこ舞いなんだよ。冒険者ギルドに協力を仰いではいるが、異人の方々はみな討伐に重きを置いているみたいで、次々に素材が納品されるからあちらも処理が大変みたいだし・・・」
「それこそ商人ギルドの手腕の見せどころじゃないの?アンタ達の得意分野でしょうに。何で今回に限って取引とか流通が遅いのよ、いつもならもっとスムーズに処理を終えて、それこそ人手も物も有り余るくらい用意するくらいなのに」
「・・・すまない。今回は商人ギルドの落ち度だ。事態が収まったら必ず相応のお礼はする。どうか頼む。10日間だけ頑張ってもらえないだろうか。それまでに体制を整えて見せるから」
「そう言われても・・・」
なんか声掛けにくいけど、一旦出ていくべきだろうか?
盗み聞きしているみたいで落ち着かない。
勇気を出して扉を開けてみるチャレンジ。
「あ、ゴメン。うるさかった?邪魔しちゃったかしら?」
「いえ、少しキリが良かったので一旦、一休みしようかと」
「そう。あ、こっちは商人ギルドのガスパー、うちの取引担当なの。ガスパー、こちらは・・・えっと」
「異人の冒険者でカケルと言います」
「そうそう、カケル!ごめんね?名前覚えるのちょっと苦手なの」
苦笑いしてそう言うレアさん。あれだけ働き詰めでは、人の名前を覚える余裕なんて無かったでしょうに。
ましてや、1回しか会っていないのだから。
気にしなくて良いと伝えると、少し恥ずかしげにする様子が少し微笑ましい。
が、隣にいる男性、ガスパーさんは少し難しい顔をしている。
私、何か不作法な事をしただろうか。初対面でそこまで警戒されるような覚えは無いんだけれど?
「レア、いくら余裕が無いからと言っても男と二人っきりでいるのはおススメ出来ない。せめてあの3人の内1人だけでも一緒に居させるべきだよ。ここは人気も少ないから何かあってからじゃ遅いんだから」
おう、私のせいだった。
そっか、今の私は男だし異人だから、得体の知れない人物の認識でもおかしくないよね。
でもちょっと心外です。
そんな誰彼構わず襲うような、野蛮人みたいな見た目にはしていないと思うんだけど・・・。
むしろ顔のパーツいじってないから、元の顔がチャラい印象って事だろうか。
それならショックだ。むしろ恋愛関係には奥手の自覚あるぞ、私。
「ちょっと!何失礼な事言ってんのよ!?ゴメンね、こいつ昔からの知り合いでちょーっと過保護な部分があるもんだから。私ももう良い歳だってのに、いつまで兄気取りでいるんだか・・・」
「・・・ちょっと、いきなりグーパンするのはやめてくれ・・・。思いっきりみぞおちに入ったじゃないか」
「アンタがいきなり変な事言うからじゃない。この人は真面目に仕事してくれる貴重な労働りょ・・・人材なんだから!変に気まずく思われて、来てくれなくなったらどうすんのよ!」
「レア・・・キミ今、労働力って言った・・・?そっちのが失礼なんでは・・・」
いや、まぁ実際労働力だし、私は気にしないよ?
淡々と仕事をこなせば良いこの環境は中々楽しいし。それに、仕事っぷりを評価されるのは単純に嬉しいしね。
全然不快ではありませんよ?という態度を取ると、レアさんはニンマリと笑い、ガスパーさんはちょっと憮然とした顔。
うーん、なんか嫌われちゃったかな?
警戒色がちょっと強いのよな。なんか・・・こう、兄目線っていうよりも、むしろ・・・。
「君は――」
「ねぇ、ガスパー。いつまで居るつもりなの?仕事増やしたアンタがアタシ達の邪魔しないで。もういい加減作業に戻らないと。世間話は10日後以降にしてくれない?もっとも、アンタ達がそれまでに事態をなんとかしてくれたらだけど」
「・・・レア、俺は――」
まだ何か言いたい事でも?と言わんばかりに腕を組んで、少し不機嫌な顔をするレアさん。
そんな態度を取られたガスパーさんは、さすがに怒らせちゃマズイと思ったのか大人しく帰っていった。
私に対して、「レアに手出したら、ただじゃおかないぞ」って視線だけ最後にくれたけれども。
手なんか出すわけないのに・・・。
ブランドンさんの婚約者だよ?私、略奪愛は否定派だもん。
「さて、邪魔が入っちゃったけど、一旦休憩する?」
「宜しいので?ノルマが増えたんでしょう?私も作業が終わった訳じゃ無いので、すぐ戻りましょうか?」
「いいのよ、今日のノルマは今日のノルマ。明日からのノルマはまた別。なんか疲れちゃったし、ちょっとお話しましょ?」
何か企んでます・・・?
ニヤリって笑っているのは何故なんでしょうか・・・。
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名前:カケル
種族:人族
レベル:1
メイン職業:剣士
サブ職業:薬士
HP:100
MP:35
STR(腕力):12
VIT(体力):11
INT(知力):6
MID(精神):10
DEX(器用):11
AGI(敏捷):10
LUK(運) :10
LP:0P
SP:0P
≪称号≫
【人との縁を結ぶ者】【研鑚する者】【異変に気付く者】
≪スキル≫
戦闘:(戦闘技術・さばき)
【長剣術 Lv4】【杖術 Lv2】
【棒術 Lv1】【体術 Lv1】
【ナイフ術 Lv2】
戦闘:(技・強化)
【回避 Lv3】【器用強化 Lv4】
【ブレイク】【剣速 Lv1】
技能:(鑑定・隠蔽)
【植物鑑定 Lv13】【生物鑑定 Lv3】
【道具鑑定 Lv7】【気配察知 Lv1】
【観察】
技能:(生産・収集)
【調合 Lv5】【採取 Lv5】
【解体 Lv1】
技能:(思考・感覚)
【集中 Lv8】【鍛錬 Lv4】
【リズム感 Lv4】【流れ作業 Lv5】
【精密作業 Lv4】
技能:(抵抗・耐性)
【抵抗:閉所】【抵抗:暗所】
【抵抗:孤独】
その他
【生活魔法】【愛嬌】
【習得率上昇(小)】【説得】
【指さばき Lv9】
≪加護≫
【妖精の気まぐれ:風】
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